【2,3歳児おすすめ絵本】14ひきのさむいふゆ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「14ひきのさむいふゆ」は私が”温かい雰囲気の感じ、冬に親しみを持って欲しい””丁寧な描写を見てその美しさや描かれているモノを探す楽しさを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 冬に対して期待感を持つ
- 絵をじっくりと見る楽しさを知る
作品紹介
「14ひきのさむいふゆ」はこんな絵本!
「14ひきのさむいふゆ」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「14ひきのさむいふゆ」を簡単にまとめてみました。
- 国内累計発行部数750万部を超える「14ひきの」シリーズの冬編。
- ねずみの家族の温かい雰囲気と冬の楽しみ方が描かれている。
- 丁寧な描写で絵の美しさ、モノ探しの楽しさを感じられる。
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
ねずみ14匹家族の温かい冬のお話。
「14ひきの」シリーズ冬編。風が鳴り、雪が舞う寒い冬。ねずみの家族は家で暖を取っています。
子どもたちは製作をしたり、ゲームをしたり…。おばあちゃんはおまんじゅうをみんなに作って振舞います。家族みんなで食べて、優しく、温かな雰囲気。
そんな時間を過ごしているといつの間にか雪も止み、太陽が見えてきました。みんなで外に出てソリやスキーを楽しみます。
夜になったらまた雪が降ってきました。みんなで仲良くまたお家で過ごします。
冬のねずみの家族の日常が描かれた温かい作品です。
こんな方におすすめ
- 温かい雰囲気の冬に読む絵本を探している
- 集中力を養える絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「14ひきのさむいふゆ」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
ねずみくんの大逆転が面白い「ねずみくんとゆきだるま」
体の小さいねずみくんは体の大きい動物たちに圧倒されるばかり…。でも、最後雪だるまを作る時には、ひょんなことからねずみくんが一番大きな雪だるまを作り上げます。
冬を感じながら笑って楽しめる一冊です。
寒冷地の生き物の楽しいストーリー「ペンギンホテル」
寒冷地を舞台にしたペンギンのホテルの一日が描かれた作品。広い海のどこか遠くにあるペンギンホテルは、世界中から様々なお客様がやってきます。ライオン、キツネ、白鳥、白熊、泳ぎ疲れたクジラまで…。バタバタ忙しいですが、みんな満足して帰っていきます。
ストーリーと共に様々な生き物に触れられる一冊です。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 作品の温かさを感じ、絵本に親しみを持つ
- 絵本をよく見て、モノを探す楽しさを感じる
目的・ねらい1
作品を通して温かい雰囲気が感じられます。
描かれているのは14匹のねずみの何気ない生活。
特に大きな出来事が起こるわけでもなく、子どもにも馴染みがあるであろう家族との時間が描かれています。
そんな温かな雰囲気に子どもの気持ちも温かくなり、「絵本っていいな」と思うでしょう。
何気ない生活を子ども自身がイメージできるからこそ、自己投影をして作品に入り込むことができます。
目的・ねらい2
「モノ探し」が散りばめられています。
「14ひきの」シリーズには、描かれているものを探す楽しさも随所に散りばめられています。
本作「14ひきのさむいふゆ」だと、「みんなで なに つくってる?」の文と共にねずみたちが何かを作っている絵があったり、みんなで作った帽子が1つなくなっているので、それを探すような言葉が書かれていたり…。
聞き手は、その文を聞くことでついついそのモノを探したくなります。
お目当てのモノが見つかった時には大喜び!
集中する力が身につくだけでなく、読み手とその喜びを分かち合うこともできます。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 2.3歳児、特に2歳児 |
季節 | 冬 |
行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
2歳児頃がおすすめです。
絵本全体を通しての流れはありますが、前後の繋がりが少なく、1ページずつ楽しめます。
前のページの流れを覚えてなくても話を理解できるので、乳児でも十分に楽しめるでしょう。
文の量も多くなく、最後まで集中して聞くことができます。
時期・季節・行事
絵本を集中して3分程見られるようになった頃がいいでしょう。
「14ひきのさむいふゆ」はただ聞いて楽しむだけでなく、モノ探しをすることも楽しさの1つです。
絵本に描かれているものを探すのは集中力を要する行為なので、ある程度絵本等を集中して見られるようになってから読むと楽しさの幅が広がります。
季節としては冬。日常を紹介している作品なので、行事として取り込む機会はあまりないと思います。
読み聞かせのポイント
「14ひきのさむいふゆ」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 1ページ毎に時間を取りましょう
- 優しく、感情を込めすぎず読みましょう
ポイント1
モノ探しの時間を確保しましょう。
目的の所で書いたようにモノ探しを行うページがあります。聞き手がそのモノを見つけるまで次のページには行かず、じっくり待っていましょう。
また、「14ひきのさむいふゆ」は絵本の隅まで細かい描写が施されています。
モノを探すという目的ではなくとも隅まで見てみるとねずみたちの普段使っているものなどを発見することができるので、1ページ毎にしっかり時間を取って絵を堪能できるように工夫しましょう。
ポイント2
声色で作品の雰囲気を伝えましょう。
「14ひきのさむいふゆ」は、冬の話ではあるものの全体を通してとても温かな雰囲気があります。
その雰囲気を絵だけでなく、読み手からも伝えることで一層温かな作品になります。
優しく、落ち着いた声で読むことを意識したり、あまり感情を入れないで読むことで物語の起伏がなく淡々とした、日常のような雰囲気を伝えられるでしょう。
感情は入れすぎませんが、心を入れて読むことで聞き手の心を温められます。
まとめ・Ryuの感想
雰囲気が好きな作品の1つです。
ねずみの家族の特に何事もない平凡な一日を切り取ったような内容で、特に大きな出来事などもないのですが、その平和な日常がとっても素敵な事を教えてくれる絵本です。
また、「14ひきの」シリーズ全てに言えることなのですが、とにかく描写が細かい!
よくよく見ることで、「こんなもの食べているんだ」「こんな布団で寝てるんだ」という発見がたくさんあります。
また、絵の上に文を書いている絵本が普通なのですが、あえて文は下の余白に書き、絵をしっかり見せたいという作者の思いが感じられるところも凄く好きな点の1つです。
子どもに読むと、モノ探しをして見つける楽しさをみんなで感じて盛り上がったり、読み終えた後には温かな表情になっている子が多く、心を満たしてくれる作品だとつくづく実感します。
2歳児向けとは書きましたが、年齢関係なく冬に1度は読みたい絵本です。
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