【2,3歳児おすすめ絵本】にくのくに【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「にくのくに」は私が”お肉を美味しそうだと思い、食に関心を示して欲しい””身近な人と気持ちを共有する楽しさを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
「にくのくに」はこんな絵本!
「にくのくに」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「にくのくに」を簡単にまとめてみました。
- お肉に特化したお肉だらけの珍しい絵本
- お肉の魅力に気付き、食べ物に興味を持てる
- 身近な人と気持ちを共有し、笑って楽しめる
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
にくのくにの王様たちによる真面目で面白い争い!
肉の国は色んな国の王様が自分のお城を構えて暮らしています。今日は肉の国一番の王様を決める大事な日。
初めに出てきたのは…ローストビーフ王!ページをめくると美味しそうなローストビーフが描かれています。
次に出てきたのは、カラアゲ王!次のページにはジューシーで美味しそうな唐揚げがレモンと共に描かれています。
お次はハンバーグ王、次はテリヤキチキン王、ソーセージとハム王、トンカツ王…個性豊かな王様と美味しそうなお肉たちがたっぷり!
そして最後はスキヤキ王。「スキヤキはみんなで たべると もっと おいしくなるぞよ!」と言われて、王様全員がすき焼きを食べます。
みんなお腹いっぱいになり、みんなでごろん。誰が一番なんてもうどうでもよくなってしまいました。
魅力的なお肉を笑いながら楽しめる面白い一冊です。
こんな方におすすめ
- 食に興味が持てる絵本を探している
- 笑って楽しめ”美味しい”を共感できる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「にくのくに」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
笑いながら楽しめる食に興味が持てる絵本「おなかのこびと」
お腹の中に小人がいて、食べた物によって小人や体にどんな影響があるのかが描かれています。子どもが笑ってしまう描写も多数あり、楽しみながら人体や食べ物の栄養について学ぶことができます。
食べる事に関して興味を持ち、一歩深い知識が身につけられる一冊です。
様々なお菓子を見ながら言葉の響きが楽しめる「おかしなおかし」
「ぷるぷる プリンが トランポリン」「くさもち もちろん ちからもち」こんな語呂の良い言葉が面白い絵と共に楽しめます。子どもも実際に言いながら盛り上がる事ができます。
言葉の面白さを全面に押し出した言葉遊び絵本です。
目的・ねらい
- お肉を「美味しそう」と感じ、食に興味を持つ
- 食べる真似をする中で身近な人と同じ気持ちを共有する
目的・ねらい1
まずは”美味しそう”と思う事から!
子どもは好き嫌いに関わらず食べることそのものに興味がない場合があったり、突然そういった時期になることもあるものです。
そうした状況の子に対して「野菜食べなさい」「残さず食べなさい」「早く食べなさい」などと言っても中々聞き入れてくれることはありません。
なので、まずは食に興味を持ってもらう事が何よりも大切になります。「にくのくに」では面白いストーリーの中にリアルに描かれた美味しそうな料理が沢山登場します。
お肉の絵を見て「美味しそう」「食べてみたい」と思う事で”食に関心がある”という状況に繋げていくことができるでしょう。
目的・ねらい2
身近な人と同じ気持ちになる喜びも味わえます。
魅力的なお肉がたくさん描かれている「にくのくに」。そんな美味しそうなお肉を見ているとついつい食べたくなってしまいます。
読み聞かせをしていると決まって子どもも手を伸ばしてお肉を口に入れる真似をしています。
食べている真似をしているだけでも想像力が豊かな子どもは、読み手である大人や一緒に聞いている友だちと「美味しい」を共感できるもの。
食べ物の絵本ではありますが、身近な人と同じ気持ちを共有する楽しさ・嬉しさも感じ、どこか安心感も得られる一面もある絵本です。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児、特に2歳児 |
季節 | 一年中若しくは6月 |
行事 | 食育月間、肉の日など |
対象年齢
2歳児以降がおすすめです。
2歳児頃になると好き嫌いが明確になってきて、特定の食材だけでなく、食べること自体が嫌になり”食べたくない”という気持ちも増してくる場合があります。
そんな時に食の良さがドンッと伝わる「にくのくに」を読むことで、食に再度興味を持つきっかけになるでしょう。
時期・季節・行事
食に興味を持てた時、若しくは興味が薄れてきたことがいいでしょう。
食に興味を持ち始めた時に読むことで更に食べ物・食べる事に対しての意欲が増すことが予想されますし、また食に対しての興味が薄れてきた頃に合わせて読むことで食への関心を取り戻すきっかけになり得ます。
季節や行事とは関連性はありませんが、強いて言うなら肉の日(2月9日)に合わせて読むのもおすすめします。
また、食に関する絵本なので食育の意味を込めて食育月間である6月や食育の日である毎月19日に読み、そういった月間や日にちがある事を一緒に伝えるのもいいでしょう。
読み聞かせのポイント
- 明るく楽しい雰囲気・声で読みましょう
- 食べ物のページをしっかり見せましょう
ポイント1
笑い合える雰囲気作りを意識しましょう。
「にくのくに」は作品を通じて面白く、明るい雰囲気を持っています。
作品が持つ雰囲気を読み手が声色や表情、読み方を工夫して伝えやすくすることで、子どもと大人で笑い合える時間を共有する事ができます。
多くの肉の王様も登場するので、それぞれ声色を変えながら面白おかしく読むとそれぞれのキャラクターが立ち、印象に残りやすく、子どもも真似しながら読んだりする事で、より楽しみが広がります。
ポイント2
主役の肉をしっかり見せて味わおう!
本作の主役は美味しそうに描かれている数々の肉。その肉をしっかりと見せることで食への関心を引き立てましょう。
見せ方としては、肉のページをめくる前に数秒の溜めを作ってドキドキできる時間を作ったり、文を読んだ後に絵だけを楽しめる時間を作るなど、簡単な工夫だけで大丈夫です。
子どもが驚いたり、食べる真似をしていたら一段落するまで様子を見て、子どもが落ち着いてから次のページをめくると肉を存分に楽しむ事ができるので、おすすめです。
まとめ・Ryuの感想
読むのも楽しい、楽しい雰囲気を作りたい時に読む一冊。
「にくのくに」は子どもからも大人気で面白いほどに反応が良い絵本です。
食べる真似をしたり、お肉の大きさに驚いたり、自分のお肉を食べた時の体験談を共有してくれたり…子どもの様々な反応があり、何度読んでも飽きがきません。
また、そんな子どもの反応を見ている大人も楽しく読むことができ、私も毎回笑いながら読んでいます。
愛らしい王様のキャラクター作りをするのも個人的に力を入れていて時にはふざけすぎてしまうことも。それも許されてしまう楽しく・明るい雰囲気の作品です。
食に関心を示して欲しい時は勿論、明るい雰囲気にしたい時、子どもと大人で笑い合いたい時、楽しい時間を共有したい時など様々な場面で楽しめる一冊です。
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