【2,3歳児おすすめ絵本】おつきみがしたいおつきさま【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】

「おつきみがしたいおつきさま」は私が”お月見がどのようなものかを知り、親しみを持ってほしい””想像や発想することの楽しさを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
※電子書籍です
- お月見がどのような行事かを知る
- お月見を楽しいと感じ、親しみを持つ
- 想像することを楽しもうとする
作品紹介
作 | 昼田弥子 |
絵 | 西片拓史 |
出版社 | 世界文化社 |
発行日 | 2021/11 |
値段 | ¥770 |
大きさ・ページ数 | 28P |
「おつきみがしたいおつきさま」はこんな絵本!
「おつきみがしたいおつきさま」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「おつきみがしたいおつきさま」を簡単にまとめてみました。
- お月見に何をするのかが簡潔に分かる絵本
- 展開が面白く、お月見を前向きに捉えられる内容が魅力的
- 想像する楽しさが感じられ、想像したくなる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容


お月様もお月見をしたい!面白い発想が楽しめる一冊です。
今日はお月見。お月様は皆に見られることはもう飽きてしまった様です。でも、お月様がいないとお月見ができなくなるしな…と考えているとどこからかいい匂いが。下を見てみるとお煎餅屋さんが満月に似たお煎餅を焼いています。
お月様は何かを閃くと人間に変装してお煎餅屋さんに。そして星の欠片を御礼として先に渡し、大きなお煎餅を作るようにお願いをしました。お煎餅屋さんは寝る間も惜しんで作りました。
そして出来た大きなお煎餅!お月様は自分の代わりにお煎餅を空に浮かべます。そして念願だったお月見を楽しみます。しかし、周りにいた星たちがお煎餅のお月様を食べ始めてしまいます。
お月見を楽しんでいる人も騒ぎ始めます。お月様は大慌てで空に戻り、お煎餅が雲に隠れたその隙にさっと入れ替わりました。お月見をしていた人も大きな満月が見れて嬉しそう。
お月様は一安心。来年こそは上手くやるぞと意気込みます。
お月見の楽しさと展開が面白いお月見に親しみが持てる一冊です。


こんな方におすすめ


以下の項目に当てはまる方に「おつきみがしたいおつきさま」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 笑って楽しめるお月見の絵本を探している
- 想像や発想する事が楽しくなる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「おつきみがしたいおつきさま」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!


月に兎がいる理由がわかる「つきのうさぎ」
自ら犠牲になってまで人を助ける意味、尊さ、疑問を感じられる絵本。月に兎がいる理由にも繋がっており、教養としての一面も大きいです。悲しいけれど、強いメッセージが込められた一冊です。
月に関するシリアスなストーリーを読みたい時にはこちらをおすすめ。


日常の中に想像する楽しさが溢れる「ベッドのなかはきょうりゅうのくに」
中々眠れずベッドを洞窟に見立てて潜り込んだ男の子が恐竜の世界に迷い込むお話し。日常の至る所が冒険に繋がるような感覚や想像する楽しさを味わえるストーリーが魅力的な1冊です。
ストーリーと共に想像する楽しさが味わえる絵本を探している時にはこちらをおすすめ。
目的・ねらい


絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- お月見を楽しいものだと認識し、興味を持つ
- 想像する楽しさを感じ、日常の中で想像してみようとする
目的・ねらい1
楽しい展開でお月見を前向きに捉えられます。
「おつきみがしたいおつきさま」は、行事の由来といった少し固い内容ではなく、月の代わりにお煎餅が空に浮かぶという描写などを楽しみながら読むことができる明るい雰囲気の作品です。
お月見の趣旨である“月を見ることを楽しむ行事“であることはしっかりと伝えつつも、そこに笑って楽しめる内容を付け加えることで、お月見自体にも楽しいイメージを持つきっかけになっています。
楽しい行事であることを感じていれば、子どもは自然と興味を持つ事ができるようになります。
目的・ねらい2
日常の中にちょっとした面白さが加わる想像がしたくなります。
本作の最大の面白さとしてはやはりお月様がお煎餅に代わってしまうこと。想像力豊かな子どもでもお月様がお煎餅になることは中々思いつかないものです。
そんなお月様の発想が面白く、本作を読み終えると身の回りのものに対して「〇〇だったら面白いのにな」という想像を思わずしてみたくなります。
想像する楽しさを知り、実際に想像を楽しむ中で自然と想像力・発想力も豊かになっていきます。
チェックポイント


現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児期、特に3歳児 |
季節 | 秋 |
行事 | お月見 |
対象年齢
2、3歳児頃がおすすめです。
文字の量も多くありませんし、内容も笑える要素があり読みやすいので幅広い年齢で楽しむ事ができます。
お月見に関する絵本ではありますが、由来などについては触れられていないので理解しやすく、2歳児頃でもお月見という行事に触れるきっかけになり得ます。
行事という存在を理解し始め、想像力も一層豊かになる3歳児頃に読むことで
時期・季節・行事
行事の存在を少しずつ理解始めた頃がおすすめです。
「おつきみがしたいおつきさま」はお月見を深掘りする難しい作品ではなく、お月見と言う行事を知ったり、興味を持つきっかけになる作品です。
家庭や園で毎年行事に触れる中で「何か特別な日があるんだな」と感じ始めた頃に合わせて読むことで、お月見という存在を知り、興味を持ちやすくなるでしょう。
お月見に関連する作品なので、季節は秋、行事はお月見に合わせて読むことをおすすめします。
読み聞かせのポイント


「おつきみがしたいおつきさま」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- お月様の気持ちを想像しながら読みましょう
- 明るく楽しい雰囲気を作って読みましょう
ポイント1
お月様の感情が分かりやすく描かれています。
「おつきみがしたいおつきさま」は展開の中でお月様が悩んだり、喜んだり、焦ったりする描写が多く取り入れられていて、感情の動きも楽しむ事ができます。
大げさに演じる必要はありませんが、読み手がお月様がどんな気持ちなのかを理解しながら読み、声で気持ちを表現すると作品をより深く楽しめる様になるでしょう。
ポイント2
笑えるような雰囲気を意識して作る!
行事に関する絵本と聞くとどこか難しいイメージもありますが、本作は堅苦しさなどは一切なく楽しみながらお月見に触れる事ができるのが非常に魅力的。
真面目に読むのも1つだとは思いますが、”楽しみながらお月見に触れる”というねらいで読むとすると、明るい雰囲気を作って読むのをおすすめします。
読む前に聞き手と小話をしてリラックスさせる、笑顔を作る、全体的に声を高めにするなど、雰囲気の作り方はたくさんあるので聞き手が笑いやすいように工夫してみましょう。


まとめ・Ryuの感想


お月見に興味を持つきっかけにぴったりな作品です。
昔からずっと行われてきている行事は今後も子どもたちに受け継いでいきたいものですよね。ですが、行事の由来などは難しいものも多くどこか取っつきにくいイメージがあるのも確かです。何より子どもは面白いものでないと中々興味を持ってくれない現実があります。
そこでお月見に楽しいイメージを持つ事が出来る「おつきみがしたいおつきさま」を読むことでお月見の事を知りながら、興味を持つ事も出来るようになることが期待されます。
実際に読み聞かせをするとお煎餅が月に代わる所で「えー!」と笑ったり、お煎餅が星に食べられてしまうシーンで驚いたりと楽しみながら作品に触れる事が出来ている事が感じられます。
お月見の存在を知るきっかけを作りたい時やお月見に楽しいイメージを持って欲しい時に読みたい一冊です。



記事を書く励みになります。ポチっとお願いします!