【2,3歳おすすめ絵本】わにさんどきっはいしゃさんどきっ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「わにさんどきっはいしゃさんどきっ」は私が”言葉のやり取りの楽しさを知ってほしい””絵本に興味を持ち、自ら読もうとしてほしい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
「わにさんどきっはいしゃさんどきっ」はこんな絵本!
「わにさんどきっはいしゃさんどきっ」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「わにさんどきっはいしゃさんどきっ」を簡単にまとめてみました。
- 40年近く読み継がれているロングセラー作品
- 言葉の面白さが感じられるユーモアのある絵本
- 歯磨きの大切さも触れられている
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
同じ言葉が二度繰り返されながら展開するシュールな楽しさ!
歯が痛そうなワニが「ゆっくりあそんでいたいけど いかなくちゃいけないね」そんなワニに気付いた歯医者さん「ゆっくりあそんでいたいけど いかなくちゃいけないね」
同じ事を思っている二人が歯を治療する中で展開される面白ストーリー。
顔を合わせた時には、ワニ「どきっ」、歯医者さんも「どきっ」歯を治療中も、ワニ「もうすこしがんばれ」、歯医者さんも「もうすこしがんばれ」
このように二人が同じ言葉のみを使い話が進んでいく珍しい絵本です。
言葉・展開の面白さ、そして歯磨きの大切さも教えてくれる一冊です。
こんな方におすすめ
- 言葉のやり取りの楽しさが感じられる絵本を探している
- どんな年齢でも楽しめ、子どもが自分から読みたくなる絵本を探している
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「わにさんどきっはいしゃさんどきっ」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
歯磨きが楽しみになる「はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう!」
歯磨き嫌いな子の所に突如現れた歯磨き列車。歯磨き列車が歯に挟まった食べかすをどんどんお掃除してくれて、歯磨きの爽快感が味わえます。
盛り上がりながら楽しめる歯磨きの絵本です。
言葉のリズムと共に面白いストーリーが楽しめる「おかしなおかし」
「ぷるぷる プリンが トランポリン」「くさもち もちろん ちからもち」こんな語呂の良い言葉が面白い絵と共に楽しめます。子どもも実際に言いながら盛り上がる事ができます。
言葉の面白さを全面に押し出した言葉遊び絵本です。
目的・ねらい
- 言葉のやり取りの楽しさを知り、言葉に興味を持つ
- 繰り返し読む中で絵本の楽しさに気付き、自ら読もうとする
目的・ねらい1
言葉の楽しさが詰まっています!
作品を通して二人が同じ言葉を繰り返す「わにさんどきっ はいしゃさんどきっ」
会話になっていなさそうで実は会話になっている言葉の不思議さ、面白さがよく感じられます。
使われている言葉はどれも短く、子どもでも覚えやすくなっているため、日常の生活の中でもついつい使いたくなるものばかりです。
親、友だち、保育者など身近にいる人と同じようなやり取りをしたくなる、会話の入り口になってくれる絵本です。
目的・ねらい2
絵・文・展開…子どものことを考えて作られています。
シンプルな内容であるため乳児向けの作品ではありますが、5歳児でも十分楽しむことができ、繰り返し、何度も楽しむことができる飽きない絵本です。
どんな年齢、どんな子どもでもスッと絵本の中に入れるシンプルな絵。
短く、身近な言葉をたくさん使った分かりやすい文。
笑いながら楽しめる飽きない展開。
どれをとっても子どもの事をしっかりと考えて作られていることが感じられ、子どもが何度も読みたくなる工夫がなされています。
大人が読み聞かせをするだけでなく、子どもが絵本を好きになり、子ども自身が絵本を読みたくなる、また実際に読むことができる一冊です。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 2,3歳児、特に3歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 歯の衛生週間など |
対象年齢
3歳児頃がおすすめです。
文の量やページ数などを考えると、読み聞かせで楽しめるのは3歳児前後です。
ただ、1,2歳でも楽しめる展開ですし、4,5歳になると今度は自分で読んで楽しむことができるので、全年齢で楽しめる絵本となっています。
時期・季節・行事
言葉に興味を持ち始めた頃がいいでしょう。
言葉のやり取りが特に面白い絵本となっているので、言葉に関心を示し、身近な大人や友だちと言葉のやり取りを楽しめるようになってきた頃がおすすめです。
「わにさんどきっ はいしゃさんどきっ」を読んだ後に本作で使われた言葉を実際に身近な人と楽しめることも魅力の1つです。
季節感はないので、季節関係なく読むことができます。
行事と結びつけるのも難しいですが、歯医者さんが登場し、虫歯も描かれているので、歯の衛生週間である6月4~10日に関連づけて読むのもいいでしょう。
読み聞かせのポイント
- 二人の声を使い分けて読みましょう
- ゆっくり読んで笑いの余白を作りましょう
ポイント1
楽しくするか否かは読み方次第!
登場人物はワニと歯医者さんのみ。
そして、その二人が同じ言葉を言い合うので、読み方次第では単調な展開になってしまいかねません。
大人が「わにさんどきっ はいしゃさんどきっ」を読むと、すぐに二人が同じことを言っている面白さに気付くことができるのですが、子どもにとってはただ同じ言葉を繰り返しているだけに聞こえてしまう可能性もあります。
そこで、二人の声を明確に読み分けることで、二人が同じ事を考え、同じセリフを言っているのだと理解することができます。
私は結構差をつけるように読んでおり、ワニは低く、歯医者さんは少し高い声で読むようにしています。
シンプルであるが故に読み手の力が試される作品でもあります。
ポイント2
1ページ毎の間を大切にしましょう。
1ページ毎に展開をしていく作品ではあるもののテンポよく読む作品ではないと思っております。
テンポよく読んでしまうと笑う時間もなく次の展開に行ってしまい、面白さを100%伝えきれない場合があるので、少しゆっくり目に読んだり、次のページをめくるまで2秒ほど時間をおいて読むことで笑う間を作ることができます。
間というと難しく聞こえますが、聞き手の反応を見て、笑いが完全に収まる少し手前ぐらいでページをめくるぐらいが丁度良いタイミングでしょう。
聞き手の様子を見ながら読んでみてください。
まとめ・Ryuの感想
個人的にかなり好きな絵本です!
五味太郎さんのシンプルで分かりやすい絵とシュールな展開が非常にマッチしていて、こみ上げるような笑いが起こる作品で、読んでいる私もついつい笑いながら読んでしまいます。
0~5歳児までの子に読んできましたが、みんなが楽しめ、みんなが笑える、そんなみんなから愛される絵本です。
3歳児の子によく読んできましたが、パッ見て・聞いて分かる笑いというよりもじわじわと面白い展開なので、子どもも後からじわじわと笑いがこみ上げていたのが印象に残っています。
ただ、「わにさんどきっ はいしゃさんどきっ」を初めて読んだ時は、そこまで笑いを取ることができなかったことも覚えています。
声の使い分け、間を空けることなど、読んでみて初めて気付くことが多く、読み方を試行錯誤した一冊でもあります。
今でも改善の余地があるほど読み甲斐のある絵本なので、子どもにも大人にもおすすめな絵本です!
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