【1,2歳児おすすめ】ねずみくんのチョッキ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「ねずみくんのチョッキ」は私が”繰り返す展開の楽しさを感じて欲しい””動物に親しみを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
「ねずみくんのチョッキ」はこんな絵本!
「ねずみくんのチョッキ」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「ねずみくんのチョッキ」を簡単にまとめてみました。
- シリーズ累計400万部を超えるねずみくんの絵本シリーズの第一作目
- ワクワクする展開で想像力が豊かになる
- 動物の表情、言葉の響きが楽しめる
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
動物たちの表情が魅力的!引き込まれる名作です。
お母さんが編んでくれたねずみくんのチョッキ。ねずみくんは「ぴったり にあうでしょ」と誇らしげ。そこへあひるが来て「いいチョッキだね ちょっときせてよ」とお願いします。ねずみくんは「うん」と返事。
あひるくんもチョッキを着る事ができて「すこしきついが にあうかな?」と嬉しそう。そうすると次はさるが来て「いいチョッキだね ちょっときせてよ」とお願い。あひるは「うん」と返事をします。
次はあしか、らいおん、うま…最後はぞう!ぞうくんが着るとチョッキはぴっちぴち!そんなチョッキを見たねずみくんは残念そう。ですが、チョッキを使って最後はぞうの鼻でブランコ遊びを楽しめました。
どんな展開が待ち受けているのかワクワクできる超名作です。
こんな方におすすめ
- 想像する事が楽しく感じる絵本を探している
- 動物に親しみを感じる事ができる絵本を探している
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「ねずみくんのチョッキ」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
想像力が豊かになり、言葉の面白さも感じられる「もこもこもこ」
「もこ」「にょき」「ぷうっ」など面白い響きの言葉と不思議な生き物のようなものが絶妙に合わさり、本作しか出せない面白さを演出しています。シンプルな描写が想像力を掻き立てます。
笑わない子はいないであろう一冊です。
動物と楽しみながら想像力が豊かになる「にゃんにゃんわん!」
動物の一部分が見えていて、そこから何の動物かを当てるクイズのような仕掛け絵本。一部分だけ見えているので、何の動物か想像する楽しさ、当たった時の喜びが味わえます。
動物に親しみを感じられる一冊です。
目的・ねらい
- 絵本の展開を想像し、予測することを楽しむ
- 動物の面白い表情に着目し、動物に親近感を抱く
目的・ねらい1
想像し易い一定の展開が魅力的!
「ねずみくんのチョッキ」は、チョッキを動物たちが代わる代わる着ていくという一定の展開で進んでいきます。
大人からすると単調と捉えてしまいがちですが、子どもからするとある一定の展開で進んだ方が次の展開を予測しやすく、ドキドキしたりしながら聴く為、集中しやすくなります。
シンプルだからこそどんな子でも想像することや予測する事を楽しめる。人を選ばずに楽しめる事は、絵本にとってとても重要なポイントの1つです。
目的・ねらい2
動物にしか目がいかない最高の構図!
本作の特徴としてこれでもかと余白を使って動物たちが描かれています。ページを開くと右側に少しの文字。左側は真ん中に動物が1、2匹だけ。
余白が多く使われているからこそ真ん中に描かれている動物に目が行きやすくなるだけでなく、他の箇所に目移りしないため動物のみに集中する事ができるような工夫が施されています。
集中する中で動物の表情にも着目する事ができます。「ねずみくんのチョッキ」に登場する動物の表情が豊かで思わず笑ってしまう可愛さがあります。
そんな動物たちの表情を見ていると動物に親しみを感じる事ができるでしょう。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 1,2歳児、特に1歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 発表会、劇など |
対象年齢
幅広い年齢におすすめです。
余計なものを全てそぎ落とした非常にシンプルな構成となっているので、0~2歳児の子も最後まで集中して聞くことができます。
0歳児だと少し長いかもしれませんし、2歳児だと少し物足りない可能性があるので1歳児に読むことをおすすめします。しかしながら、幅広い年齢の子から愛される作品なので5歳児に読んでも面白さは十分に伝わります。
時期・季節・行事
動物、生き物の存在をしっかり認識し始めた頃がいいでしょう。
「ねずみくんのチョッキ」には動物が多く登場するので、動物にある程度の関心を示している状態で読み聞かせをすると更に集中して聞くことができます。
また、動物に関心を示し始める頃には「いないいないばあ」などの0歳児向けの絵本も最後まで集中して聞くことが出来るようになっていることが予想されるので、動物や生き物の認識を目安にするといいでしょう。
季節に関連する描写は一切ないので一年中楽しむ事ができます。行事と直接の関連はありませんが、発表会や劇にしやすい内容なので子どもが気に入れば、それらの行事の題材にすることをおすすめします。
読み聞かせのポイント
- 動物に応じて声色を少し変えましょう
- ゆったりと落ち着いた雰囲気で読みましょう
ポイント1
少しのアクセントを加えるだけでOK!
「ねずみくんのチョッキ」は作品を通して同じ流れが繰り返される絵本。長くない作品なので飽きが来る心配はありませんが、動物によって声を変える事で楽しみが深まります。
例えば猿は少し高い声、ライオンは少し低い声など大げさに声を変える必要はありません。大げさにしてしまうと作品全体の雰囲気を壊してしまう可能性があるのでほんの少し意識する程度に留めておくことをお勧めします。
ポイント2
余白や絵を楽しめるように工夫!
大きな展開やびっくりするような描写は特になく話が進んでいくので、落ち着いた雰囲気の中で読むのに適しています。
また、特徴的な余白部分や面白い動物たちの表情をじっくりと見る事ができるように少しゆったりと読むと、聞き手もより「ねずみくんのチョッキ」の世界観を楽しむ事ができるでしょう。
「ねずみくんのチョッキの歌」もあるので、たまには雰囲気を変えて唄いながら読むのもおすすめです!
まとめ・Ryuの感想
シンプルイズベスト!そんな作品です。
超がつくほどの有名作なだけあって、子どもからも人気が高い作品です。
色々と綺麗な絵や様々な要素が詰まった作品も素敵なのですが、そういったものを殆どなくし、本当に必要なモノだけを描いてある作品という印象があります。
余計なものがないからこそ子どももグッと引き込まれるのでしょう。読み聞かせをしている時の子どもの表情は集中しつつもどこか微笑んでいて、温かな表情をしています。
知っている動物を指さしたり、動物の表情に笑ったり、一緒に声を合わせて読んだり…本当に楽しそうに聞いています。
読んでいる私も「絵本っていいな」と思える作品なので、きっと子どもも同じことを思いながら楽しみ、絵本そのものを好きになれる作品です。
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