【3歳おすすめ絵本】おなかのこびと【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「おなかのこびと」は私が”自分が食べるものに興味を持ってほしい””体の仕組みに疑問を感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 食べた後にお腹でどのような事が起こるのかを知る
- 食べるモノに関心を持つ
- 自分の体に興味を持つ
作品紹介
作・絵・デザイン | よしむら あきこ |
出版社 | 教育画劇 |
発行日 | 2015/3 |
値段 | ¥1210 |
大きさ・ページ数 | 26×19cm/32p |
「おなかのこびと」はこんな絵本!
「おなかのこびと」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「おなかのこびと」を簡単にまとめてみました。
- 食べた後のお腹の中に着目した絵本
- 自分の食べるものについて考えさせられる
- 体の仕組みに興味を持てる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
人間の体の事が楽しく分かる絵本です。
お腹の中にはあなたそっくりの小人が住んでいます。
その小人はお腹に入ったものを小さく溶かしてくれますが、同じモノばかり食べたり、噛まずに食べると怒って暴れ出します。そんな小人から絶対にしてはいけない事を4つ紹介!
1,食べ過ぎ
2,飲みすぎ
3,寝て食べる
4,冷やす
食べ過ぎるとお腹はぎゅうぎゅう、飲みすぎると小人が溺れちゃう、寝て食べるとぐらぐら、冷やすとお腹もカチカチ!そんなことをしているとお腹が痛くなって変なうんちしか出なくなってしまいます。
なので、好き嫌いせず、よく噛んで、よく寝て、よく遊ぶと…とっても素敵なうんちが出るでしょう!
笑いの要素満点ですが、体についての理解が深まる一冊です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「おなかのこびと」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 楽しく食生活について考えられる絵本を探している
- 人間の体について興味を持てる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「おなかのこびと」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
クイズ感覚で食べ物についての知識が身につく「やさいのおなか」
野菜の断面がシルエットになっていて、それが何の野菜なのかを考えたり、想像しながら楽しむ絵本。クイズのような感覚で楽しむ事ができるので、どんな年齢の子でも盛り上がる事間違いなしです。
食育という側面も持った一冊です。
野菜の名前が楽しく分かる仕掛け絵本「やさいさん」
多くの野菜が仕掛けと共に登場する楽しい絵本。毎ページに「やさいさん やさいさん だあれ」と一定の言葉が書かれているので、何度も読んでいる中で子どもも自然と言葉を覚えて、大人と一緒に読む楽しさが味わえます。
仕掛けと共に野菜に興味を持てる一冊です。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 自分が口にするものに関心を示す
- 体の中で起こっている事を想像する
目的・ねらい1
食べ物に関心を持つことは食育の第一歩!
遊びたいからと速く食べてしまったり、好きなモノばかり食べていると、お腹が痛くなったり、うんちが変な形になったりしてしまうことが理解できます。
大人はよく「好き嫌いしない」「よく噛む」「野菜も食べる」「ジュース飲みすぎない」といった事だけを子どもに伝えてしまいがちですが、「おなかのこびと」ではその理由が丁寧に描かれているので、納得して大人がよく言う言葉を理解する事ができるでしょう。
自分が何を食べたら体にいいのか、好きなものだけではなくて嫌いなものも挑戦してみよう、と思うことができる一冊です。
目的・ねらい2
体の働きを面白く・分かりやすく伝えています。
「おなかのこびと」では、普段何気なく食べたり、飲んだりしているもののその後が面白く描かれています。
胃液の事は、小人がホースを持ってそこから出る液で小さくなる描写があったり、食べすぎだと胃袋がぎゅうぎゅうになってしまう絵やお腹を冷やすと胃袋も凍ってしまう絵が子どもでも分かるように描かれています。
絶対にしてはいけない4つの事も大人はよく子どもに言いますが、こちらも絵がある事で視覚でも情報を得ることができ、非常に分かりやすく、説得力も増します。
「おなかのこびと」を読んだ子は、「お腹の中ではこんなことが起こってるんだ!」「今はどんなことが起こっているんだろう」と、自分の体の中の事を想像するはずです。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 3,4歳児、特に3歳児 |
季節 | 一年中、若しくは6月 |
行事 | 食育月間など |
対象年齢
3歳児前後がおすすめです。
内容は描写がとても面白いので、1歳児から5歳児、どの年齢でも楽しむことができます。
しかし、体の働きを想像することで更に面白さが増す絵本なので、そうした想像する力がついてくる3歳児頃に読むと、食に関心を示すことができたり、体の働きについて考えるきっかけを作ることができます。
子どもが愛してやまない「うんち」の単語も入っているので、どの年齢でも爆笑必至です。
時期・季節・行事
物事の原因と結果が分かるようになった頃がいいでしょう。
「おかなのこびと」で紹介されている絶対にしてはいけない4つのこと。
何故してはいけないのか、してしまったらどうなるのか、という原因と結果が分かるようになった頃に読むことで、絵本の内容が十分に理解でき、実際の生活でも意識して過ごすことができるでしょう。
季節や行事とは結びつきがあまりありませんが、食育と通ずつ部分があるので、農林水産省で推進されている食育月間の6月や毎月19日の食育の日と合わせて読むのもおすすめです。
読み聞かせのポイント
「おなかのこびと」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 語り掛けるように読みましょう
- 1ページ毎に時間を掛けましょう
ポイント1
文の多くがメッセージになっています。
「おなかのこびと」は会話文があまりなく、絵をナレーションするような形で文が構成されています。
例えば「きみ そっくりの ちっちゃな こびとが すんでいます。その こびとはね…」の文字と胃の中に住んでいる小人の描写や「やさいも ちゃーんと たべて あげると にっこにこに なるんです」という一文がニコニコしている小人と共に描かれています。
語尾が「はね…」「なるんです」というようになっているので、淡々と読むよりは目の前の聞き手に語り掛けるように読む方が、絵本全体の和やかな雰囲気と合っています。
また、語り掛けるように読むことで、聞き手も当事者意識を持ちやすくなります。
ポイント2
新しい発見がいっぱい!
1ページ毎に細かい描写がされていて、パッと見ただけでは情報を全て吸いきれません。
また、細かく見れば見るほど面白いものが描かれているので、そうした絵の面白さに気付くことができるように1ページ毎に時間を掛けて読むと、聞き手も余裕を持って絵を楽しむことができるでしょう。
形の悪いうんちを紹介しているページも1つ1つ確認するのも面白いですし、どんな食べ物が胃袋に運ばれているのか、胃袋がどんな形をしているのかなどなど、新しい発見がたくさん詰まっています。
物語調の絵本ではないので、話の流れを切ってしまう恐れもないので、1ページずつじっくり見ても問題なく楽しむことができるでしょう。
まとめ・Ryuの感想
楽しみながら学ぶことができる。「おなかのこびと」はこの一言に尽きます。
乳幼児期に詰め込むような学習をしても一時は知識がつくかもしれませんが、小学校の高学年になったときには、その一時の差もなくなる結果が出ています。
しかし、「おなかのこびと」のように子どもの興味・関心に語り掛ける場合は別です。
子ども自身が興味を持ち、そのことを知りたいと思ったことは一生残り続けます。そんな楽しさと共に生活のこと、食事のこと、体のことを知るきっかけになり得る絵本です。
また、純粋に”楽しい絵本”としても読むことができ、最後の「ちょう ウルトラ スーパー ミラクル バナナ うーんち!!」は子どもが必ずと言っていいほど笑います。
特に言葉の面白さや下品な言葉が好きになる幼児期の子は、私が読み聞かせた際には100%笑っていました。
子ども自身に自分の体について考えてほしい時に必ず読む一冊です。
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