【1,2歳児おすすめ絵本】だれのあしあと【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「だれのあしあと」は私が”想像したり、考えたりする楽しさを感じて欲しい””雪や生き物に親しみを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 想像する楽しさを知り、日常の中でも様々なことを想像しようとする
- 冬のイメージを知り、冬を楽しみにしたり親しみを感じて過ごす
- 様々な生き物を知り親しみを感じる
作品紹介
作 | accototo ふくだとしお+あきこ |
出版社 | 大日本図書 |
発行日 | 2008/10 |
値段 | ¥1430 |
大きさ・ページ数 | 23×20cm | /20P
「だれのあしあと」はこんな絵本!
「だれのあしあと」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「だれのあしあと」を簡単にまとめてみました。
- クイズ感覚で、何度も楽しめる絵本
- 雪景色が広がり、冬の雰囲気が存分に感じられる
- 様々な生き物を知ったり、興味を持つきっかけになる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
クイズ感覚で楽しみながら冬の雰囲気が存分に感じられます。
山に積もった沢山の雪。ねずみが歩いていると誰かの足跡を見つけました。誰のだろう?ページをめくるとキツネさん。
ねずみとキツネが歩いていると、また誰かの足跡を見つけます。次は…にわとりさん。今度は三匹で歩いていると…ぶたさんの足跡を発見。
次は兎、熊と見つけると最後はねずみのママの足跡を見つけます。最後は皆で温かい家の中に入って美味しいスープを召し上げりました。
落ち着いた雰囲気と想像が楽しめる一冊です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「だれのあしあと」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 想像する面白さやクイズのような楽しさと共に読める絵本を探している
- 冬らしさが存分に味わえる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「だれのあしあと」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
一緒の言葉を言い合う楽しさが感じられる「わたしはだあれ?」
わたなべさとこさんの優しいタッチで描かれた動物とクイズのようなやり取りが楽しめる絵本。クイズが当たった時の「あったりー!」という言葉を子どもと一緒に読むことで繋がりを感じる事ができます。想像力も豊かになる一冊です。
季節関係なく、温かい雰囲気で楽しめる絵本を探している時にはこちらをおすすめ。
サバンナの生き物×想像力「うしろにいるのだあれ サバンナのなかまたち」
生き物の一部から何の生き物かを想像するクイズ感覚で楽しめる絵本。最初の描写は食事中のシマウマから。シマウマの後ろには誰かのしっぽが描かれています。誰のしっぽでしょう。そのようなシーンが繰り返し描かれていて、想像が膨らみます。
生き物の一部から想像を膨らませる楽しさを味わいたい時にはこちらをおすすめ。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 想像したり、考える楽しさを感じる
- 雪や生き物に触れ、親しみを感じる
目的・ねらい1
足跡から想像する楽しさ、推測する楽しさが満載です。
本作の最大の楽しみと言っても過言でないのが、雪についた足跡が誰のものなのかを当てること。似たような足跡もよく見てみるとそれぞれの生き物の特徴を捉えた足跡になっています。
きつねやうさぎ、くまなど子どもに馴染みのある生き物ばかりなのですぐに覚える事ができますし、最初はどの生き物かを知らなくても何度も読む中でどの生き物なのかを覚え、それを当てる楽しみ方もできるようになります。
目的・ねらい2
必要最低限の情報量なので絵に集中できる構成です。
「だれのあしあと」の内容はとってもシンプルで誰の足跡かを考えるパターンが繰り返されるだけ。ストーリーの理解などを深く考えなくても絵だけで十分楽しめる構成となっています。
そして絵も一面の雪景色に生き物が登場するシンプルな構成なので、雪や生き物だけに意識を向ける事ができ、作品を楽しむ中で自然と雪や生き物に親しみも感じる事ができます。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 1,2歳児、特に1歳児 |
季節 | 冬 |
行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
1,2歳児頃がおすすめです。
繰り返しが基本のシンプルな内容、絵だけでもすぐに状況が理解できる情報量で描かれたシンプルな絵、必要最低限の文字などを考えると1,2歳児でも最後まで集中しながら楽しむ事ができます。
身の回りの動物などの名前を覚え始める1歳児頃に読むことで生き物に関心を持ちながら楽しむことができるので、おすすめです。
時期・季節・行事
日常の中で身の回りの生き物に興味を示し始めた頃がおすすめです。
外に行った時に猫を見て「にゃんにゃん」と言ったり、犬を「わんわん」と言いながら指を差すような言動が見られた頃に合わせて読むことで、興味を持っている生き物に対して更に深く興味を示すきっかけにもなるでしょう。
雪の描写が特徴的な作品なので、季節は冬。行事に関する内容はないので、冬を通して楽しむ事ができます。
読み聞かせのポイント
「だれのあしあと」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 聞き手に質問を投げかけるように読みましょう
- 聞き手とのやり取りも楽しみながら読みましょう
ポイント1
読む事だけに意識を捉われないように読む!
「だれのあしあと」はクイズのような感覚で楽しめる作品。聞き手が答えを言いたくなるように、また反応しやすいような読み方を意識しながら読むことがおすすめです。
「あれっ だれの あしあと」という言葉が決まって書かれているので、その言葉を読むときに疑問形にして、聞き手の目を見ながら読むようにすると聞き手からの反応も多くなります。
ポイント2
展開の流れを切らない程度に言葉のやり取りも楽しみながら読む!
聞き手が誰の足跡かを考えている時に自由な発想で様々な生き物の名前が出てきます。その際に聞き手の言葉に全く反応しないで次に進むのもいいと思いますが、少しでも反応しながら読むことで聞き手との距離もグッと近づきます。
聞き手の言った答えに対して「なんだろうね?」「きつねかな?」と言ったり、正解の答えが出た時に「すごいね!」と、ちょっとした反応をするだけでも単に読み聞かせをするのとは違った温かな雰囲気で楽しめるようになります。
まとめ・Ryuの感想
ゆったりとした雰囲気ながらも思い切り楽しめる冬にぴったりの絵本です。
「だれのあしあと」は決して盛り上がって読むような雰囲気の絵本ではありませんが、聞き手に考えさせるような文で構成されているため、落ち着きながらも楽しさに溢れた作品となっています。
実際に読み聞かせをする時の反応もとても良く、誰の足跡かを一生懸命想像して答えたり、当たった時には思い切り喜んだりと、心から内容を楽しんでいる様子がうかがえます。
また、本作を通じて聞き手と読み手とのやり取りも生まれやすく、聞き手と読み手で一緒の物事を楽しみ、気持ちを共有している感覚が自然と生まれてくる点も非常に魅力的です。
冬の雰囲気を楽しめるだけでなく、想像・予測する楽しさ、やり取りする楽しさなど、様々な楽しみが詰まった一冊です。
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