【2,3歳児おすすめ絵本】うみべの くろくま【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「うみべの くろくま」は私が”夏の雰囲気を感じ、海に行くことを楽しみにして欲しい””海の生き物を知り、親しみを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 夏の雰囲気を知る
- 海に行くことに期待感を抱く
- 海の生き物に興味を持つ
作品紹介
「うみべの くろくま」はこんな絵本!
「うみべの くろくま」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「うみべの くろくま」を簡単にまとめてみました。
- 季節や行事の良さが感じられる「おはなし・くろくま」シリーズの海編
- 海に行くことが楽しみになるような描写や展開が魅力的
- 海の生き物が多く登場し、親しみを感じる事ができる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
海に行くのが楽しみになるゆったりとした雰囲気の作品です。
暑い夏の朝にくろくまくんは一人で海にやってきました。しかし、一人はちょっぴり退屈…そう思っていると海の向こうから「おーい くろくまくーん」と誰かが呼んでいます。
海から出てきたのは何といるか!いるかの背中に乗って一緒に海に遊びに行くことになりました。海の中は不思議がいっぱい。タツノオトシゴ、ウニ、クラゲにマンボウ…様々な生き物が住んでいます。
随分と遠くまできたので海の上に出ると氷の島が見えてきました。氷の島にはペンギンがいっぱい!くろくまくんといるかさんはぺんぎんたちと沢山遊びました。
もっと遊びたかったけど、お土産を持って帰る事にしました。元の場所に戻ってお土産を開けるとびっくり!中にはペンギンたちが入っていました!
夏らしさと海の生き物が楽しめる夏に読みたい一冊です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「うみべの くろくま」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 夏や海を題材にした乳児が楽しめる絵本を探している
- 海の生き物に興味を持ったり、親しみが感じられる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「うみべの くろくま」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
海で起こるドキドキストーリーが楽しめる「ノンタンおよぐのだいすき」
海で出会った小さな亀のお母さんを探す中で様々な出来事が起こる展開が楽しめる作品。ドキドキできる展開を楽しみながら描かれている海の生き物などにも興味が持てる夏にぴったりの一冊です。
ドキドキできる展開と共に海の生き物に触れたい時にはこちらをおすすめ。
仕掛けと想像が楽しめる名作「しろくまのパンツ」
仕掛けをめくりながら自分の履いていたパンツを探す展開。穴が開いているシンプルな仕掛けながらも思わずその先を想像したくなるような展開・作りが面白い作品です。
クマ繋がりで誰でも楽しみやすい絵本を探している時におすすめの一冊。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 海に行くことを楽しみにしたり、夏が楽しいものだと感じる
- 海の生き物の存在を知り、興味や関心を示す
目的・ねらい1
夏と言えば海!その海が楽しみになる展開です。
一人で海辺で遊んでいる所にイルカがやってきて、そこから海の中を探検したり、たくさんのペンギンに会う展開が聞き手をワクワクさせてくれます。
実際に海に行った時には「うみべの くろくま」のことを思い出してイルカの背中に乗って旅をする想像を楽しめたり、海に行かない場合でもいつか海に行ける期待を抱くきっかけになります。
海に行くことだけでなく、夏自体に楽しみを抱くことにも繋がっていくでしょう。
目的・ねらい2
普段はあまり見られない魅力的な海の生き物に興味深々です。
「うみべのくろくま」の中でも特に印象的なシーンはイルカの背中に乗って海の中を泳ぐシーン。クラゲ、マンボウ、イソギンチャク、タツノオトシゴなど、日頃の生活の中では中々見られない海の生き物が描かれています。
そんな様々な海の生き物たちにより集中できるように使われている色は白、黒、青の最小限。海の生き物だけに注目しながら海の中の世界観を楽しむ事ができます。
見慣れない生き物を見ているだけでもワクワクしますが、興味を持って名前などを質問する中で自然と親しみを抱くことにも繋がります。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児期、特に2歳児 |
季節 | 夏 |
行事 | 海水浴など |
対象年齢
2,3歳児頃がおすすめです。
シンプルな展開、文字量、最低限の色使いなど、乳児期からでも楽しめるような工夫が随所に感じられる作品です。
乳児期からでも最後まで集中して楽しめるボリュームと内容ですが、身の回りの様々なものに興味を持つ中で名前が覚えられるようになってくる2歳児頃が一番おすすめです。
時期・季節・行事
身の回りの生き物やモノの名前を覚え始めた頃がおすすめです。
普段の生活の中でよく目にする食べ物、動物、モノの名前などを楽しそうに言葉にする時期が訪れる事が予想されます。
名前を覚えて言葉にすることが楽しくなってきた頃に合わせて読むことで、これまでに見た事のないような海の生き物にも興味を示して、名前などを覚えることにも楽しみを感じる事ができるでしょう。
ストーリーが夏であることや海に行く話なので季節は夏。園の行事などと関連はありませんが、家庭で海水浴などに行く際には海水浴に行く前などに読むのにぴったりな作品です。
読み聞かせのポイント
「うみべの くろくま」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- ゆったりと穏やかな雰囲気を作って読みましょう
- 絵をじっくり楽しめる時間を作りましょう
ポイント1
作品全体の雰囲気が伝わるように。
「うみべのくろくま」は起承転結のあるストーリーが楽しめます。しかしながら、ドキドキするような展開ではなくゆったりと落ち着いた雰囲気が終始感じられる作品となっています。
読む速さを少し遅くしたり、声も少し柔らかくすることを意識すると聞き手にも本作の持つ雰囲気がより伝わりやすくなります。
ポイント2
じっくり見たいポイントは2つ!
夏の雰囲気や海の楽しさが感じられる内容もですが、「うみべのくろくま」は絵もじっくりと楽しみたい作品です。
特に海の中に入り様々な生き物が描かれているシーンとたんさくんのペンギンたちと遊んでいるシーンは見ごたえがあるので、他のページよりも時間を掛けて見せるように意識することをおすすめします。
集中して絵を見る事で絵の中から様々な情報を見つける楽しさも味わう事ができます。
まとめ・Ryuの感想
シンプルであるが故に夏や海を身近に感じやすい構成です。
驚くような展開もなく、文字量も多くない、そして青、黒、白だけで描かれた必要最低限な配色など、幅広い年齢・どんな子でも楽しみやすいような配慮がされている「うみべのくろくま」。
描写から感じられる夏らしさや海の生き物の魅力など、ストーリーを楽しむ中で自然と夏に期待を抱くことができたり、海の生き物に対して親しみを感じる事が出来る点も大きな魅力の1つです。
実際に読み聞かせをすると、やはり大きな反応があるのは海の生き物やぺんぎんたちと出会うシーン。「お魚さん!」と知っているものが登場すると喜んだり、年齢が上になってくると「マンボウもいる!」など自分の知っている事を周りに伝えるといった姿も見られます。
乳児期から幼児期まで幅広く楽しめ、落ち着いた雰囲気でゆったりとした夏を感じる事ができる一冊です。
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