【4歳,5歳児おすすめ絵本】赤はなのトナカイ ルドルフ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「赤はなのトナカイ ルドルフ」は私が”他者との違いを理解し、それを認め合う大切さを感じて欲しい””童謡「赤鼻のトナカイ」の背景を知り、曲に親しみを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 他者との違いを理解する
- 自分の良い所を考えようとする
- クリスマスや童謡に親しみを感じる
作品紹介
「赤はなのトナカイ ルドルフ」はこんな絵本!
「赤はなのトナカイ ルドルフ」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「赤はなのトナカイ ルドルフ」を簡単にまとめてみました。
- 童謡「赤鼻のトナカイ」の世界を描いた絵本
- 他人との違い、自分の良さを感じる事ができる
- 歌の背景を理解し、歌に親しみを持てる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
とあるクリスマスのくにのお話。ルドルフの生い立ちが描かれています。
クリスマスタウンに生まれた赤鼻のトナカイ、ルドルフ。他のトナカイとは違って赤い鼻を持つルドルフはそれを隠しながら生きていきます。
ところが赤鼻が他のトナカイにばれてしまいトボトボ歩いていると、気の合う妖精と出会います。そこから冒険家や雪男、出来損ないの玩具たちとの出会いを経て逞しく成長していきます。
そして迎えたクリスマス。しかし、外はひどい吹雪で前も見えません。そこで光る赤鼻を持つルドルフが役に立ちます。
「みんな違って、みんないい」そんなことを教えてくれる素敵な一冊です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「赤はなのトナカイ ルドルフ」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 個性を認める大切さを理解できる絵本を探している
- クリスマスに関する絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「赤はなのトナカイ ルドルフ」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
多様性、勇気…様々なメッセージが詰まっている名作「スイミー」
兄弟の中で一匹だけ黒い魚のスイミー。ある日、大きなマグロに兄弟が食べられてしまったけれど、スイミーの個性を活かし、勇気を持ってマグロを追い払うストーリーが魅力的です。
秀逸なストーリーの中と共に大切な事を教えてくれる一冊です。
笑って楽しめるクリスマスのストーリー「サンタクロースと50ぴきのトナカイ」
夏の間に太ってしまったトナカイたちとクリスマスに向けてダイエットをする面白い物語。楽しい展開・描写の中にも頑張った先にある達成感や喜び、人々を助ける大切さなど、様々な温かさが詰まっています。
面白いクリスマスに関連する物語を探している人にぴったりな一冊です。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 他人と違っても良いことを理解する
- 歌の理解を深め、想像を豊かにする
目的・ねらい1
人と違うことは長所になり得ることを理解できます。
「みんなと同じでなくちゃいけない」「みんなができるのに、私はできない」そんな思いを子どももどこかしらで抱えています。
特に日本では、同調や和を重んじてきたこともあり、そういった意識が特に強いと思います。
ですが、今は個性や各々の特徴を大切にする時代です。個性の大切さやその子にしかできないことがあることを、「赤はなのトナカイ ルドルフ」を通して感じることができるでしょう。
目的・ねらい2
名曲が生まれた背景を想像できます。
クリスマスの定番ソング「赤鼻のトナカイ」の歌詞の内容を深掘りするような内容となっているので、どのように赤鼻のトナカイが育ってきたのかやトナカイの名前、ストーリー性などを理解することができます。
お歌だけでも十分楽しむことはできますが、その裏にあるストーリーを理解することで、曲に対する思い入れもぐっと深まりますよね。
「赤はなのトナカイ ルドルフ」を読んだ後に、お歌を唄うと、この話を想像しながら歌えるようになるでしょう。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に4歳児 |
季節 | 冬 |
行事 | クリスマス |
対象年齢
4歳以降がおすすめです。
しっかりとした物語になっているので、ある程度物事の順序や因果関係が理解できていないとストーリーを楽しめません。また、文の量も少なくないので読み終えるのに7分程要します。
3歳児でも内容を理解し楽しめますが、後半は疲れてきてしまうので、4,5歳頃がおすすめです。
時期・季節・行事
短い物語を楽しめるようになった後がいいでしょう。
短い物語の絵本を十分に理解できるようになってから読むと、ストーリーを楽しみながら聞くことができるでしょう。
季節としては、クリスマス前。行事は、保育園・幼稚園などではクリスマス会で幼児に向けて読むといいでしょう。
読み聞かせのポイント
「赤はなのトナカイ ルドルフ」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- それぞれのキャラクターを演じ分けましょう
- 読む前の導入を大切にしましょう
ポイント1
声色を変えながら読むことを意識しましょう。
多くの人物や動物が登場し、物語も長めです。特に演じ分けず読んでしまうと、誰がどのセリフを言っているのか分かりにくくなりますし、途中で飽きてしまうことが予想されます。
大げさに演じる必要はありませんが、誰が言っているセリフなのかが分かる程度には声色を変えてみましょう。
読み手も読んでいる途中で誰が話している言葉なのか分からなくなることも多くあるので、読み聞かせをする前に一通り読んでおいて内容を把握しておくことを強くお勧めします。
ポイント2
導入をしっかりすることで、絵本の世界に入り込めます。
導入というといかにも保育の世界の言葉という感じで、難しいように聞こえますが、読む前にお歌を唄ったり、トナカイについて簡単に触れるだけで大丈夫です。
唐突に「この絵本読むから聞いてね」と言われても、聞く側は聞く準備もできていませんし、絵本の内容に興味を持てていないことが多くあります。
なので、自然な会話や歌からこの絵本に繋げることで、聞く側も心の準備ができたり、赤鼻のトナカイについて興味を持った状態で絵本を聞くことができます。
長めの絵本こそ、こうした事前の準備が大切になるので、是非やってみてください。
まとめ・Ryuの感想
今の時代の価値観に合った絵本です。
現在はそれぞれの違いを認めて、それらを活かし合って生きていく社会になりつつあります。そんな現代の考えにぴったりな内容になっています。
子どもにとって、それらの話は少し難しいと感じるかもしれませんが、この絵本を読むことで「人と違ってもいいんだ」と思えるようになると思います。
私自身、保育園で3歳児に読み聞かせをしたときに印象に残っている感想が出てきました。「赤い鼻かっこいい!」子どもの頃はそれだけでもいいんです。
他との違いを認めて、それを活かせる方法を探す、この思考を持てることが大切です。
1948年にできた内容の絵本ですが、今だからこそ読みたい一冊だと思います。
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