【1,2歳児おすすめ絵本】いろいろバス【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「いろいろバス」は私が”色とモノを関連づける楽しさを知って欲しい””考える・予測する力が豊かになって欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
作 | tupera tupera |
出版社 | 大日本図書 |
発行日 | 2013/5 |
値段 | ¥1430 |
大きさ・ページ数 | 24 | ×18cm/32P
「いろいろバス」はこんな絵本!
「いろいろバス」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「いろいろバス」を簡単にまとめてみました。
- ベストセラー作家であるtupera tuperaさんの色が楽しめる絵本。
- 色とその色に関連するモノが覚えられる。
- 予測する・考える力が豊かになる。
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
色と色に関連するモノを結び付けられる楽しい絵本。
赤いバスがやってきました。すると中からごろごろトマトが降りてきて…にゅるりとタコが乗りました。
お次は黄色いバスがやってきて、ふんわりオムレツが降りて、きらきら星が乗りました。
次は緑、その次は黒…それぞれその色にちなんだものがバスに乗っていきます。
そして最後は白やピンク、茶色などのいろいろバスがやってきて…みんな一気にどさっと降りました。
決まった流れが心地良く、色の魅力が詰まった作品です。
こんな方におすすめ
- 楽しみながら色に触れられる絵本を探している
- 想像力や思考力を身に着けられる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「いろいろバス」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
楽しみながら色、食べ物などに興味を持てる「はらぺこあおむし」
はらぺこなあおむしが生まれ、たくさん食べ物を食べて蝶々になるストーリー。楽しみながら曜日、数字、色が学ぶことができます。
乳幼児期に一度は必ず読みたい一冊です。
歌を楽しみながら色が覚えられる歌絵本「どんないろがすき」
一定のリズムが繰り返されるとても覚えやすいメロディーが特徴の歌が絵本で楽しめます。それぞれの色に関連したモノも描かれているので、色に関連づけて様々なモノに興味を持つことができます。
色と歌が楽しめる一石二鳥な一冊です。
目的・ねらい
- 色と色に関するモノを関連づける
- 想像したり、予測しながら絵本を楽しむ
目的・ねらい1
色とモノを関連づけやすい内容構成です。
「いろいろバス」の内容としては”バスが来て、その色に関連するものが乗り降りする”という非常にシンプルなものです。
赤いバスならトマトとタコ、黄色いバスはオムレツと星、緑のバスは河童と木、亀など、基本的に1ページに1つのモノが紹介されているので印象に残りやすく、色とその色に関連するモノを繋げやすくなっています。
また、最後のページにはドッとバスから様々なモノが降車しており、子ども自らどんなものがあるのか探してしまう描写も魅力的です。
目的・ねらい2
考える余白が考慮された構成も魅力的です。
バスが到着するページ、モノが降りるページ、モノが乗るページでそれぞれ1ページずつ使っていることや一定の決まった流れで進んでいくので、乳児であっても流れを理解しやすく、その先の展開を予測する事ができます。
バスが到着するページを見れば「黄色いバスからは黄色いものが降りるのかな?」と考え、どんなモノが降りてくるのかを想像できます。
また、次のページでは「次にバスに乗る黄色いものは何だろう?」と、自分の知識の引き出しの中から黄色いものを考える工程を経る事ができます。
”1ページに1つの出来事”という原則があるからこそ、想像や思考する楽しさをより深める事が出来ます。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳児期、特に2歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 発表会等 |
対象年齢
1,2歳児頃がおすすめです。
色の見た目とその名称を覚え始めたり、少し物事の見通しが立てられるようになる時期にピッタリの絵本です。
色や想像を楽しむだけでなく、多くのモノが登場するので語彙が増えるきっかけにもなり得ます。
時期・季節・行事
原色の名前を覚え始めた頃がいいでしょう。
赤、青、黄色の三原色は子どもにとっても覚えやすい色になっています。身の回りのモノを見て色の名称が少しずつ言えるようになった頃に読むと、色の理解の手助けになります。
「いろいろバス」には、黒、白、茶色、ピンクなどの色も登場するので様々な色を知り、自分の好きな色を見つけて色に関心を示すきっかけにもなり得る絵本です。
季節に関連する描写はないので、一年中楽しむ事ができます。
興味を持てば発表会の題材にすることもおすすめです。バスの運転手役や乗り降りするモノになりきると子どもも楽しみながら演じる事ができるでしょう。
読み聞かせのポイント
- 形容詞や副詞を意識して読みましょう
- ページをめくる間を作りましょう
ポイント1
モノのイメージが広がるように工夫する!
「いろいろバス」では、生き物や食べ物など様々なモノが登場しますが、そのモノの名詞の前に形容詞や副詞がついています。
例えば「ぺたぺた かっぱがのりました」「ざぶーんと クジラが…」「ひっそり かげが…」などなど、そのモノをより詳しく説明する言葉が必ず書かれています。
シンプルな流れでどこか淡々としてしまいがちなので、この形容詞や副詞のイメージを伝えるように読むとアクセントになり、聞き手が最後まで集中する事ができます。
「ざぶーん!!」と大きな声で読んだり、「ひっそり…」の部分は文字通り小さな声で読むなど、読み手のイメージや子どもの様子を見ながら様々な読み方を試してみると面白いと思います。
ポイント2
想像・考える時間を意図的に作ってみましょう。
目的・ねらい2で書いたように「いろいろバス」の構成は1ページに1つの出来事です。
そのような構成なので想像したり、展開を考える時間はある程度確保されているものの更に想像を膨らませる事が出来るようにページをめくる際の間を意図的に作る事をおすすめします。
あまり時間を空けすぎると話の流れが途切れてしまう恐れがあるので3秒程だけでも間を作ると、子どもの頭の中で様々な考えが思い浮かび想像力や思考力が豊かになる時間を作る事ができるでしょう。
まとめ・Ryuの感想
面白さの中に学びがある絵本です。
はらぺこあおむしやたべたのだあれのように絵本を楽しむ中で自然に様々な事を学ぶことが出来る一冊です。
色やそれに関連するモノを学ぶことが出来たり、語彙を増やすことが出来る絵本ではありますが、詰め込みすぎていない点が素晴らしく乳児期の子どもの発達段階をよく考えて作られていることが感じられます。
読み聞かせの時の反応も良く、初めて読み聞かせをするときはどこかドキドキしながら考えている様子がうかがえたり、2回目以降の時は流れを覚えているので赤いバスが到着すると「トマト!」と答えを言いながら楽しんでいます。
なので、初めての読み聞かせの時は勿論、2回目、3回目と読み聞かせの回数を重ねる毎に何が乗り降りするのかを覚える事ができるので、子どもにとっては楽しみが増していく絵本と言えます。
くだものさん、やさいさんなど名作を生みだしているtupera tuperaさんの作品なので購入して間違いはありません!
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