【1,2歳おすすめ絵本】しろくまちゃんのほっとけーき【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】

「しろくまちゃんのほっとけーき」は私が”絵本の楽しさを知り、しろくまちゃんに自身を重ねる経験をしてほしい””数字の存在を知ってほしい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 絵本のキャラクターと自身を重ねる感覚を知る
- 絵本の楽しさを知り、興味を持つ
- 数字の存在を知る
作品紹介
「しろくまちゃんのほっとけーき」はこんな絵本!
「しろくまちゃんのほっとけーき」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「しろくまちゃんのほっとけーき」を簡単にまとめてみました。
- 「こぐまちゃんえほん」シリーズの代表作
- 絵本そのものの楽しさが詰まった一冊
- 楽しみながら数字や食材に触れる事ができる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容


朗らかな雰囲気漂うしろくまちゃんのお話し。
しろくまちゃんがホットケーキを作ります。材料や作り方は何だろう?卵を割ってしまったり、たくさんこぼしたりしながらもお母さんのお手伝いを頑張ります。
フライパンで上手にひっくり返したら出来上がり!ホットケーキが出来たら、お友だちのこぐまちゃんに知らせてあげます。
お友だちと食べるご飯はとっても美味しい!会話も弾みます。最後はきちんと二人でお皿を洗います。とっても美味しかったね。
しろくまちゃんの何気ない日常を切り取った誰でも楽しめる絵本です。


こんな方におすすめ


以下の項目に当てはまる方に「しろくまちゃんのほっとけーき」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 絵本そのものの楽しさが伝わる絵本を探している
- 数について触れられている絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「しろくまちゃんのほっとけーき」探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!


絵本が好きになる世界の名作「はらぺこあおむし」
はらぺこなあおむしが生まれ、たくさん食べ物を食べて蝶々になるストーリー。楽しみながら曜日、数字、色が学ぶことができます。
乳幼児期に一度は必ず読みたい一冊です。


楽しく数に触れる事ができる「かずのえほん」
優しいタッチで描かれた生き物を数えながら楽しむ絵本。子ども自身が「数えたい!」という主体的な思いを持って読むことができます。
数えることを楽しめるようになったら読みたい一冊です。
目的・ねらい


絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 絵本を楽しみ、絵本を好きになる
- 数に気付き、数の存在を知る
目的・ねらい1
考えずに楽しめるという最高の楽しさ。
乳児用の絵本にとって「特に考えなくても楽しめる」という要素はとても大切だと考えています。2,3歳児なると”考える”という高度な行為を必要とする絵本でも十分に楽しむことが出来ます。
しかし、「しろくまちゃんのほっとけーき」のように0,1歳に読むであろう絵本は、「ただただ見ていて楽しい」「感覚で楽しい」といった絵本の方が、絵本そのものの楽しさが伝わり、絵本そのものを好きになる可能性が高まります。
誰でも楽しめる普遍的な面白さがあるので、深い絵本の世界の入り口にふさわしい絵本になっています。
目的・ねらい2
ひっそりと添えられた学びに注目!
目的1で書いたように絵本そのものを好きになる事が目的になり得る絵本ではあるものの、少しだけ数字にも触れられています。
例えば、卵を数える場面は丁寧に「ひとつ ふたつ みっつ」と書かれていますし、ホットケーキの積み重ね具合、お皿の数など、読み手が数えたくなる仕掛けが沢山あります。
また、「ざいりょうは なあに」と書かれている場面では、聞き手が考えられるような仕掛けもあり、乳幼児期に育ってほしい「思考力の芽生え」という学びも散りばめられています。
大々的にではなく、絵本を楽しむ中で自然と学びがあるという点が「しろくまちゃんのほっとけーき」の素晴らしさの1つです。
チェックポイント


現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 1,2歳児、特に1歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 関係なく読める |
対象年齢
1歳児頃がおすすめです。
線が少ない分かりやすい絵、文の量、数の存在、思考する力…こんなに1歳児、若しくは0歳後期以降、2歳児に適した絵本はあるのかと思う程、乳児期にぴったりな絵本です。
フライパンでホットケーキをひっくり返す場面などで声のトーンを変えたりし、読み方を工夫すれば3歳児でも十分に楽しむことが出来ます。
時期・季節・行事
0歳児用の絵本を最後まで集中して見ることが出来るようになった頃がいいでしょう。
文の量などを考えると「がたんごとん がたんごとん」や「いないいないばあ」といった0歳児向けの絵本の次の段階として読みたい絵本です。
上記の絵本などを最後まで集中して見ることができるようになったら、「しろくまちゃんのほっとけーき」も十分に楽しめるでしょう。
季節や行事と関連した内容ではないので、一年を通していつでも楽しむ事ができます。


読み聞かせのポイント


「しろくまちゃんのほっとけーき」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- ゆっくり、はっきり、丁寧に読みましょう
- 聞き手との関わりを大切にしましょう
ポイント1
普段の0.75倍ぐらいのスピードで!
大きな展開もなく日常の一コマが描かれている作品なので、感情を込めて読んだり、読む速さを変える必要は一切ありません。
普段話す速さより少し遅めに読むことで、1ページ1ページをしっかり見ることができ、内容を楽しみながら絵本の世界に入り込めます。
普段の話すスピードで読むと、耳からの情報と目からの情報を両方一度に処理しなければならず、心行くまで絵本を楽しめなくなってしまう可能性もあります。
特に1ページの中にたくさんの情報があるフライパンでホットケーキを焼く場面は、1つ1つ「ぴちぴちぴち…ぷつぷつ…やけたかな…」とゆっくり確認すると聞き手が焼く工程を理解しながら、読み進めることができるので、おすすめです。
ポイント2
楽しい気持ちを共有しましょう。
「しろくまちゃんのほっとけーき」では、読み手と聞き手が楽しみを共有できる場面がいくつかあります。
例えば、最初の「ざいりょうは なあに」と聞く場面では、実際に聞き手に尋ねてやり取りを楽しんだり、次のページの卵を数える場面では一緒に卵を数えてみたり、しろくまちゃんが小麦粉を混ぜる場面で「だれか ぼーるを おさえて」とあるので、実際に絵本を押さえてもらったり…。
聞き手が参加できるような場面を作ることで、更に絵本の面白さ・楽しさに気付きやすくなるでしょう。一緒の気持ちを共有したり、一緒に何かを体験することは、子どもの愛着形成という観点からとても大切なことです。
是非、絵本を通じて楽しさを共有しましょう。


まとめ・Ryuの感想


子どもが好きな、子どもが楽しめる、子どものための絵本。
絵本の王道とでもいうのでしょうか。シンプルな絵、多すぎない言葉、学びがある。長年愛され続けている理由が納得できる絵本です。
実際に子どもからも大人気で、読み聞かせをすると絵本を楽しんでいる事が感じられます。
「しろくまちゃんのほっとけーき」は笑ったり、ドキドキしたりする展開ではないので、子どもの反応がパッと見で分かりにくいのですが、表情を見るとじっと集中しながら話を聞いているのが分かるはずです。
まさに絵本の世界に入り込んでいる、という状況が感じられると思います。物足りないのは承知ですが、不思議な魅了があるようで5歳児に対して読んだ時も同じような反応が見られました。
乳児期に読む絵本を探している人全員にお勧めしたい一冊です。



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