【2,3歳児おすすめ絵本】やさいのおなか【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「やさいのおなか」は私が”野菜の名前や形に興味を持って欲しい””楽しみながら記憶力や想像力が豊かになって欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 野菜の名前や形を知る
- 野菜に親しみを感じる
- 想像する楽しさを感じる
作品紹介
「やさいのおなか」はこんな絵本!
「やさいのおなか」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「やさいのおなか」を簡単にまとめてみました。
- クイズ感覚で子どもと盛り上がりながら楽しめる
- 楽しみながら野菜の名前や形が覚えらえる
- 想像力、記憶力に働きかける構成が魅力的
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
野菜の中身が丸わかり!クイズ形式の絵本です。
「これ なあに」の文と黒塗りの野菜の断面図の絵があります。次のページには、断面図が載っていた野菜の色付きの絵が描かれています。
内容はたったこれだけ!でも、それがとても面白く、ついつい何の野菜か考えたくなってしまいます。
野菜に対して親しみを持てるだけでなく、楽しむ中で記憶力や想像力を豊かにしてくれる一冊です。
読み手と聞き手のやり取りも楽しめる絵本になっています。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「やさいのおなか」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 野菜に関する絵本を探している
- 記憶力・想像力を養える絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「やさいのおなか」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
クイズのような感覚で想像力が養える「まいごのたまご」
どこからか落ちてきた誰かの卵。恐竜たちが質問をする中で少しずつ誰の卵なのかが分かっていくお話し。子どもと一緒に想像したり、考える事が楽しめます。明るい雰囲気なので、乳児でも楽しめます。
真剣に考える中で集中力も養える絵本です。
言葉遊び×野菜×ストーリー「おやおや、おやさい」
野菜たちがマラソンをするお話しと共に「はくさい はくしゅは てれくさい」といった語呂が良い言葉が盛りだくさんな絵本。野菜の種類を知るのにも一役買ってくれます。
言葉のリズムが心地良い一冊です。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 野菜の種類・名前・形を知る
- 知識や記憶を活かし、答えを出そうとする
目的・ねらい1
野菜の種類は12種類。どれも身近なお野菜です。
人は考えることを通すことで、より記憶に定着しやすくなります。その考える作業を黒塗りの野菜の絵を通して行うことができます。
人参、きゅうり、トマト、キャベツ、かぼちゃ…などなど、子どもでも見たこと・食べたことがある野菜ばかりなので、覚えやすいでしょう。
知識を詰め込むような形式ではなく、クイズのようになっているので、楽しみながら自然と覚えることができるように工夫されています。
目的・ねらい2
これまでの経験を活かす。大人になってからも大切なスキルです。
自分のこれまで見た・食べた野菜の記憶を思い出したり、知識を使うことで1つの答えを導き出す練習をすることができます。
「やさいのおなか」では何の野菜かを当てるだけですが、こういったスキルは大人になってもよく使いますよね。そうした一連の思考をこの絵本を通して体験することができるのです。
すぐにできるようになるわけではありませんが、こうした”種まき”をしておくことで、これから大きくなっていくときに花が咲いてくるものです。
単なる野菜の知識を得るための本で終わらせてしまうのは勿体ない作品です。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児期、特に2歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
2歳以降がおすすめです。
野菜の名前や種類をある程度知っていることで楽しめる絵本となっているため、身の回りのモノの名前を多く認識できるようになる2歳児以降がおすすめです。
ただ、1歳児でも何度か読んでいる内に名前や種類を覚えることができるので、長期的に読むことを考えているのであれば1歳児からでも楽しめるでしょう。
時期・季節・行事
食べ物に関心を示したり、好き嫌いが増えてきた時期がいいでしょう。
食べているときに「これなあに?」と聞いたり、好き嫌いが明確なってきたということは、それだけ食に興味を持っているということです。
興味を示しているときに読むことで、苦手な子が多い野菜に対しても関心を向けることができるでしょう。
季節や行事感はありませんが、幼児に読むときには季節に合わせてそれぞれの野菜の旬などを伝えても面白いと思います。
読み聞かせのポイント
「やさいのおなか」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 対話を楽しみながら読みましょう
- 野菜に関する知識も伝えてみましょう
ポイント1
聞き手の反応を待ってみましょう。
「これ なあに」と読んだ後には、聞き手から様々な答えが出てくることが予想されます。その時に、その言葉を遮って答えを言ってしまっては考える楽しさも半減してしまいます。
なので、読み聞かせではありますが、対話を楽しみながら読むことを意識しましょう。
例えばレンコンのページで「みかん」と答えた子がいたら「どうかなー?」「みかんは野菜かな?」などと、聞き手がより考えられるような言葉を掛けるといいでしょう。
あまり反応がなかったときは、読み手が「私は大根だと思うな」など言ってもいいでしょう。読み手と聞き手で楽しむのが、「やさいのおなか」の醍醐味です。
ポイント2
興味を深掘りしてみましょう。
絵本を通じて興味を持ったことを更に深く掘り下げるのも大切です。聞き手が折角野菜に興味を示しても、それ以降何も伝えなければただ野菜の名前を覚えて終わってしまいます。
なので、例えば「キャベツはシャキシャキしているよね」「人参好きなひとー?」「トマトはちょっとすっぱいよね」といったように食感や味、好き嫌いなどを聞くことで、ただの”知っている”という状況から”食べてみたい”という思いに変わっていくでしょう。
口頭で伝えるだけでなく、読み終えた後にお野菜スタンプや料理のお手伝いなど、実際に食材に触れる機会を作るのもおすすめです。
まとめ・Ryuの感想
みんなで盛り上がれる楽しい食べ物系絵本です。
一見すると野菜を紹介しているだけの絵本ですが、実際に読むとクイズ大会が開かれたように大盛り上がりできる絵本です。
みんな自分の知識から知っている野菜や食べ物を引っ張り出してきて、バンバン答えます。
3歳児辺りが一番盛り上がりましたが、1歳児の子も手をあげて積極的に答えていましたし、5歳児の子でも我先にと答えていました。
また、年齢が高くなると「うんち」などの答えが返ってくることが多々あります。
そうしたときはただ叱るのではなく、「食べ物のお話しているときは、そういう言葉は使わない方がいいね」と言って、マナーを伝える機会にするのもいいでしょう。
野菜の知識を身に着けるだけでなく、読み手と聞き手のコミュニケーションにも使える多機能な1冊です!
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