【3歳,4歳おすすめ絵本】チビねずくんのながーいよる【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】

「チビねずくんのながーいよる」は私が”身の回りの楽しい音に気付いて欲しい””会話の楽しさを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 身の回りの音の楽しさに気付き、聴こうとする
- 会話の楽しさを知り、会話に前向きになる
- 想像する楽しさを感じ、様々な事を想像する
作品紹介
「チビねずくんのながーいよる」はこんな絵本!
「チビねずくんのながーいよる」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「チビねずくんのながーいよる」を簡単にまとめてみました。
- 二匹のねずみの会話ややり取りが楽しめる
- 身の回りの音の楽しさに気付くことができる
- 次の展開を想像しながら楽しめる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容


怖がりなねずみのドキドキな夜のお話。
オオねずくんと一緒に暮らしているチビねずくんですが、チビねずくんは眠れません。ヒューヒュー、ビュービューと何かが家の周りを走っている音がするのです。オオねずくんは冷静に「あれは、風の音だよ」と答えます。
でも次は、トントントン!と誰かが叩く音がします。オオねずくんは冷静に「木の枝が窓に当たっているだけだよ」と答えます。
次はホーホーホー、ピチャンポツン…様々な音がチビねずくんにとっては怖く感じます。オオねずくんも困り果ててチビねずくんと一緒に寝ることにしました。
しかし、今度はオオねずくんが眠れません。そして、気付けば朝。リリリリリーンと目覚ましがなりますが、夜更かしした二匹はぐっすり眠って起きません。
二匹のやり取りが可愛く、音の楽しさが感じられる絵本です。


こんな方におすすめ


以下の項目に当てはまる方に「チビねずくんのながーいよる」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 音の感性を豊かにできる絵本を探している
- やり取り・会話が楽しめる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「チビねずくんのながーいよる」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!


自己投影できる寝る前に読みたい「よるくま」
男の子は寝る前にママに昨夜に出会った”よるくま”のお話しをします。よるくまと一緒によるくまのママをあちこちに探しに行った話、ママと会う事ができたお話し…。子どもの内面に寄り添う名作です。
想像しながら楽しめる一冊です。


二匹のアイデアと会話が楽しい「ぐりとぐら」
ぐりとぐらシリーズの第一弾。森で見つけた大きな卵が何なのか、またどのような料理をするのか、二匹のアイデアや言葉のやり取りが楽しく、ぐっと絵本の世界に引き込まれる名作です。
言葉の響きも楽しめる一冊です。
目的・ねらい


絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 身の回りの音に気付き、想像を膨らませる
- 会話の楽しさに気付く
目的・ねらい1
いつも何気なく聞いている音に想像が膨らみます。
「チビねずくんのながーいよる」では、日常の中で耳にする様々な音に焦点が当てられています。
例えば、風の音も我々大人はそれが風の音だということを知っているので、気にもせず聞き流せますが、チビねずくんのように子どもの場合は、そんな些細な音も想像を膨らませて様々な音として捉えることができます。
これは子どもにできて、大人にはできないことかもしれませんね。そんな子どもだからこそ、想像する事を楽しめる力が本作を読むことでより深まるでしょう。
「チビねずくんのながーいよる」を読み終えた後も現実の世界で様々な身の回りの音に気付くはずです。
目的・ねらい2
頼りがいのなく子どもっぽいチビねずくんと頼りがいがありお兄さんらしいオオねずくんのやり取りの楽しさが本作の魅力の1つです。
難しい言葉も一切なく、また、どれも実際の会話のように短い言葉でテンポがいいので、子どもにとって親しみやすいやり取りが書かれています。
そんな二匹のやり取りを聞く中で、言葉のやり取りの楽しさや会話の楽しさに聞き手も気付くでしょう。
チェックポイント


現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 3,4歳児、特に3歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 関係なく楽しめます |
対象年齢
3歳児頃がおすすめです。
語彙が増え、友だちとの会話が増えてくる3歳児頃に読むことで会話の楽しさをしっかりと感じる事ができるでしょう。また、身近な音に対しての想像する力もあるので、読み終えた後も3歳児でしたら楽しむことができます。
内容も難しくないので、2歳児の半ばでも十分楽しむことが出来る作品です。
時期・季節・行事
物事を他の言葉で例えることができるようになった頃がいいでしょう。
身の回りの物事や事象に対して想像を膨らませて、「~みたい」と考えられるようになると、想像する力が十分についている事が予想されます。
季節の描写はありません。また、行事と関連する内容でもないので、一年を通して楽しむ事が出来る作品です。
想像する力がついてきた頃に読むことで、「ちびねずくんのながーいよる」の魅力である音に対しての想像もより深まるでしょう。


読み聞かせのポイント


「チビねずくんのながーいよる」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- キャラクターの声、音で声色を分かりやすく変えましょう
- 1ページ毎に時間を掛けて見ましょう
ポイント1
会話と音を存分に楽しめるよう工夫しましょう。
「チビねずくんのながーいよる」の魅力である二匹の会話を分かりやすく、引き立たせるために二匹の声は明確に分けて読みましょう。
そうすることで、聞き手が二匹の存在を認識しやすくなり、会話に集中することができます。
また、「ヒューヒュー ビュービュー」「トントントン!」などの音の部分も声に高低差をつけたり、大きな声、小さな声を使い分けながら読むと、音をより意識しながら絵本を楽しめるようになるでしょう。
ポイント2
隅まで描かれた細かい描写にも注目です!
「チビねずくんのながーいよる」のもう1つの魅力と言えば、丁寧に描かれた絵です。描かれているのは二匹の部屋なのですが、二匹の物や家具などその生活感が絵で分かるほど丁寧に描かれています。
可愛い模様の布やベッド、二匹が使っているであろう玩具、食器…数字や英語まで、モノを見つける楽しさも味わえるようになっています。
せっかく丁寧に描かれているので、聞き手が絵をしっかり見ることができるように読み手が文字を読んだ後も数秒間を空けるなどして、絵を楽しむ時間を作ることをおすすめします。


まとめ・Ryuの感想


想像力、感性が豊かになる可愛い絵本!
何てことのない二匹のねずみの生活の一部が描かれているのですが、その中にも色々な発見があったり、ドキドキや安心があり、目が離せません。
特に音を聞いただけで様々な事を思いつくチビねずくんの発想は面白く、まるで人間の子どものように発想豊かです。
私は「チビねずくんのながーいよる」を読んで、作者が「身の回りの面白さに気付いてほしい」とメッセージを込めているような気がしました。
実際に子どもに読んだ時にはチビねずくんと同じように音にドキドキしながら聞き入っているのが印象的で、チビねずくんと同じ気持ちを味わっているようでした。
優しい絵のタッチや雰囲気を持っているので、絶妙なドキドキ感を楽しんでいる事がよく分かりました。子どもにも勿論人気ですが、大人にも是非一度読んで欲しい絵本です。
私たち大人が忘れてしまっている身の回りの楽しさにもう一度気付かせてくれます。



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