【相手の気持ちを考られる】そらまめくんのベッド【現役保育士がレビュー】

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【3,4歳おすすめ絵本】そらまめくんのベッド【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】

Ryu

「そらまめくんのベッド」は私が”モノを共有する良さを感じて欲しい””相手の気持ちを考える大切さを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。

「そらまめくんのベッド」を通じて目指す子どもの姿
  • 自分のモノを貸す良さを感じる
  • 相手にも思いがある事に気付く
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目次

作品紹介 

なかや みわ
出版社福音館書店
発行日1999/9
値段¥990
大きさ・ページ数20×27cm/28p

「そらまめくんのベッド」はこんな絵本!

「そらまめくんのベッド」ってどんな内容の絵本?

 そんな疑問にお答えするために「そらまめくんのベッド」を簡単にまとめてみました。

  1. 長年愛されるそらまめくんシリーズの一作目
  2. 友だちとモノを共有する良さを感じられる
  3. 相手の気持ちを考えるきっかけになる

まるわかりQ&A

そらまめくんのベッドを一言で表すと?

共有する良さを伝えてくれる絵本!

子どもの反応は?

ストーリーに引き込まれ、静かに聞く!

ずばり何歳向け?

3歳児向け!

どんな人は買い?

子どもが玩具などの貸し借りができないと悩んでいる人!

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あらすじ・ストーリー・内容

そらまめくんの葛藤・成長が描かれています。

 そらまめくんの宝物はふわふわで綿のように柔らかいベッド。

 友だちのえだまめくんやグリンピースさん、さやえんどうさん、ピーナッツくん…みんなもそんなベッドで寝てみたいとお願いをしますが、そらまめくんは何かと理由をつけて断り続けます。

 そんなある日、そらまめくんのベッドがどこかへいってしまいました。友だちにも聞きますが「ベッドを貸してくれなかったバツさ」と言われてしまいます。

 何日も探し回り、ようやくベッドを見つけますが、なんとその上にうずらが!数日経ったある日、ようやく卵が孵りました!そらまめくんのベッドも無事です。

 友だちの待つところに帰り、みんなでベッドが見つかったパーティー!パーティーの後、そらまめくんはみんなをベッドに招待して、みんなで仲良く寝ました。

 誰もが経験した葛藤を優しいタッチと温かいストーリーで描かれているそらまめくんシリーズの一冊目です。

こんな方におすすめ

以下の項目に当てはまる方に「そらまめくんのベッド」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。

  1. モノを貸す事の大切さを感じられる絵本を探している
  2. 相手の気持ちを想像できる絵本を探している

絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!

「そらまめくんのベッド」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!

相手を深く思いやる気持ちが感じられる「つきのうさぎ」

 倒れている老人を見つけ、さる、きつね、うさぎが助けようとしますが、何もできなかったうさぎは自分を犠牲にしてまで助けようとします。

 思いやりの心だけでなく、月にうさぎがいる理由も分かる一冊です。

友だちへの優しさが大切だと感じられる絵本「そらいろのたね」

 もらったものを大切にし、友だちと分け合う主人公のゆうじは、動物たちに囲まれて幸せそう。ですが、独り占めしたり、わがままを言うキツネは結局最後には全てを失うストーリー。

 シンプルな絵で読みやすく、教訓が感じられる一冊です。

目的・ねらい

絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。

  1. モノを貸した後に何が起こるのかを感じる
  2. 相手がどのように感じるのかを知る

目的・ねらい1 

モノを貸すと誰かが幸せになれるかも、と感じるでしょう。

 自分のモノを貸す、ということは子どもにとってとても難しいことで、誰しもが直面する葛藤の1つです。

 大人でも自分のモノを貸すことに躊躇いを感じるぐらいですから、子どもにとっては尚更なのです。ただ、「貸してあげなさい」「自分がされたらどう思うの」と伝えてもそれはハッキリ言って無駄です。

 自分が損をしてまでする意味や相手の気持ちを考えることは、乳幼児期の子にとってかなり高度なことだからです。

 ですが、「そらまめくんのベッド」では、強制的に貸すのではなく、貸した先に相手の幸せが描かれています。人間は本来相手に喜んでほしいという思いを持っています。

 なので、「そらまめくんのベッド」を読むことで、「自分のしたことで他者に良いことがあるのかもしれない。だから、貸してみよう」と感じる事ができるでしょう。

目的・ねらい2  

自分本位な考えは、相手が不快に思うかもしれません。

 目的1でも書いたように相手の気持ちを考えることは、子どもにとってとても難しい事です。ですが、「そらまめくんのベッド」を読むことで、相手の気持ちを考えるきっかけが生まれるでしょう。

 そらまめくんのベッドに寝てみたい友だちですが、一向に貸してくれないそらまめくんを見て、友だちは嫌な思いを抱いてしまいます。

 そらまめくんからしたら自分の気持ちに素直になっているだけなので、特に悪いとも思っていませんし、気持ちに素直なのはとても良い事です。しかし、他者と共に生活をするのは自分の気持ちを大切にするだけではいけない時もあります。

 そんな時に「他の人はこんな事を思うんだ」と気付くことができます。子どもも一緒で、他者との関わりを経ながら色々な考えがある事に気付いて成長していきます。

 そんな他者の思いがある事を気付かせてくれる、また、それらが分かりやすく書かれている作品です。

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チェックポイント

現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。

年齢3,4歳児、特に3歳児
季節一年中、または春
行事発表会、劇など

対象年齢

3歳児以降がおすすめです。

 「そらまめくんのベッド」では、相手の気持ちを考える大切さが込められています。相手の事を考えることは乳児には非常に困難な事です。

 3歳児でも難しい事ですが、「相手にも気持ちがある」ということを理解する事はできるでしょう。

 ストーリーとしても面白いですし、絵本の5分程度で読み終わる丁度いい長さなので、幼児期の始まりである3歳児におすすめです。

時期・季節・行事

自分の意思が言葉や態度でしっかり表現できるようになった頃がいいでしょう。

 友だちの「貸して」に対して「やだよ」と言ったり、嫌な素振りをしっかり見せるようになることは、自分の意思が表現できるようになった成長の証でもあります。

 意思を表示することはマイナスではありませんが、園生活・学校・社会では不特定多数の人と関わらなければいけない集団生活においては、相手の気持ちも考えなければいけません。

 自分の意思を表示する1つ上の段階として、相手の気持ちを考える大切さを「そらまめくんのベッド」で示すことができるでしょう。

 季節に関しては、ねこじゃらしやてんとう虫が描かれているので、春だと思いますが、特に触れられていないので、いつ読んでも大丈夫でしょう。行事としては、子どもが興味を持ったら発表会などでやってもいいかもしれません。

読み聞かせのポイント

「そらまめくんのベッド」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。

  1. しっかり演じ分けて、感情を込めて読みましょう
  2. ページによっては指を差しながら読みましょう

ポイント1  

感情を読み取って、声で表現しましょう。

 「そらまめくんのベッド」には、ベッドを貸してくれないことに対しての怒り、ベッドがなくなってしまった時の悲しみ、ベッドが見つかった時の喜びなどいくつもの感情が登場します。

 そんな感情を的確に表現することで、聞き手がより現実的な話として捉えることができますし、感情移入もしやすくなります。

 最初にある程度、話の流れやどういった感情で言葉を発しているかを理解しておいた方が読みやすくなるので、読み聞かせをする前に一度目を通しておくことをお勧めします。

ポイント2

指を差すことでストーリーを分かりやすくしましょう。

 絵本においての指差しは、世界観を邪魔するものとして賛否両論あるかもしれません。ただ、私は「そらまめくんのベッド」では主に2か所、展開を分かりやすくするために指差しする部分があります。

 1つは、友だちがそらまめくんを心配して各々のベッドを持ってきてくれるシーン。

 「えだまめくんの ベッドは…」と書いてあるところでは、えだまめを指差し、「グリンピースの きょうだいの ベッドは…」と書かれている所はグリンピースを、といったようにどれが枝豆なのか、どれがグリンピースなのかを分かりやすくするよう心掛けています。

 もう1つは、卵からヒヨコが孵るシーン。

 卵から孵る描写が順を追って描かれているので、「パリッ パリッ」「パリッ ぴよっ」の効果音と共に指を差していきます。

 指を差すことに抵抗がある方は好みに応じて、読み方を工夫してみてもいいでしょう。

まとめ・Ryuの感想

優しいタッチの中にしっかりとメッセージが込められている絵本です。

 どんな子でも親しみが持てる優しいタッチ、展開のあるストーリー、友だちとの関わりについてのメッセージなど、どれをとっても素晴らしい絵本です。

 文字の量やページも幼児期の子が集中を保てる良い塩梅ですし、展開もあるので最後まで飽きさせません。

 私も実際に2歳児から5歳児までこの絵本を読んできましたが、子どもによって感じる事は様々で、相手の気持ちが考えられるようになってくると「そらまめくん意地悪!」といった反応が返ってきたり、2歳児の子だと「ベッド大きい!私のはピンク」、他にも「鳥さん嬉しそう」など、成長の段階によって見え方も違うことが反応から感じられました。

 個人的には「友だちの気持ちを考えるきっかけになれば」というねらいで読むことが多いのですが、その大人都合の思いを決して押しつけがましく読まないように気を付けています。

 何を感じるかは人それぞれなので、それぞれが感じた事を大切にしてあげましょう。心が成長したり、環境が変化することで感じ方も変わってくる作品だと思います。

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