【2,3歳児おすすめ絵本】3びきのこぶた【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「3びきのこぶた」は私が”一生懸命取り組む事の大切さを感じて欲しい””展開を予測しながら物語の楽しさを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
「3びきのこぶた」はこんな絵本!
「3びきのこぶた」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「3びきのこぶた」を簡単にまとめてみました。
- 世界中で愛されるイギリスで生まれた名作童話。
- 物事に一生懸命取り組む事の大切さが感じられる。
- ドキドキしながら展開を予測・想像する楽しさが味わえる。
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
ハラハラドキドキの展開が楽しい!教訓の詰まった絵本。
お母さん豚と3匹の子豚が住んでいました。ある日お母さん豚は「これからは自分の事は自分でしなさい」と3匹の子豚に自立するよう伝え、3匹の子豚は自分の家を作ることとなりました。
一番上の兄さん豚は寝るのが大好き動くのは大嫌い。二番目の兄さん豚はいつもお腹が空いている食いしん坊。三番目の子豚は動くのが大好きで元気な子豚です。
一番上の兄さん豚は藁で、二番目の兄さん豚は木で簡単な家をすぐに作りましたが、三番目の子豚は煉瓦で頑丈な家を時間を掛けて一生懸命作りました。
そこにお腹を空かせた狼がやってきました。まずは一番上の兄さん豚の家を見つけると「こんな家俺様の一吹きで吹っ飛ぶさ」と言って、大きく息を吸い込むと「ふーっ!」と息を吐き、藁のお家を飛ばしてしまいました。
一番上の兄さん豚は二番目の兄さん豚の木の家に隠れますが、そんな木の家も狼にあっという間に吹き飛ばされてしまいます。二匹は三番目の子豚の煉瓦の家に逃げ込みます。
狼は煉瓦の家も息を吹きかけ飛ばそうとしますが、何度やっても吹き飛びません。頭にきた狼は煙突から入ろうとします。
しかし、三番目の子豚は冷静に暖炉に火をつけると、そこに落ちてきた狼は尻尾に大やけど!それっきり狼はこなくなりました。
子どもと盛り上がりながら楽しめる長年愛される名作です。
こんな方におすすめ
- 勤勉・努力の大切さが感じられる絵本を探している
- 子どもと一緒に盛り上がりながら物語を楽しめる絵本を探している
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「3びきのこぶた」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
ドキドキの展開の中にある教訓「あかずきんちゃん」
誰もが一度は聞いたことがあるグリム童話の名作。起承転結がしっかりとした分かりやすいストーリーの中に話を聞く大切さなどの教訓が織り交ぜられています。
狼繋がりで読みたい世界の名作です。
子どもが参加しながら楽しめる「とらさんおねがいおきないで」
寝ているトラにサプライズをする為に生き物たちがトラを起こさないように移動する展開が楽しい絵本。「どうしたらいい?」というような投げかける文が多く、子どもが自然と次の展開を見通すことができます。
子どもとのやり取りも楽しめる一冊です。
目的・ねらい
- 物事に一生懸命取り組む大切さを感じる
- 展開を予測・想像しながらストーリーを楽しむ
目的・ねらい1
兄と弟の対比が分かりやすく描かれています。
後先の事を深く考えず物事をテキトウ、簡単に済ませてだらけようとしている二匹の兄と時間を掛けてでも一生懸命コツコツと頑張る弟の違いが非常に分かりやすく描かれており、子どももストーリーを楽しむ中でどちらの方が良いのかを比較しやすくなっています。
全ての物事を時間を掛けて完璧に、真面目にしなければならないという事を美徳とするのは間違っていると思いますが、物事に懸命に取り組む姿勢がかっこいい事を子どもも感じる事ができるでしょう。
子どもには少し難しい感覚ではあるので「三番目の子豚すごいな」という思いが出てくれば、ねらいとしては十分に達成されていると考えられます。
目的・ねらい2
分かりやすく、予測しやすいストーリーも魅力的!
ストーリーに起承転結があり、最後まで無理なく楽しむ事ができる作品であると同時に、狼が来て家が飛ばされて違う家に逃げ込むという同じ展開が繰り返されるので、子どもも展開を予測しやすく、想像しながらストーリーを楽しむ事ができます。
繰り返しの展開は子どもにとってとても理解しやすく、物語の親しみやすさがぐっと高まります。
また、最後に狼でも飛ばすことが出来ない家が登場し、これまでのパターンとは違う展開になる事で想像が一気に膨らみ、想像力の豊かさにも繋がっていきます。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児期、特に3歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 発表会、劇など |
対象年齢
幅広い年齢で楽しめますが、おすすめは3歳児頃です。
シンプルで分かりやすいストーリーや少なすぎず多すぎない適度な文字数など、幅広い年齢で楽しむ事ができるようになっています。
しかし、メッセージとして物事を懸命に取り組む大切さ等を伝えたいのであればそれらの内容が何となく理解できる3歳児以降をおすすめします。
2歳児でも十分に楽しむ事は出来ますが、狼に恐怖心を抱いてしまう可能性があるので、読む場合にはあまり怖さを表現しないように読むことをお勧めします。
時期・季節・行事
1つの物事に打ち込む姿勢が見られるようになった頃が良いでしょう。
成長していく中で自分が興味を持てる事を見つける事が出来るようになり、ブロックや折り紙、電車など熱中するような様子が見られるようになることが予想されます。
そんな姿が見られるようになった頃に読むことで、勤勉な姿勢が報われることや懸命に取り組むと良い事が起こるかもしれないという事がより心に響きやすくなるでしょう。
季節や行事に関連する内容ではありませんが、人数が少ない場合は劇にしやすい内容ではあるので、発表会などにもおすすめです。
読み聞かせのポイント
- 声色を分けたり、感情を込めて読みましょう
- 狼の息を吹く場面は子どもと息を合わせましょう
ポイント1
物語や展開が楽しめるように意識しましょう。
「3びきのこぶた」はメッセージ性だけでも読む価値がある作品ですが、何よりもストーリーそのものが面白い作品でもあります。
その秀逸なストーリーに聞き手が十分に入り込めるようにキャラクター毎に声色を変えたり、場面によって声の高低を意識する、感情を込めて読むなどの工夫をすることで聞き手をぐっと本作の世界観に引き込むことができます。
世界観に入り込む事で、キャラクターになりきる想像力、登場人物の気持ちを考える力、文の理解力など様々な良い影響があるので恥ずかしがらずにやってみましょう。
ポイント2
参加型の絵本としても楽しめます。
一見、読み手が一方的にストーリーを伝える形の絵本にも見えますし、実際にそのように楽しむのが一種の正解なのかもしれませんが、個人的には狼が息を吹きかける場面は聞き手と一緒に楽しみたい場面だと考えています。
「おおかみがおおきく いきをすいこむと」という文が狼が「ふーっ!」と息を吹きかける文の前にあるので、「ふーっ!」と読む前に少し間を空けて聞き手に”これから息を吹きかけるよ”という合図を伝えると、聞き手と読み手で息を合わせやすくなります。
また、「ふーっ!」と読むときに読み手も実際に大きく息を吸い込んで、息を吹く真似をすると更に盛り上がるので是非やってみてください。
まとめ・Ryuの感想
教訓、ストーリー性、読んでいる時の面白さ…流石は名作!
”勤勉でいれば良い事がありますよ”非常に簡単に言えばそのようなメッセージが込められている作品ですが、そうした教訓のような要素もありながら何よりストーリーが面白く、子どもを惹きつけます。
また、子どもがストーリーの一部に参加できる様子もあり最後まで飽きさせません。読んでいる大人も子どもと一緒に楽しむ事ができるので、読んでいて非常に楽しい作品の1つです。
とても素晴らしい作品ではありますが、真面目である事を肯定しすぎてしまうのは本来の意図と違う気がするので、読み終えた後に勤勉である事、真面目に働くこと、何事にも一生懸命である事を押し付けるのだけはやめておきましょう。
世界的にも有名な作品なので教養としても読みたい一冊です。
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