【日常に冒険を見つけるきっかけになる】ベッドのなかはきょうりゅうのくに【現役保育士がレビュー】

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【3,4歳児おすすめ絵本】ベッドのなかはきょうりゅうのくに【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】

Ryu

「ベッドのなかはきょうりゅうのくに」は私が”身の回りの様々な物事に冒険心や探求心を持って欲しい””ストーリーの面白さを感じ、想像力が豊かになって欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。

「ベッドのなかはきょうりゅうのくに」を通じて目指す子どもの姿
  • 身の回りの様々な事象にワクワクする
  • 想像する楽しさを感じる
  • 恐竜に興味や親しみを持つ

目次

作品紹介 

まつおか たつひで
出版社童心社
発行日2020/8
値段¥1540
大きさ・ページ数19.1×26.6cm/40P

「ベッドのなかはきょうりゅうのくに」はこんな絵本!

「ベッドのなかはきょうりゅうのくに」ってどんな内容の絵本?

 そんな疑問にお答えするために「ベッドのなかはきょうりゅうのくに」を簡単にまとめてみました。

  1. ワクワク・ドキドキしながら楽しめるストーリーが魅力的
  2. 冒険や探検、想像する楽しさが感じられる
  3. 様々な恐竜が登場し、親しみを持ちながら見た目や名前を覚えられる

まるわかりQ&A

「ベッドのなかはきょうりゅうのくに」を一言で表すと?

ドキドキしながらストーリーに入り込みやすい恐竜いっぱいの絵本!

子どもの反応は?

展開を楽しんだり、驚きながら声を上げて楽しむ!

ずばり何歳向け?

4歳児向け!

どんな人は買い?

日常のちょっとした所にも冒険心が生まれる絵本を探している人!

あらすじ・ストーリー・内容

ベッドの中にある恐竜の世界。ワクワクが止まらない世界観が楽しい作品です。

 寝る前にお母さんに絵本を読んでもらっていましたが、赤ちゃんが泣きだしてしまいお母さんが途中でいなくなってしまいました。つまらなくなったので、布団を洞穴に見立てて猫と一緒に潜ると一向に終わりが見えてきません。

 どんどん進むと遠くから何頭もの恐竜が走ってきました!肉食恐竜に追われている草食恐竜は逃げ切りましたが、ランペオサウルスの子どもが置き去りにされています。ティラノサウルスに見つからないように息を潜めてやり過ごし、一緒に親を探す旅に出かけます。

 どこまでも続く恐竜の世界。パキケファロサウルス、トリケラトプス、ブラキオサウルス、プテラノドンなど様々な恐竜と出くわします。そして、出会った恐竜たちにランペオサウルスの居場所を聞きながら少しずつ居場所を突き止めます。

 そして湖をパラサウロサウルスの背中に乗りながら渡り終えるとそこには迷子の親が待っていました。無事に送り届けた時、火山が爆発!恐竜たちは逃げまどい、男の子は何とか洞窟の中に避難しました。

 洞窟の中にも様々な恐竜たちがいます。洞窟をどんどん進んでいくと辺りがお布団みたいに柔らかくなり、先に光が見えてきました。出口を抜けることができ、一安心。今日はぐっすり眠れそうです。

 冒険をした気持ちになれるストーリーが楽しい一冊です。

こんな方におすすめ

以下の項目に当てはまる方に「ベッドのなかはきょうりゅうのくに」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。

  1. 冒険心、想像力などが豊かになる絵本を探している
  2. ストーリーが面白く、恐竜が多く登場する絵本を探している

絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!

「ベッドのなかはきょうりゅうのくに」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!

恐竜を見つけながら集中力が身につく「きょうりゅうかくれんぼ」

 様々な恐竜たちとかくれんぼをして、見つける楽しさが味わえる参加型絵本。森の中に隠れている恐竜を見つけるのが非常に楽しく、どんな子も自然と探してしまいます。探す行為を通して集中力も養える一冊です。

 ストーリーではなく、参加型の絵本で楽しく恐竜に触れたい時にはこちらをおすすめ。

没入感がすごい!世界観にぐっと引き込まれる「ぼくはひこうき」

 男の子がお父さんの膝の上に乗り飛行機ごっこをしていると本当に飛行機になって飛んでいるような世界を楽しめる作品。聞き手を引き込むような構図が素晴らしく、自分も飛行機になった気分で絵本の世界に入り込む事ができます。

 絵本の世界に入り込み、なりきる楽しさを感じたい時にはこちらをおすすめ

目的・ねらい

絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。

  1. 日常の中で冒険心や探求心を持って物事を見たり、取り組む
  2. ストーリーの展開を楽しみ、想像する楽しさを感じる

目的・ねらい1 

身近な地地上から世界が広がる展開にワクワクしてしまいます。

 「ベッドのなかはきょうりゅうのくに」の冒頭で男の子が布団の中に潜り、そこから恐竜の世界に行くという展開が描かれています。

 ベッドという日常的なものが異世界へと繋がっている描写を見ると、日頃よく目にするものも「もしかしたら、この道を歩いたらどこかに行けるかも」「この人形がお話ししだすかも」なんて想像を思わずしたくなります。

 何でもない日常の風景をドキドキ・ワクワクに満ちたものに変えてくれるきっかけになるような作品です。

目的・ねらい2  

展開の面白さが感じられるストーリーに魅了されます。

 「ベッドのなかはきょうりゅうのくに」は、少し長めのストーリーではありますが起承転結がしっかりとあり、最後まで飽きることがない展開が魅力的です。これまで少し長めのストーリーを見たことがない子でも最後まで集中して読めます。

 また、現代には存在しない恐竜に出会ったり、恐竜の世界に行くという設定など想像を膨らませるような展開なのでストーリーを楽しむ中で自然と想像力も豊かになります。

 「今、恐竜がいたらどうなるのかな」といった想像を思わず楽しんでしまうことが予想されます。

チェックポイント

現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。

年齢幼児期、特に4歳児
季節一年中
行事関係なく楽しめる

対象年齢

3歳児以上がおすすめです。

 文字量はそこまで多くありませんが、40ページのボリュームや起承転結がしっかりとした展開のある作品なので乳児期の子は最後まで集中できない可能性があります。

 恐竜という存在を多くの子が認知していることが予想される4歳児頃に読むことで更に興味を持って内容を楽しむ事ができるでしょう。

時期・季節・行事

日々の物事や出来事に疑問を持ち、興味を深めようとする姿が見られた頃がおすすめです。

 冒険する楽しさ、想像する楽しさなどがストーリーを通して感じられる作品なので日々の生活の中でちょっとした疑問でもそこに様々な想像を働かせることができるような様子が見られた時に読むと、自分の持っている好奇心と本作の内容がピッタリ合います。

 季節や行事に関する描写はなく、また、恐竜に興味を持っていなくても楽しめる作品なのでいつでも誰でも楽しめます。

読み聞かせのポイント

「ベッドのなかはきょうりゅうのくに」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。

  1. 台詞の部分は分かりやすく、声色を変えて読みましょう
  2. 絵本をしっかり開いて、絵をよく見せながら読みましょう

ポイント1  

ストーリーに引き込むための一工夫!

 「ベッドのなかはきょうりゅうのくに」は展開が面白く自然と集中して聞いてしまうような構成ですが、所々で出てくる男の子や恐竜の言葉を声色を変えて読むことで、更に聞き手を絵本の世界に引き込みやすくなります。

 淡々と読んでしまうと中盤辺りで集中が途切れてしまう子も出てくる可能性があるので、アクセントとして声色を変えることで聞き手が「なんだなんだ?」と興味を持って、再度絵本に集中してくれます。

 あまり大げさにやると世界観を壊してしまいかねないので程々に抑えることをおすすめします。

ポイント2

広い世界観を視覚的にも表現することを意識する!

 本作の絵本の形は横長で聞き手を恐竜の世界で包み込むような構成が魅力の1つ。横長の絵本を思い切り開くのは少し難しいですが、端の絵までしっかりと見えるように意識して開いてみましょう。

 隅々まで丁寧に恐竜の世界が描かれているので、しっかりと見せることで聞き手の没入感が違ってきます。また、丁寧に恐竜たちも描き込まれているので、絵を楽しめるように聞き手の様子を見て絵を見終わったと思われるタイミングで次のページにめくることを意識するのもおすすめです。

まとめ・Ryuの感想

ただの恐竜絵本じゃない!ワクワク・ドキドキが楽しめるストーリーが魅力的。

 一見、恐竜好きの子に対する絵本のようにも見えますが、恐竜が好きか好きではないかはさほど関係なく、どんな子でも楽しめる作品です。

 特に冒頭のベッドから恐竜の世界に入り込むシーンは秀逸で、身近にあるベッドという場所から異世界に行ける描写があることで誰しもが共感できる冒頭になっています。冒頭の場面で聞き手は一気に絵本の世界に入り込む事ができる工夫がされています。

 そんなシーンを見た子どもたちは「えー!」「今日潜ってみようかなー!」なんて事を言いながら楽しんでいます。元々日常の何気ない風景をワクワク、冒険に見立てる天才の子どもたちなので、こんな場面を見たらワクワクせざるを得ません。

 また、恐竜を知るきっかけにもなり、新たな興味や関心が広がるきっかけにもなります。恐竜が好きな子にとっては友だちに知っている恐竜を教えてあげるなど、ちょっとした優越感に浸れたりもします。

 恐竜と共にストーリー系の絵本の楽しさを感じられるだけでなく、日常の生活の中に冒険を感じさせてくれる一冊です。

Ryu

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