【4,5歳児おすすめ絵本】妖怪横丁【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「妖怪横丁」は私が”日本に伝わる妖怪の存在を知って欲しい””現実世界にも妖怪の存在を感じ、想像力を膨らませて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
作 | 広瀬 克也 |
出版社 | 絵本館 |
発行日 | 2011/3 |
値段 | ¥1430 |
大きさ・ページ数 | 24.5×22.8cm/28P |
「妖怪横丁」はこんな絵本!
「妖怪横丁」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「妖怪横丁」を簡単にまとめてみました。
- 50種類以上の日本に伝わる妖怪を知る事が出来る。
- 明るく、楽しい雰囲気で妖怪に触れる事ができる。
- 読んだ後にも想像力が膨らむ絵本。
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
日本の妖怪を楽しみながら知る事ができます。
親にお豆腐のお使いを頼まれた男の子。男の子が向かったのは「妖怪横丁」
妖怪横丁に入るとおもちゃ屋さんや子ども服店がありますが、お店の人は全部おばけ!からかさおばけや花子さんがお店にいます。
他にもろくろ首の楽器店、一つ目小僧の眼鏡屋さん、ぬりかべ・座敷童の不動産屋、小豆婆のクリーニング…のっぺらぼうや口裂け女など馴染みのある妖怪から、ちょっと珍しい妖怪までとにかく妖怪がいっぱい!
男の子はお目当てのお豆腐を一反木綿の豆腐屋さんで買う事ができました。
ずーっと男の子の様子を見ていた一つ目小僧が最後に「もしかしておまえは…」「にんげんかーい?」とちょっぴりドキドキできる展開も。
日本の妖怪を知りたいなら絶対に読みたい一冊です。
こんな方におすすめ
- 日本の妖怪に親しみが持てる絵本を探している
- 読んだ後も想像を膨らませながら楽しめる絵本を探している
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愉快な妖怪が登場する名作物語「めっきらもっきらどおんどん」
主人公が不思議な世界に迷い込み、3人の妖怪と楽しくも奇妙な時間を過ごすストーリー。その独特で不思議な世界観に子どもたちもみるみる引き込まれていきます。
暗く奇妙ながらも魅力が詰まった絵本です。
おばけという不思議な存在に楽しく触れられる「おふろにいれて」
男の子がお風呂に入っていると「トントントン」と窓の外から誰かが覗いています。ねこ、いぬ、うさぎが来て一緒にお風呂に入っているとおばけが…。優しいおばけと動物たちの温かいお風呂の絵本です。
おばけや妖怪を認識するのにぴったりな一冊です。
目的・ねらい
- 不思議な存在・妖怪の存在を知り、興味を持つ
- 想像力を豊かにし、現実世界でも絵本の世界を楽しむ
目的・ねらい1
魅力いっぱいの妖怪を知るのにぴったりな一冊。
妖怪という怖くもあり、不思議な存在。確かに怖い存在ではありますが、それと同時に子どもにとってはこれまで見た事も聞いたこともない魅力で溢れた存在でもあります。
”おばけ”の存在はもう既に知っている子が多いかもしれませんが、”妖怪”となると知らない子も多くいます。おばけとは似て非なる存在で、姿かたちも多種多様であることを「妖怪横丁」を見る事で知る事ができます。
暗い雰囲気の作品ではないので、妖怪に親しみ・興味を持つのに最高の絵本です。
目的・ねらい2
現実世界に繋げやすく、想像が膨らみます。
日常の何気ない所にいるのが妖怪なので、絵本を読んだ後に子どもたちの中には「もしかしたらあそこに妖怪がいるかも…」という思いが芽生えているでしょう。
その少し怖くもあり、ドキドキしながら想像を膨らませる感覚を読み聞かせの後にも味わう事ができます。
とくに子どもは絵本の世界と現実世界のハッキリとした区別をすることが難しい時期でもあります。そんな時期だからこそ「妖怪横丁」の世界観を現実世界にも繋げて、楽しむ事ができます。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に4歳児 |
季節 | 夏、ハロウィン |
行事 | お盆、ハロウィンなど |
対象年齢
幼児期がおすすめです。
「妖怪横丁」は終始怖くない雰囲気で妖怪に触れる事が出来る絵本ではありますが、やはり”おばけ=妖怪=怖い”というイメージが子どもにはあります。
乳児期の子にとっては楽しさよりも怖さが先行してしまう可能性がありますし、妖怪という空想上の存在であることをある程度認識している事で更に楽しみが深まる絵本なので、幼児期、特に想像力が十分に豊かになっている4歳児頃をおすすめします。
時期・季節・行事
空想と現実のものの区別がある程度つく頃がいいでしょう。
妖怪という普段は目には見えない一種の空想上の存在。乳児期の頃には空想と現実との区別がしっかりとついていないことが多いので、「妖怪横丁」を読んでもいまいちピンとこない可能性があります。
なので、空想上の存在であることがある程度理解できるようになっている頃に読むことで、一種のファンタジーとして子どもも楽しむ事ができます。
季節と行事としては、日本妖怪のイメージが強い夏・お盆や欧米のおばけと比較するために秋・ハロウィンなどに読んでもいいでしょう。内容としては一年中でも楽しめる内容となっています。
読み聞かせのポイント
- 丁寧に描かれている妖怪をしっかり見せる時間を作りましょう
- 明るい雰囲気で読みましょう
ポイント1
1ページ毎に時間を掛けて!
「妖怪横丁」は50種類ほどいる数多くの妖怪が描かれている点が特徴・魅力の1つの作品です。
妖怪に集中できるように文章の量が少ないのですが、その文を読み終えるまでに全ての妖怪を見るのは大人でも不可能です。なので、文を読み終えても次のページにはいかずにページに描かれている妖怪を見せる時間を確保しましょう。
「こなきじじいとすなかけばばあがやってるお蕎麦屋さんがあるね」など文にはないものも声に出して読み、描かれているもの1つ1つに目を向ける時間を読み手が作ることもおすすめです。
ポイント2
怖がらせるのが本作の目的ではありません。
”妖怪”という言葉を聞くと誰しもが怖いイメージを抱くでしょう。ですが、「妖怪横丁」を読む目的として怖がらせることは一切ありません。
寧ろ終始明るく楽しい雰囲気すらある作品なので、変に声を低くしたり暗い雰囲気で読む必要は全くないのです。
妖怪たちが楽しそうに過ごしている雰囲気を読み手が聞き手に伝える事ができるように、声を少し明るくしたり、表情も楽しそうに読む事を意識することをおすすめします。
まとめ・Ryuの感想
文化の紹介・教養としても読みたい一冊です。
妖怪を日本の文化や教養の一種として捉えるのは少し違うかもしれませんが、私は昔から伝わる妖怪という不思議な存在をこれからも語り継いでいきたいですし、文化として大切にするべきものだと考えています。
まして想像力豊かな子どもにとって、様々な姿かたちをした妖怪は魅力いっぱいの存在です。想像・発想の”タネ”として非常に魅力的であると思います。
読み聞かせの時は少しドキドキしている子もいますが、「妖怪横丁」の持つ明るい雰囲気にそのドキドキも自然となくなり、妖怪の世界に入り込んでいる様子がうかがえます。
「これの名前なに?」「へんな妖怪いる!」と、様々な妖怪に興味を持ちながら楽しめることでしょう。
日本の昔からの考えを伝える為にも一度は読みたい一冊です。
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