【2,3歳児おすすめ】【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「なにをたべてきたの?」は私が”色の魅力に気付いて欲しい””想像力が豊かになって欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
「なにをたべてきたの?」はこんな絵本!
「なにをたべてきたの?」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「なにをたべてきたの?」を簡単にまとめてみました。
- 40年以上愛されるロングセラー作品。
- 色彩や会話の楽しさが味わえる。
- 想像しながら展開を楽しめる。
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
色彩と想像が楽しめる楽しい絵本。
しろぶたくんが急いでどこかに向かっています。他の豚がどこへ行くのかを尋ねると「ぼく なにか たべに いくところ」と答えます。
そしてしろぶたくんは美味しそうなりんごを見つけました。りんごを食べるとしろぶたくんのお腹に赤くて丸い模様が出てきました。
まだまだお腹が空いているしろぶたくんはレモンを食べました。すると今度は黄色い模様が。次はメロンで緑、ブドウを食べると紫の模様が出てきます。
そして最後は石鹸!石鹸がしろぶたくんのお腹の中でいたずらをして丸かった色まであわあわに。慌てたしろぶたくんは坂道をゴロゴロ転がり、口から石鹸のあぶくが逃げて行ってしまいます。
そして最後は元通りのしろぶたくんに戻ってしまいました。
豚同士の会話も魅力的な長く愛される作品です。
こんな方におすすめ
- 色に興味が持てる絵本を探している
- 想像する楽しさや会話の楽しさが感じられる絵本を探している
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絵本で絵の具遊びが楽しめる?「いろいろいろのほん」
絵の具によって描かれた絵本。それぞれの色が紹介されたり、混ぜたら何色になるのかなどの実験的な遊びが子どもの好奇心をくすぐります。
色の種類や名前を知りながら楽しめる一冊です。
動物たちの言葉のやり取りが面白い「てぶくろ」
森の動物たちが落ちているてぶくろに入る為に言葉を交わしていきます。一定のやり取りが楽しく、何度も読みたくなります。
ウクライナ民謡から生まれた傑作本。
会話の楽しさに気付くことが出来る一冊です。
目的・ねらい
- 色・色彩の変化を楽しみ、色に興味を持つ
- 展開を予測し、様々な想像をしながら楽しむ
目的・ねらい1
連想ゲームのように楽しめます。
「なにをたべてきたの?」では、食べたものの色に対応してしろぶたくんの色が変化していきます。
真っ白な豚のお腹が食べたものによって色づいていく様子がとても綺麗で、色そのものの良さを感じることができるでしょう。
また、日頃食べるものの色を見て「バナナを食べたら黄色になるのかな」「人参はオレンジ?」「赤い食べ物は何があるんだろう」と絵本の中に限らず、日常の中にある様々な色に気付くきっかけとなります。
目的・ねらい2
分かり易い展開だからこそ予測が楽しめます。
食べたものの色が体の色になる“というとてもシンプルな内容であるが故に予測がしやすく、「メロンを食べたら緑になるのかな?」「石鹸を食べたらあわあわになるのかな?」といった想像を楽しみながら絵本を楽しむ事ができます。
余白も多くあることで色そのものや展開に集中できる構図になっている点も想像力を掻き立てる要因となっています。
最後には坂道を転がり落ちるというまさかの展開もドキドキを生み、最後まで子どもを飽きさせません。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児期、特に3歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
3歳児前後がおすすめです。
色の名前を理解できていたり、想像力や予測する力も豊かになっているであろう3歳児頃に読むことで「なにをたべてきたの?」の面白さが子どもに100%伝わります。
語彙も増え、会話の楽しさにも気付く年齢なので豚同士の会話も存分に楽しめるでしょう。
時期・季節・行事
物事の見通しが持てるようになった頃がいいでしょう。
「〇〇したら〇〇になる」というような思考が芽生えてきた頃に読むことで「りんごを食べたら赤くなる」という一種の論理も理解する事ができます。
まだ完全に全ての事に見通しを持てるわけではありませんが、2歳児や3歳児になると少しずつ物事に見通しが立てられるようになったり、予測する事ができるようになるので、そのような様子が見られた頃に合わせて読むことをおすすめします。
季節や行事に関する描写は特にないので、イベントや季節を問わず一年中楽しむ事ができます。
読み聞かせのポイント
- ページをめくる時の間を作りましょう
- 声色を変えて会話を際立たせましょう
ポイント1
予測できる時間の確保をする!
「なにをたべてきたの?」の一番の楽しみは、しろぶたが果物などを食べた後、どうなってしまうのかを予測したり、想像すること。
そんな楽しみをじっくりと味わう事ができるように”答え合わせ”までの時間を少しだけでも作る事を意識すると楽しみが増します。
リンゴを食べたページから次のページをめくる間に2,3秒何も読まない間を空ける事で、その時間に展開を予測したり、予測があっているのかをドキドキする余裕を作る事ができます。
難しくない事なので、是非意識しながら読んでみてください。
ポイント2
会話も本作の魅力の1つ。
豚同士の何気ない会話が面白く、作品全体を通して会話の楽しさが感じられる絵本となっています。
豚の種類や模様も様々で縞のある”はんぷしゃーくん”、茶色い”ちぢれっけのぶたくん”、ぶち模様がある”ぶちのぶたくん”などが登場します。
少しではありますが語尾なども違っているので、それぞれのキャラクターで声を少し変えて会話らしさを演出すると、より会話の楽しみが聞き手に伝わるでしょう。
落ち着いた展開の作品なので大げさにすると作品の雰囲気を壊しかねないことも注意しながら読むことをおすすめします。
まとめ・Ryuの感想
しろぶたくんが愛くるしく思える楽しい作品です。
色や想像力、会話の楽しさなど様々な要素が詰まった作品ではありますが、純粋無垢なしろぶたくんがシンプルに可愛く思え、愛着すら感じられます。
そんな純粋さはまるで子どものようです。だからこそ、「なにをたべてきたの?」を読んでいる子どももしろぶたくんの気持ちが分かったり、共感でき、子どもから長く愛される作品になったのだと思います。
読み聞かせをするとドキドキしながら聞いていたり、純粋に知っている色や果物が出てきたら「あっ!」と言って喜んだり、坂道を転がるブタを見て大喜びしたり…子どもの様々な表情がうかがえる作品です。
色、食べ物、動物、会話など普遍的な面白さが詰まっている一冊です。
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