【3,4歳おすすめ】めっきらもっきらどおんどん【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「めっきらもっきらどおんどん」は私が”想像力が豊かになってほしい””言葉・物語の楽しさを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 想像する楽しさを感じる
- 言葉の面白さに気付き、言ってみる
- 絵本の世界に入り込む楽しさを知る
作品紹介
「めっきらもっきらどおんどん」はこんな絵本!
「めっきらもっきらどおんどん」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「めっきらもっきらどおんどん」を簡単にまとめてみました。
- 世界観に引き込まれる日本を代表する名作
- 想像力が掻き立てられる展開が魅力的
- 日本語の楽しさが味わえる文構成
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
魅力的なキャラクター・世界観に引き込まれます。
遊ぶ友達がいないかんたは、神社でやけになってめちゃくちゃな歌を唄った。
すると、どこからか不思議な声が聞こえてくる。かんたは木の穴の中を覗き込むと、あれよあれよと落ちていく。
そこに妖怪のような、神様のような陽気な3人のおばけが現れた。3人は順番にかんたと遊ぶことにした。モモンガのように飛んだり、不思議な水晶玉をもらったり、縄跳びを楽しんだ。
最後はみんなで一緒に遊んで不思議な歌を唄いながら大盛り上がり。遊び疲れた3人のおばけは疲れて眠ってしまったが、かんたは心細くなっていた。
そして「おかあさーん」とたまらず叫ぶと、かんたは神社の木の下に戻っていた。
あれから何度も神社に行ったが、おばけとは会えない。それになぜかあの歌も思い出せない…。
不思議な感覚が味わえる物語。日本の名作です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「めっきらもっきらどおんどん」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 世界観に入り込める物語調の絵本を探している
- 想像力が豊かになる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「めっきらもっきらどおんどん」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
めっきらもっきらどおんどんの海外版?「かいじゅうたちのいるところ」
主人公が空想の中で不思議な世界を旅をする物語。「めっきらもっきらどおんどん」と世界観が似ていますが、違った魅力があります。
世界中で読まれている名作中の名作です。
音の楽しさが味わえる「チビねずくんのながーいよる」
身の回りの音が気になって中々眠る事が出来ないチビねずくん。風や水の音を聞くたびに色々な事を想像してしまい益々眠れません。頼りになるオオねずくんとの何気ない会話も楽しめます。
音から想像する面白さが楽しめる一冊です。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 想像力する楽しさを感じる
- 言葉のリズムを楽しみ、絵本に親しみを持つ
目的・ねらい1
どんなことが起こるのか予想がつかない展開です。
「めっきらもっきらどおんどん」は、かんたの現実のようで夢のような物語が描かれています。おばけとの予想がつかないやり取りが面白く、想像力が掻き立てられます。
「穴に落ちたらどこに行くのだろう?」「おばけとどんな事をするのだろう?」「かんたはどうなるんだろう?」
”次に何が起こるのか”を考えながら絵本を楽しむことがでるので、発想や想像力が豊かになるでしょう。
目的・ねらい2
リズムの良い言葉で構成されています。
「めっきらもっきらどおんどん」を実際に声に出して読んでみると分かるのですが、言葉のリズムが良く、読むのが心地良く感じます。
それは聞き手も同じことで、一定のリズムで構成された言葉は聞いていて楽しくなります。
例えば、「ちんぷく まんぷく あっぺらこの きんぴらこ じゃんがら ぴこたこ めっきらもっきら どおんどん」
「こんやは うれしや ともだちだ こんやは たのしや ともだちだ うたえ うたえ あのうたを そらから きこえた あのうたを」
そんな言葉遊びも楽しみながら、この作品の世界にどんどん引き込まれていき、絵本の楽しさを感じる事ができるでしょう。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 3,4歳児、特に3歳児 |
季節 | 一年中、作中の季節は夏 |
行事 | 人数が少ない場合は劇など |
対象年齢
3歳以降がおすすめです。
文の量や絵本の世界観を考えると3歳以降の方が、物語をより楽しむことができるでしょう。
少し暗い雰囲気なので、ちょっとした怖さも楽しむことができる幼児期だと、緊張感も相まってドキドキも味わうことができます。
2歳児でも絵本の内容自体は楽しむことはできると思いますが、少し明るく読むと安心して絵本を聞くことができると思います。
時期・季節・行事
想像する楽しさを感じる事ができるようになったらがいいでしょう。
空想と現実の差がある程度分かり、日常の生活の中でごっこ遊びなどが見られたら、想像力は十分についています。
また、言葉の楽しさも感じられる絵本なので、言葉の面白さに気付き、面白い言葉を頻発するようになった頃にもおすすめです。
「めっきらもっきらどおんどん」の作中の季節は恐らく夏ですが、内容としては季節関係なく読むことができます。
行事として取り入れるのは工夫が必要そうですが、人数が少ない場合は劇などをしても面白いでしょう。
読み聞かせのポイント
「めっきらもっきらどおんどん」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 盛り上げすぎずに読みましょう
- おばけの個性を出しましょう
ポイント1
ちょっと怖い雰囲気を大切にしましょう。
「めっきらもっきらどおんどん」は作品全体を通して、どこか薄暗く、静かな、少し怖い雰囲気が漂っています。
3人のおばけと遊ぶ場面では、雰囲気が明るくなるのですが、そこでもあまり盛り上げすぎずに少し抑えめに読むことで、全体の雰囲気を保ったまま作品を楽しむことができます。
怖く読もうと思えば読むこともできるのですが、それだとただの怖い作品になってしまいかねないので、「奇妙・不思議・少し怖い」といったような感覚を聞き手が感じられるように読みましょう。
ポイント2
おばけと遊ぶシーンはこの作品の山場!
登場人物はかんたと個性豊かな3人のおばけのみですが、この4人の関わりが面白く、一番盛り上がる場面です。
その山場をしっかりと印象付けられるようにおばけの個性を感じて、声色等を使い分けて表現してみましょう。
例えば、最初に遊ぶおばけの「しっかかもっかか」は見た目の通り、子どものような高い声で、あどけなさを。
仙人のような見た目の「おたからまんちん」は、おじいちゃんのようにゆったりと、低い声で。きつねのような「もんもんびゃっこ」は、若い男の人をイメージして、ノリのいい感じで。
あくまでこれは私が感じた印象なので、読み手が感じた印象を好きなように表現してもいいでしょう。読む人によって印象も大きく変わる面白い作品です。
まとめ・Ryuの感想
聞き手を別世界に連れていける作品!
主人公が夢のような世界に入り、そこで異形のモノたちと出会い、最後は現実に戻ってくる。
その流れは名作「かいじゅうたちのいるところ」を彷彿とさせますが、本作は日本らしい、奇妙な雰囲気が漂っており、また違った楽しみが感じられます。
全てはかんたの夢と言い切れず、最後のシーンでおたからまんちんから貰った水晶玉を持っているのも良い後味を出しています。
子どもに読んだ時には「ちょっと怖かった」という感想が出ることもありましたし、「変なおばけが楽しかった」という、おばけに対しての印象を強く受けた子も多くいました。
少し怖い雰囲気の作品ではありますが、子どもから人気の作品で何度も読んで欲しいというお願いをされる愛されている作品でもあります。
「めっきらもっきらどおんどん」を聞いている間は、子どももどこか不思議な世界へ行っている気分になっているのかもしれません。
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