【1,2歳おすすめ絵本】ねないこだれだ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
Ryu『ねないこだれだ』は、夜更かしする子がおばけの世界に連れていかれてしまう、せなけいこさんの代表作です。発行部数300万部を超えるロングセラーで、対象年齢は1歳から。想像力の基礎を育みながら、「怖い」という感情に気付ける一冊です。
| 対象年齢 | 1歳〜(おすすめは1歳児) |
| 季節 | 通年(夏の風物詩としてもおすすめ) |
| 行事 | 特になし |
| 主なねらい | 絵本の楽しさを知る/おばけの存在を知り、恐怖の感情に気付く |
| ひとことで言うと | ちょっぴり怖いけど、絵本の世界に引き込まれる300万部超のロングセラー |
『ねないこだれだ』はどんな絵本?あらすじと結末


『ねないこだれだ』は、夜中までついつい起きている男の子が、いつの間にかおばけの世界へ連れていかれてしまう絵本です。せなけいこさんの代表作で、福音館書店「いやだいやだの絵本」シリーズの一冊として刊行されました。
あらすじ(結末にはふれていません)
夜になっても起きている子どもに向かって、「ねないこだれだ」と問いかける言葉から物語が始まります。ふくろうや泥棒など、不気味でどこか可愛らしい登場人物たちが次々と現れます。
夜更かしを続ける男の子のもとに、ついにおばけが現れて……。
ここから先は結末にふれます。読んでからのお楽しみにしたい方は、次の見出しまで読み飛ばしてください。
結末(ネタバレあり)
男の子は最後、おばけになってあちらの世界へ連れていかれてしまいます。因果を細かく説明することなく、不思議な余韻を残したまま終わるのがこの絵本の特徴です。
書誌情報
| 作・絵 | せなけいこ |
| 出版社 | 福音館書店 |
| 発行日 | 1986年9月 |
| 値段 | ¥990(税込) |
| ページ数 | 24P |
保育士から見た『ねないこだれだ』の使いどころ


この絵本は「早く寝なさい」を教え込むためのしつけ絵本ではありません。作者自身もそう明言しています。現場で使うときは、脅すための道具にしないことがいちばん大事だと考えています。
なぜ1〜2歳児にいちばん响くのか
1歳頃になると、自分と身近な動物や人との違いを少しずつ感じられるようになり、おばけという未知の存在もぼんやりと認識できるようになります。文字が少なくページ数も少ないため、集中が続きにくい年齢でも最後まで聞ける点もこの年齢に合っています。
登場人物に感情移入し、ドキドキ・ワクワクを読み手や周りの子と共有する体験は、相手の気持ちを理解することへの第一歩にもつながります。
この絵本の独自性
可愛すぎず、怖すぎず、絶妙な塩梅でおばけが描かれているのがこの絵本ならではの特徴です。子どもにとって身近ではないはずのおばけという存在を、程よい距離感で身近に感じさせてくれます。
普段の生活ではほとんど触れることのない「怖い」という感情に、安全な形で出会わせてくれる点も、この絵本ならではの独自性です。
向いていない場面
- 「早く寝ないとおばけが来るよ」としつけに使う場面……作者の意図に反する使い方で、絵本嫌いにつながるおそれがあります
- 0歳児クラス……おばけの存在を認知するのが難しく、怖すぎてしまう場合があります
- 寝る直前で不安になりやすい子への読み聞かせ……結末が印象的なため、様子を見ながら読むタイミングを選びましょう


『ねないこだれだ』のねらい【指導案にそのまま使えます】


『ねないこだれだ』の主なねらいは、「絵本の楽しさを知ること」と「おばけの存在を知り、恐怖の感情に気付くこと」の2つです。保育のねらいとして設定する場合の文例も、このあと掲載しています。
ねらい① 絵本の楽しさを知る
登場人物に感情移入し、ドキドキ・ワクワクを読み手や一緒に聞いている他者と共有するところに、この絵本の醍醐味があります。そうした体験の積み重ねが、絵本そのものを好きになるきっかけになります。
ねらい② おばけの存在を知り、恐怖の感情に気付く
神秘的な存在であるおばけは、子どもにとって怖いけれど魅力的な存在です。普段の生活の中ではほとんど触れることのない「怖い」という感情に、この絵本を通して気付くきっかけになります。
指導案の文例(コピーしてお使いください)
- ねらい:絵本の世界に親しみながら、おばけという未知の存在を通して「怖い」という感情に気付く。
- 内容:短い繰り返しの物語を集中して聞き、登場人物の変化を楽しむ。
- 予想される子どもの姿:おばけの場面でドキドキしながらも静かに聞き入る。繰り返し読むことを求める。
- 保育者の援助:しつけの道具にせず、雰囲気を大切にゆっくり読む。怖がる子にはそばに寄り添う。
『ねないこだれだ』は何歳から?対象年齢と読むタイミング


ページ数・文字数・内容から見て、1歳児頃からがおすすめです。0歳児にはおばけの存在の認知が難しく、怖すぎる場合もあるため注意が必要です。
| 0歳児 | おばけの存在を認知するのが難しく、怖さが先立つ可能性がある時期。無理に読む必要はありません。 |
| 1〜2歳児 | いちばんの読みごろ。おばけの存在をぼんやりと感じ取りながら物語に引き込まれます。 |
| 3歳児〜 | 結末の意味を考えながら、繰り返し楽しめる時期。 |
読むタイミング
季節や行事の描写は特にありませんが、おばけという題材から夏の風物詩として読むのもおすすめです。自分と身の回りの動物の違いを認識できるようになった頃に読むと、おばけの存在もよりはっきりと認識できるようになります。
読み聞かせのポイント3つ


①声を低く、ゆっくりと雰囲気を大切に読む
声やテンポを意識し、どことなく暗い雰囲気で読むと、子どもも絵本の世界に入り込みやすくなります。読む前に一度目を通し、内容や雰囲気を理解してから読むのがおすすめです。文字が少なくページも短いぶん、読み手の工夫次第で印象が大きく変わります。
②しつけのために読まない
必要以上に怖がらせることは避けましょう。おばけの存在を使って恐怖で行動をコントロールする目的で読むことは避けてください。絵本が嫌いになってしまったり、おばけを無駄に怖がらせてしまうことにつながります。
③急な大きな音を出さない
驚かせて笑いを取るような読み方ではなく、あくまで静かな雰囲気を保ちながら読むことを意識しましょう。落ち着いたトーンのほうが、この絵本本来の魅力が伝わります。
『ねないこだれだ』は怖い?こわがる子への配慮
主人公の男の子がおばけの世界に連れていかれる結末のため、他の絵本と比べてもこわさは強めです。『きれいなはこ』のようにおばけの登場人物だけが変化する絵本と違い、主人公自身が連れて行かれて終わる点が特徴です。
- こわがりやすい子には、驚かせすぎず落ち着いたトーンで読む
- 寝る直前ではなく、気持ちに余裕がある時間帯に読む
- 読後は結末を怖がらせたままにせず、そばに寄り添って安心できる声かけを添える
- それでも苦手な子には無理に読まず、別の絵本に切り替える


『ねないこだれだ』と似ている絵本・次に読むなら


こわさではなく想像を楽しみたいならもこもこもこ
不思議な言葉の響きと生き物のような形を楽しむ絵本。「ねないこだれだ」のこわさが苦手な子でも、想像を楽しむ入り口として読みやすい一冊です。


怖さのないドキドキを味わうならいないいないばあ
動物たちのいないいないばあを楽しむ絵本。ページをめくる前のドキドキ感は共通していますが、怖さのない安心感の中で楽しめます。
『ねないこだれだ』のよくある質問
まとめ:年齢を問わず絵本の世界に引き込む名作


- 対象年齢は1歳から。発行部数300万部超のロングセラーで、文字が少なくても強く印象に残る一冊
- しつけの道具ではなく、おばけを通して「怖い」という感情に安全に出会える絵本
- こわがりやすい子には、読むタイミングと声のトーンへの配慮を



これまで読み聞かせをしてきた中で、この絵本を聞いて集中しなかった子はいません。文字も少なく短い話ですが、どこか不思議な魅力があり、子どもはその魅力に引き込まれます。最後の「おばけの世界に飛んでいけ」という一文は、絵本の世界に入り込んでほしいという願いのようにも感じています。
この記事を書いた人
Ryu(保育士)
保育士歴10年以上。現在はインターナショナルスクール形式の保育園を運営し、今も毎日子どもたちに読み聞かせを行っています。年齢ごとの発達に合わせた絵本選びと、保育のねらいに基づいた読み聞かせを得意としています。当ブログでは、実際に現場で読んだ絵本だけを紹介しています。









