【2,3歳児おすすめ絵本】はしれはしごしゃ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「はしれはしごしゃ」は私が”働く車や仕事の存在に気付いて欲しい””言葉のリズムを楽しんで欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
「はしれはしごしゃ」はこんな絵本!
「はしれはしごしゃ」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「はしれはしごしゃ」を簡単にまとめてみました。
- はしご車や消防士の仕事の一部が描かれている
- 言葉の響きが楽しめる
- 丁寧な描写で背景まで楽しめる
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
火事だけじゃない!はしご車のゆったりとした一日。
「はしれ はしごしゃ ゴーゴーゴー」の言葉と共にはしご車が町や森の中を駆け巡ります。
煙が見える方へ向かってどんどん進み、煙がちょっぴり見えるように仕掛けがあって、それをめくるドキドキ感も味わえます。
火事かと思ったら工場の煙だったり、お風呂屋さんの煙や焚火の煙、時には雲だったり…。読み進めると火事だけがはしご車のお仕事ではないことも分かります。
果たして火事は起こってしまうのか…。
消防車好きだけじゃなく、言葉の響きがクセになり、何度も読みたくなる絵本です。
こんな方におすすめ
- 働く車や仕事に関する絵本を探している
- 言葉のリズムが楽しく、言葉に興味を持てる絵本を探している
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「はしれはしごしゃ」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
警察の仕事を知る事ができる「がんばれ!パトカー」
のりもの絵本シリーズのパトカー編。街の中で危ない事がないか、道に迷っている人はいないかなど警察のお仕事が紹介されています。そして最後は宝石泥棒を追跡して捕まえるドキドキの展開!
仕事の存在を知る事ができる一冊です。
言葉の響き、リズムが楽しめる「へんしんトンネル」
へんしんシリーズの一作目。「かっぱかっぱ…」と言いながらトンネルに入ると出るときには「かっぱかっぱ…」と馬になっていたり、言葉を繰り返す事で変化する事に着目した言葉遊びの絵本です。
子どもと笑いながら楽しめる一冊です。
目的・ねらい
- 働く車(はしご車)の事を知り、車や仕事に興味を持つ
- 言葉の響きを楽しみ、絵本を読む楽しさを知る
目的・ねらい1
夢を持つきっかけになるかもしれません。
「はしれ はしごしゃ」に興味を持つ時点で車が好きなのかもしれませんが、車が好きな子も好きじゃない子も仕事を意識するきっかけになり得る絵本です。
「これはどういう車なんだろう」「この車には誰が乗っているんだろう」「どういうお仕事なんだろう」そんな事を思いながら楽しむことができるので、意識はしていなくても自然と仕事の事を考えられる内容となっています。
楽しみながら大きくなった時の事を考える事ができる、これは1つの夢を持つときの理想の形ですね。
目的・ねらい2
繰り返す言葉が楽しく、一緒に盛り上がることができます。
「はしれ はしごしゃ」では、「ゴーゴーゴー」という言葉が何度も使われています。
子どもにとって同じ言葉の繰り返しはとても面白く響くようで、何度も聞いている内に自然と子どもも「ゴーゴーゴー」と言いながら楽しむことが予想されます。
絵本の内容でも十分子どもを惹きつける魅力を持っていますが、言葉の魅力もたっぷり詰まっているので、言葉に興味を持ち、読み手や一緒に聞いている友だちと同じ言葉を一緒に発する楽しさも感じる事ができます。
最初は「ゴーゴーゴー」という言葉だけですが、何度も繰り返し読む中でその他の言葉も覚え、絵本を読むという楽しさも知ることができるようになるでしょう。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 2,3歳児、特に3歳児 |
季節 | 一年中、若しくは冬 |
行事 | 職業体験など |
対象年齢
3歳児頃がおすすめです。
仕事を考えるということに繋げて読むなら3歳児頃からが1つの目安になります。
3歳にもなると「おまわりさん」「おいしゃさん」など少しずつ職業の区別もつくようになり、その職業の1つとして消防士というものもあることを理解できるでしょう。
絵本の内容や言葉の響きを楽しむことを目的とするならば1歳児でも十分に楽しむことができます。
目的によって対象年齢が変わってくるので、子どもの様子を見ながら判断しましょう。
時期・季節・行事
職業の区別が少しずつついてきた頃がいいでしょう。
身近な仕事やよく耳にする仕事の区別がそれとなくできるようになってから読むことで、より仕事と関連づけながら絵本を楽しむことが出来るようになります。
車好きなら、パトカーや救急車を認識できるようになってから読んでもいいでしょう。
焚火をしていたり、町の様子を見る限りは本作の中の季節は冬ですが、メインははしご車なので、そんなに気にすることはなく、いつでも楽しむことができます。
行事との関連も殆どありませんが、行事として職業体験などがある時や、強いて言うなら「消防記念日」として制定されている3月7日に合わせて読むのもいいと思います。
読み聞かせのポイント
- 繰り返しの部分は強調して読みましょう
- 絵を楽しむ時間を作りましょう
ポイント1
子どもと一緒に「ゴーゴーゴー」!
「はしれ はしごしゃ」では「ゴーゴーゴー」という言葉が繰り返し使われており、それが1つの楽しさにもなっています。
「ゴーゴーゴー」を他の言葉と同じように読んでしまうとストーリーの起伏があまりなく、単調になってしまいかねません。
聞き手が最後まで集中できるように「ゴーゴーゴー」という言葉で注意を引きながら読むと、飽きずに聞くことができるでしょう。
また、一緒に「ゴーゴーゴー」を言う事で全体の一体感も生まれるので、リズムをつけて、気分が乗るように読むのがおすすめです。片手を上げて読むのも面白いですよ。
ポイント2
細かい描写や仕掛けも注目ポイントです。
はしご車の細かい描写だけでなく、町の様子やそこに住む生き物たち、人々の生活が丁寧に描写されており、よく見れば見るほど、様々な発見があります。
例えば、猫が魚屋さんの魚を泥棒していたり、電車が走っていたり、羊が一匹逃げていたり…モノを見つける面白さも楽しむことができます。
そんな丁寧な描写もすぐにページをめくってしまうと楽しむ時間がなく、非常に勿体ないので、文を読み終えてから数秒の間を作り、聞き手がモノ探しを楽しめる時間を作りましょう。
読み手が「ねこさんいるね」などとわざと注目させる必要はありません。
あくまで聞き手が自分で興味を持って探し、見つけることが出来たら「猫さんいたね!」と反応するといいでしょう。
そうすることで、聞き手と読み手の間で楽しみの共有をすることができ、特別な時間を作ることができます。
まとめ・Ryuの感想
子どもと楽しみたい時に読む一冊です!
読み方としては作者の意図とずれてしまっているかもしれませんが、私は子どもと「ゴーゴーゴー」と声を合わせて楽しみを共有したい時に読んでいます。
急な展開が起こる作品ではないため、どちらかというと落ち着いた雰囲気の中で読むのに適しているかもしれません。
しかし、それよりも「ゴーゴーゴー」と子どもたちと言うのがとても楽しくて、いつも盛り上がって読んでしまいます。
対象年齢は3歳児と書きましたが、正直、実際に読み聞かせを行うとどの年齢でも楽しんで見る事ができる作品です。
また、ポイントの所でモノ探しの楽しさについて触れましたが、本作の作者である間瀬さんの別の作品である「でんしゃでいこう でんしゃでかえろう」で出てきた電車と同じものと思われるものも描かれており、大人でも探す楽しさを味わえます。
車、仕事、モノ探し、盛り上がり…色々な目的を持って読める多目的な楽しい一冊です。
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