【3歳おすすめ絵本】つきよのかいじゅう【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「つきよのかいじゅう」は私が”想像力が豊かになってほしい””ユーモアを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
「つきよのかいじゅう」はこんな絵本!
「つきよのかいじゅう」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「つきよのかいじゅう」を簡単にまとめてみました。
- 30年以上読み継がれているロングセラー作品
- 想像するのが楽しくなる展開が魅力
- 落ち着いた雰囲気ながらも笑って楽しめる
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
想像力が掻き立てられる不思議な怪獣のお話し。
山の奥に深い湖があり、そこには昔から怪獣が住んでいると言われている。そしてその怪獣が出てくるのを10年も待っている1人の男がいる。
ある日ついにその怪獣が静かに出てきた。どんどん大きくなり、その怪獣は今にも月に届くほど大きい。男はどんな怪獣なのか想像しながら写真を撮り続けた。
しかし、暫くするともう一本脚のようなものが出てきた…!実は怪獣ではなく、大男がシンクロナイズドスイミングをしているのであった。ボコボコ ボコボコ ボコボコ ボンとリズムに合わせて踊っているようだ。
暫くすると大男の脚はまた湖に戻っていった。男はネッシーのような怪獣を待っていたので、がっかりした。男はまだ怪獣を待っている。
ドキドキしながら笑える楽しい一冊です。
こんな方におすすめ
- 想像力が豊かになる絵本を探している
- 笑いながら楽しめる絵本を探している
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クイズのような感覚で想像力が養える「まいごのたまご」
どこからか落ちてきた誰かの卵。恐竜たちが質問をする中で少しずつ誰の卵なのかが分かっていくお話し。子どもと一緒に想像したり、考える事が楽しめます。明るい雰囲気なので、乳児でも楽しめます。
真剣に考える中で集中力も養える絵本です。
想像と笑いとドキドキが楽しめる「ぜったいあけちゃダメッ!」
ページを開くと青い人のようなモノ。何度もしつこく次のページをめくらないようにお願いしてきます。そしてどんどんページをめくっていくと最後には…。
次の展開を予想する楽しさを笑いながら味わえる一冊です。
目的・ねらい
- 次の展開を予測し、想像力を働かせる
- 面白さとは何かを感じる
目的・ねらい1
展開を予測せざるを得ない内容です。
子どもにとって魅力の詰まった「怪獣」。その怪獣が少しずつ姿を見せていく描写が非常に魅力的で、「どんな怪獣なんだろう」と、誰しもが考えてしまいます。
「こんな怪獣かな」という文と共にそれっぽい怪獣も描かれていることで、更に想像力が掻き立てられます。
怪獣ではないと分かった後の大きな男の脚だけの描写も「次はどうなるんだろう」と思わせてくれ、終始想像するのが楽しくなる展開で溢れています。
目的・ねらい2
面白さとはどういうものなのかが感じられます。
子どもって面白いと思う事をしたり、言うの好きですよね。でも、その面白いと感じる感覚、いわゆるユーモアのセンスはどこから取り入れるのでしょう。その答えが「つきよのかいじゅう」にあります。
シリアスな雰囲気から感じる緊張、そしてまさかの大男の脚という緩和。怪獣っぽい見た目にも関わらずただの脚という意外性。「ボコボコボコボコボコボコポン」という楽し気な音。
本作全てが1つのコントの様で、笑いの要素が詰まっています。本作を通じて人を楽しませる感覚をそれとなく感じる事ができるでしょう。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 3,4歳児、特に3歳児 |
季節 | 一年中、若しくは秋 |
行事 | お月見など |
対象年齢
3歳児以降がおすすめです。
ページ数や文字数は多くなく2歳児でも最後まで問題なく楽しむ事ができますが、想像力が豊かになっている3歳児頃に読むことでより様々な想像を楽しむことができるでしょう。
4,5歳児には少し物足りないかもしれませんが、豊かな想像力を活かすことができるので、盛り上がりは大きくなります。
時期・季節・行事
様々な想像を楽しめるようになった時期がいいでしょう。
「つきよのかいじゅう」には聞き手に想像を促すような流れや描写があります。想像する事がままならないような時期に読むと想像を促すシーンの楽しさが激減してしまうので、ある程度想像を楽しめるようになった頃がおすすめです。
特に季節に関する描写はありませんが、全ページに月が描かれていたり、タイトルも「つきよのかいじゅう」なので、十五夜もある秋に読んでもいいでしょう。
行事としても月と合わせてお月見に読むのも良いと思います。
読み聞かせのポイント
- 落ち着いた雰囲気ながらも感情を込めて読みましょう
- ギャップを意識して読みましょう
ポイント1
静かに読みつつ感情を込めて!
作品全体を通して薄暗い夜に展開されているので元気に明るくというよりも静かに、何かドキドキさせるような読み方をした方が盛り上がります。
しかし、淡々と読んでしまっても折角の面白い展開を活かすことができないので、「おとこは むねがどきどきして はれつしそうになった」というシーンでは少し早く読んでドキドキが感じられるように。湖から大男の脚が出てくる「わーっ、これは なんだろう?」という場面では思い切り驚くように読むなどの工夫をしてみましょう。
感情を少し込める事で聞き手の引き込まれ方が大分違ってきます。
ポイント2
緊張と緩和で笑いを作ろう!
前半部分は緊張感のある静かな雰囲気で読んで、大男がシンクロナイズドスイミングをするタイミングの「ボコボコボコボコボコボコポン」で一気に明るく楽し気に読むと緊張の糸が緩み笑いがどっと起こります。
笑いで引き込んだ後は、最後にまた静かに読んで緊張を演出する事で「つきよのかいじゅう」が本来持つイメージを壊さないまま読み聞かせを終える事ができます。
メリハリのある読み方をすることで、聞き手の集中力が切れてしまう恐れも減るので、是非やってみましょう。
まとめ・Ryuの感想
大人も驚くまさかの展開が面白すぎる!
笑いにおいての起承転結がすごくハッキリとしているので、子どもは勿論、読んでいる大人も楽しむ事ができます。まさか、怪獣だと思っていたものがシンクロナイズドスイミングをしている大男だとは思いません。
「つきよのかいじゅう」は面白いだけでなく、想像力を豊かにするという面も非常に大きく、ストーリーを楽しむ中で次の展開や怪獣の姿などを想像する楽しさが散りばめられています。
読み聞かせの際の子どもの反応も良く、ドキドキしている中での突然の展開に笑っている子が多い印象です。
ユーモアのセンスを磨くことにも一役買ってくれる一冊です。
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