【4,5歳児おすすめ絵本】おばけのきもだめし【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「おばけのきもだめし」は私が”展開を想像しながらストーリーを楽しみ、想像する楽しさを感じて欲しい””おばけに親しみや興味を持って欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- おばけの種類を知り、興味を持つ
- 展開を想像する楽しさを知る
- 肝試しの存在を知る
作品紹介
「おばけのきもだめし」はこんな絵本!
「おばけのきもだめし」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「おばけのきもだめし」を簡単にまとめてみました。
- 緊張と緩和が楽しめるストーリーが面白い
- 様々なおばけを知り、親しみが持てる
- 先の事を予想したくなるような展開が魅力的
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
緊張と緩和のおばけだらけのドキドキストーリー!
夕暮れにおばけの子どもたちがぶるぶる震えながら神社の前に集まります。そう、今日は肝試し大会。そこに閻魔様が登場し、おしっこをちびらずに行けたら褒美にたい焼きをくれると言うと「さっさと、いけー!」と叫び肝試しの始まり。
皆は駆け足で森に入りますが、とても不気味でそろりそろりと歩きます。そして突然”おおだぬき”が現れ、よだれを垂らしながら一つ目坊やに手を伸ばします。しかし、ろくろ首の放り投げた提灯が尻尾に当たり、尻尾が燃えて逃げていきました。
そろりそろりと歩いていくと今度は大きなガマガエル!ろくろ首が捕まりそうになった時、一つ目坊やのおならがガマガエルの顔に直撃!あまりの臭さに逃げていきました。
そしてその後も歩いていると出刃包丁を持った大きなやまんばが追いかけてきます。一斉に走り何とか逃げ切る事ができ、森を抜けることができました。
森を抜ける事が出来て皆も一安心。ですが、どうやらおばけを一匹連れて帰ってきたようです。
様々なおばけと触れ合いながら笑って楽しめる一冊です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「おばけのきもだめし」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- おばけが登場する怖すぎない絵本を探している
- 展開が楽しく、笑いながら楽しめる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「おばけのきもだめし」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
ドキドキの展開が楽しめる「おおかみと7ひきのこやぎ」
子ヤギたちがお留守番をしている間に狼があの手この手で子ヤギを食べようとするグリム童話の名作。子ヤギたちと狼の言葉のやり取り、想像を掻き立てるような展開が魅力的な作品です。
おばけ以外でドキドキや緊張感を楽しみたい時にはこちらをおすすめ。
想像と笑いとドキドキが楽しめる「ぜったいあけちゃダメッ!」
ページを開くと青い人のようなモノ。何度もしつこく次のページをめくらないようにお願いしてきます。そしてどんどんページをめくっていくと最後には…。次の展開を予想する楽しさを笑いながら味わえる一冊です。
怖さはなく、想像するドキドキを味わいながら思い切り笑いたい時にはこちらをおすすめ。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 展開を想像しながら読む中で、想像する楽しさを感じる
- おばけの種類を知り、興味や親しみを持つ
目的・ねらい1
ストーリーの展開を想像したくなるような面白さが魅力的です。
「おばけのきもだめし」は、肝試しというテーマも相まって先の事を自然と想像し、想像することでのドキドキを楽しむ事ができます。
「次はどんなことが起こるんだろう」「どんなおばけが出てくるんだろう」といった一種の不安も交じりながらの想像は普段する想像とはまた一味違う楽しさが味わえます。
展開を予測したり想像する中で自然と想像力が豊かになったり、想像すること自体を楽しめる様になっていくことが期待できます。
目的・ねらい2
怖すぎないデフォルメされたおばけに親近感を覚えます。
本作には様々なおばけが登場します。一つ目小僧、ろくろ首、河童、天狗などの子どもたちも比較的知っているおばけからからかさおばけやのっぺらぼう、ちょうちんおばけなどなど。
名前自体は書かれてはいませんが、大人なら知っているようなおばけばかり。子どもが興味を持って「このおばけなに?」と名前を聞いた際にもおばけの名前を伝える事ができるので、そこから興味を広げる事ができます。
また、丸みを帯びた可愛らしい見た目なので怖がりな子であっても親しみを持ちやすいですし、おばけの子どもでもおばけを怖がっている所がついつい親近感を覚えてしまいます。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に5歳児 |
季節 | 夏など |
行事 | 関係なく楽しめます |
対象年齢
4,5歳児におすすめです。
いくらデフォルメされた可愛いおばけと言えど、作品全体は暗めのシーンが多く、ちょっとした怖さはあります。
また、文の量も少なくないので最後まで集中力が持ち、ある程度創作であることが理解できるようになる幼児期以降、特に5歳児におすすめです。
5歳児であっても怖がるようなら読むのを控え、もう少し大きくなってから読むようにしましょう。
時期・季節・行事
創作と現実の区別がしっかりとつくようになった頃がおすすめです。
年齢や発達によっては、絵本の世界であってもそれを現実の世界と同じように捉えてしまうことがあり、恐怖が大きくなってしまう可能性があります。
日頃の生活の中で創作物や想像上のものと現実のモノとの区別がついている事が確認できてから読むようにしましょう。
内容としてはいつ読んでも楽しめますが、一般的に肝試しは夏に行うイメージがあるので夏に合わせて読むことをおすすめします。行事との関連性は特にないので夏を通して楽しむ事ができる作品です。
読み聞かせのポイント
「おばけのきもだめし」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 緊張と緩和を意識して読みましょう
- 聞き手の様子を常に見て読みましょう
ポイント1
ドキドキの中にクスっと笑える展開が楽しめます。
「おばけのきもだめし」は使われている色は暗め、そして背景なども不気味に描かれて全体的に怖い雰囲気があります。
しかし、きもだめしの道中で怖そうな狸の尻尾に火がついて慌てて逃げたり、ガマガエルをおならで撃退するなど、緊張が一気に緩むような描写もあります。
緊張している状態から笑える描写があると一段と面白く感じられるもの。そのギャップを聞き手が楽しめる様に面白い場面では声色を明るくしたり、少しだけ速く読むなどの工夫をする事をおすすめします。
ポイント2
様子次第では読み方を変えて読む!
いくらデフォルメされているおばけや妖怪と言えども怖いと感じる子はいますし、雰囲気などを敏感に感じる子にとっても怖さを覚える描写はあります。
もし読み手が怖そうな表情などを浮かべていたら声色や表情を明るくしながら読んだり、面白い描写に注目できるように読み手も笑うなどの工夫をすることをおすすめします。
折角の楽しい作品も恐怖だけで終わってしまっては勿体ないです。楽しさが根底に感じられるように読み方をその場その場で模索してみましょう。
まとめ・Ryuの感想
ドキドキと面白さが絶妙にマッチした夏に読みたい作品です。
”おばけ”と”きもだめし”という怖い要素を2つ合わせている時点で怖い作品であることは想像できますが、その想像が良い意味で裏切られる内容なのが本作が人気である理由の1つだと感じます。
実際に読んだ時には予想以上に盛り上がり、「もう一回読んで!」と何度もお願いされました。それ以降は大人気の一冊となるほどで、怖くても面白さを感じられる作品なのだと確信しました。やはり不気味なシーンからのおならで撃退するシーンは大爆笑で何度読んでも反応が良かったです。
ただ、怖さを感じる子は勿論いて「面白かったけど怖かった」という感想もあったので、読む時には子どもの様子などを見ながら読むことが大切だと感じます。
ドキドキと笑いが一気に楽しめる夏に読みたい一冊です。
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