【1,2歳児おすすめ絵本】おもち【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】

「おもち」は私が”お餅という食材を知り、親しみを感じて欲しい””美味しそう、食べたいという気持ちを抱き食に興味を持って欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- お餅の存在を知る
- 食べる事に前向きになる
- 絵を本物の食べ物に見立てる楽しさを知る
作品紹介
「おもち」はこんな絵本!
「おもち」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「おもち」を簡単にまとめてみました。
- 落ち着いた雰囲気の中でお餅を食べているような感覚が楽しめる
- デフォルメされていない本物に近いお餅の描写が魅力的
- 聞き手と読み手で「おいしい」を共有できる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容


温かくも本物のように描かれた美味しそうなお餅が焼き上がる過程が楽しめます。
網の上にお餅を3つ乗せてお餅を焼きます。じりじり…お餅が段々熱くなってきました。ちりちりとほんのり裏が焼けてきたみたい。
お箸で持ち上げて見ると茶色くこんがり焼けている。3つとも裏返して反対側も焼いてみます。暫くするといい匂いがしてきた。焼けたかな?まだもう少し…。
ぱりぱりぷくりとお餅の真ん中が裂けて膨らんできた!どんどん膨らんでいきます。最後はとても大きくなりました。
焼きたてのお餅に醤油をつけて海苔を撒いたら美味しそうな磯辺焼きの出来上がり。他にもきな粉をまぶしてきな粉餅、あんこをつけてあんこ餅、大根おろしでからみ餅もあります。
びよーんと伸ばしていただきまーす。
落ち着いた雰囲気の中でお餅を楽しむことが出来る一冊です。


こんな方におすすめ


以下の項目に当てはまる方に「おもち」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 本物に近い描写でお餅が描かれている絵本を探している
- 聞き手と「おいしい」を共有できる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「おもち」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!


表情豊かなお餅の気持ちを想像するのが楽しくなる「おもちのきもち」
次々の人間に食べられていくお餅たち。そんなお餅を見て鏡餅は逃げる決意をし、逃げる事に成功しますが、自分を食べてみたら美味しいと気づいてしまい最後は固まってしまう面白いストーリー。分かりやすいストーリーや言葉の響き、感情を読み取る練習にもなるお餅の表情など、魅力が詰まった作品です。
笑いながらお餅に触れたい時にはこちらをおすすめ。


子どもと共に果物を食べた気分になれる「くだものどうぞ」
子どもに馴染みのある果物を剥いたり切りながら触れる事ができる絵本。仕掛けも魅力的で子どもも思わず仕掛けを触ってしまいます。子どもと「美味しいね」と言いながら楽しめる一冊。
仕掛けと共に食に興味が持てる絵本を探している時にはこちらをおすすめ。
目的・ねらい


絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- お餅の存在を知り、親しみを感じる
- 食べる事を前向きに捉え、食に興味を持つ
目的・ねらい1
お餅に興味を持つのにぴったりな描写です。
「おもち」の最大の魅力の1つは美味しそうに描かれたお餅の絵をゆったりと楽しめること。ゆったりとお餅の絵を見ることで、まだお餅の存在を知らない子であってもお餅がどういう食べ物なのかを認識する事ができます。
また、温かみはありつつも本物に近い形で描かれているので、実物を見た際にも本作で見たお餅と照らし合わせ、お餅であることを認知しながら親しみを感じる事ができるでしょう。
目的・ねらい2
食自体にも興味を持つきっかけになります。
本作のお餅はまるで本物を見ているかのようなリアルなお餅が特徴的。デフォルメされているお餅も良いのですが、本物に近いからこそ「美味しそう」という気持ちが一層感じられます。
「美味しそう」「食べたい」と思う事は食においてとても大切なこと。本作を読むことで食べる事に対して前向きに捉えるきっかけになったり、読み手と「美味しいね」を共有する心地良さを感じる事ができます。
チェックポイント


現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 1,2歳児、特に1歳児 |
季節 | 冬、若しくは一年中 |
行事 | お正月など |
対象年齢
1,2歳児頃におすすめです。
お餅だけにフォーカスした絵やゆったりとした展開、言葉の響きが楽しめる文など、非常に読み易い内容になっています。
お餅をまだ知らない1歳児頃の子でも十分に楽しむ事ができ、お餅を知るきっかけにもなるので、特に1歳児におすすめです。
時期・季節・行事
食べる事に興味が出てきた頃、若しくは後ろ向きな姿が見られた時期がおすすめです。
食べる事を既に前向きに捉える事が出来ている子にとっては更に食に興味が持てるような内容ですし、食べる事をまだ前向きに捉えられない子にとっては読み手と「美味しい」を共有する事によって食に興味を持つきっかけにもなります。
お餅はお正月に食べるイメージがあるので季節は冬、行事はお正月に合わせて読むことがおすすめです。ですが、季節関係なく日々の生活の中でお餅に触れる機会もあると思うので、そうした際に合わせて読むのもいいでしょう。
読み聞かせのポイント


「おもち」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 1ページ毎、じっくりと読みましょう
- 聞き手とのやり取りも楽しみながら読みましょう
ポイント1
お餅の小さな変化も楽しめるように!
「おもち」は終始お餅に焦点を当てている内容で、お餅に集中できるように背景も白で統一されています。
1ページ毎の情報量としては少ないのですが、展開が進むにつれてお餅に焼き目がついたり膨らんだりと少しずつ変化していく様子が楽しめます。
情報量が少ないからといって速く読むのではなく、ちょっとした変化に聞き手が気付いて楽しめるように1ページ1ページじっくりと読むことをお勧めします。
ポイント2
落ち着いた雰囲気で双方で気持ちを共有できます。
本作の大きな魅力は聞き手と読み手で気持ちを共有しやすいこと。本物に近い形で描かれたお餅を見て「美味しそう」「美味しいね」という思いをゆったりとした時間の中で共有できます。
読む事だけに集中するのも良いのですが、折角なら言葉を交わしながらお餅と共に聞き手と読み手だけの時間を楽しむ事を意識して見て下さい。


まとめ・Ryuの感想


お餅の魅力と温かさが詰まった作品です。
「おもち」はタイトルの通り、お餅以外の要素はないと言っても良い、お餅だけの絵本。白い背景にお餅が焼かれていく様子が描かれています。
お餅の魅力や食に対する興味を引き立てるきっかけにもなる一冊ですが、私はやはり本作を通じての聞き手とのやり取りが楽しめる一冊だと思っています。
お餅を見て指を差している子に「お餅美味しそうだね」と言ったり、膨らんできたら「大きくなってきたね」といった言葉を掛け、最後は一緒にお餅を食べて「美味しいね」と気持ちを共有するのが、温かく、非常に魅力的です。
お餅だけでなく、子どもとゆったりとした時間を過ごしたい時に読みたい一冊です。



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