【展開が楽しく読み易い】すいかのたね ばばばあちゃんのおはなし【現役保育士がレビュー】

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【3,4歳児おすすめ絵本】すいかのたね ばばばあちゃんのおはなし【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】

Ryu

「すいかのたね」は私が”スイカに親しみを感じ、食べる事を楽しみにして欲しい””展開の面白さを感じ、絵本の魅力を感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。

「すいかのたね」を通じて目指す子どもの姿
  • スイカを食べたいと感じる
  • 植物の成長や育てる事に興味を持つ
  • ストーリーの楽しさを感じ、絵本を好きになる

目次

作品紹介 

さとう わきこ
出版社福音館書店
発行日1987/9
値段¥990
大きさ・ページ数20×27cm/28P

「すいかのたね」はこんな絵本!

「すいかのたね」ってどんな内容の絵本?

 そんな疑問にお答えするために「すいかのたね」を簡単にまとめてみました。

  1. 40年近く愛される「ばばばあちゃんのおはなしシリーズ」の夏に読みたい作品
  2. スイカの種とのやり取りの中でスイカに興味を持ち、食べるのが待ち遠しくなる内容
  3. 絵本に慣れていない子でも親しみやすく、面白い展開が魅力的

まるわかりQ&A

「すいかのたね」を一言で表すと?

繰り返しや怒涛の展開が楽しめ、スイカを食べたくなる絵本!

子どもの反応は?

展開に驚いたり、スイカを食べる真似をしながら楽しむ!

ずばり何歳向け?

4歳児向け!

どんな人は買い?

夏に読みたいスイカに関する展開が面白い絵本を探している人!

あらすじ・ストーリー・内容

スイカを食べるのが待ち遠しくなる!キャラクターのやり取りが楽しい作品です。

 ばばばあちゃんは庭にスイカの種を撒き「美味しいスイカがなるように」と言いながら大事に土を掛けました。それを木の上で見ていた子猫は「大事そうに何か地面に隠したな」と思います。

 ばばばあちゃんがいなくなると早速子猫は木から下り、地面を掘ると出てきたのはたった1つの黒いスイカの種。「つまらない」と言って地面に埋めてしまいました。

 その様子を遠くで見ていたのは子犬。子犬は「子猫が何かいいものを埋めたな」と思い子猫が去った後に地面を掘りますが出てきたのは黒いスイカの種。また地面に埋めてしまいます。

 今度はその様子を見ていたうさぎも同じ事をします。そしてその様子を見ていたキツネも…。キツネがスイカの種にがっかりした後ばばばあちゃんが様子を見に来るとスイカの種が「いいかげんにしろ!芽を出すのはやめだやめだ!」と怒鳴っています。

 ばばばあちゃんは種がぐずぐずしているのがいけないと伝えると種は怒りプスンと弾けた。弾けた所から芽が出ると、怒った勢いでツルがどんどんどんどん伸びていきます。

 勢いの止まらないスイカは黄色い花を咲かせて、すぐにスイカの実もなっていきます。しまいにはばばばあちゃんの家の中に入ってきました。

 そしてばばばあちゃんに切られた時にも「これでもこれでも くだらん たねかい。え!」と怒鳴っています。最後は皆で美味しいスイカを食べました。

 後半に行くにつれて盛り上がる展開が楽しい一冊です。

こんな方におすすめ

以下の項目に当てはまる方に「すいかのたね」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。

  1. 幼児向けの夏に楽しめる絵本を探している
  2. 展開が楽しく、最後まで飽きずに集中しやすい絵本を探している

絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!

「すいかのたね」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!

愉快な妖怪が登場する名作物語「めっきらもっきらどおんどん」

 主人公が不思議な世界に迷い込み、3人の妖怪と楽しくも奇妙な時間を過ごすストーリー。その独特で不思議な世界観に子どもたちもみるみる引き込まれていきます。暗く奇妙ながらも魅力が詰まった絵本です。

 濃厚なストーリーや少し暗めのファンタジー系の雰囲気が楽しみたい時にはこちらをおすすめ。

涼しく落ち着いた海の世界が楽しめる「チリとチリリ うみのおはなし」

 チリとチリリが海の世界を探検するお話し。温かい描写や言葉の響きなどで本当に海にいるようなひんやりとした雰囲気が楽しめます。引き込まれるような展開も魅力的で、海の生き物にも興味を持てます。

 海の観点から夏らしさを感じたい時におすすめの一冊。

目的・ねらい

絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。

  1. スイカに興味を持ち、スイカを食べる事を待ち遠しく感じる
  2. 展開の面白さを感じ、絵本の魅力に気付いたり、興味を持つ

目的・ねらい1 

ストーリーを楽しむ中でスイカに親しみが持てます。

 「すいかのたね」は、ばばばあちゃんがスイカの種を埋めた事をきっかけにスイカの種とのやり取りを楽しんだり、スイカの実がなり、それを食べるなど、終始ストーリーにスイカが絡んでいます。

 対象年齢である3歳児以上の子に読む事を考えると既にスイカを知っている可能性は多くあるので、ストーリーを楽しむ中でスイカの存在を知るというよりは、知っている状態から更に興味を深めたりするのにぴったりな作品です。

 スイカの旬が夏である事も理解し、スイカだけでなく夏の訪れに対しても希望を持って楽しみにすることが予想されます。

目的・ねらい2  

展開がある絵本の楽しさがギュっと詰まった作品。

 ばばばあちゃんが種を埋めた後は子猫、子犬、うさぎ、キツネと動物たちが種を確認する同じような描写があり、繰り返しの楽しさを感じる事ができます。

繰り返しの単調とした展開が続く中でばばばあちゃんと種との言葉のやり取りがあった後は驚くほどの勢いでスイカが成長していきます。それまで淡々としていた中での急な展開なので、インパクトも大きく楽しさも倍増。

 最後は皆でスイカを食べて終わるという起承転結のハッキリとした展開で読み易く、理解しやすいのでまだ少し長めのストーリー絵本に慣れていない子でも楽しみやすい作品です。また、既に絵本に慣れている子も絵本の魅力を更に感じられるでしょう。

 

チェックポイント

現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。

年齢幼児期、特に4歳児
季節
行事スイカ割り、夏祭りなど

対象年齢

3,4歳児におすすめです。

 文の量は少し多めではありますが、展開がハッキリとしており、読み易い作品なので3歳児でも十分に楽しむ事ができます。

 しかし、4歳児に読んだ方が集中が最後まで続きやすい事や読むことでスイカへの興味が深まったり、植物の育ちなどへの興味が広がる可能性も秘めているので4歳児を最もおすすめの年齢としています。

時期・季節・行事

季節の名称や変化を理解した頃に読む事をおすすめします。

 春夏秋冬という季節の名前や季節が移り替わっていくことを理解してきた時期に読むことで、「そろそろ夏が来るからすいかが食べられる」といったように、季節の訪れも楽しみにすることが出来るようになります。

 スイカが食べられるという小さな楽しみですが、何かを楽しみにしながら日々生活していくのは子どもにとっても非常な大切な経験となります。

スイカに関する絵本なので、スイカの旬である夏、若しくは夏が訪れる前に読むことでスイカを食べることや夏が来ることを楽しみにすることができます。

 行事としては、家庭や園でスイカ割りなどのイベントがあるならその時に読むのがいいでしょう。夏祭りなどで夏らしさを感じたい時に読むのもおすすめです。

読み聞かせのポイント

「すいかのたね」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。

  1. 語りかけるように読みましょう
  2. 声を使い分け、会話は感情を込めて読みましょう

ポイント1  

語尾が特徴的な作品です。

 本作だけでなくばばばあちゃんのおはなしシリーズ全てにも言える事ではありますが、語尾が「~してしまったよ」「~だったんだ」といったような、聞き手に語りかけるような言葉になっています。

 状況を説明するだけの文よりもどことなく目の前の相手に対して言葉を投げかけているような文なので、読むときに目の前の聞き手に実際に話すように読むと、聞き手が絵本の中で行っている状況をより深く理解しながら楽しめるようになるでしょう。

 対面で読み聞かせをする状況で余裕があれば聞き手の目を見ながら読むと、聞き手も頷きながら話しに入り込む事ができます。

ポイント2

言葉のやり取りも楽しい要素の1つ!

 文の量は少し多いもののそれぞれの動物の言葉は少なめです。なので、動物たちの言葉は少し声を使い分けて読むとちょっとしたアクセントになります。

 登場するキャラクター同士の会話は殆どありませんが、ばばばあちゃんとスイカの種とのやり取りは「すいかのたね」の中でも盛り上がる場面の1つ。

 スイカの種の怒りの感情やばばばあちゃんのちょっと意地悪っぽい気持ちを表現すると実際に会話を聞いているような楽しさを味わう事ができるので、意識して読み分ける事をおすすめします。

まとめ・Ryuの感想

とにかく展開が楽しい!ストーリー系の絵本の中でも盛り上がれる作品です。

 最初は落ち着いた雰囲気のある展開ですが、後半に行くにつれてどんどん盛り上がりを見せる流れは聞いていて飽きがきにくく、少し長めのストーリーではあるもののとても読み易いのが魅力的。

 幼児期に楽しむようなちょっと長い絵本がまだ苦手という子に読むと、ストーリー系の絵本の楽しさを知る良いきっかけになります。また、絵本に集中する経験も出来るので今後長めの絵本を読むときの助けにもなる一冊です。

 実際に読み聞かせをすると最初の動物たちが種を交互に見る場面では「またー!」と繰り返しの要素を楽しんだり、後半のスイカがどんどん出てくる場面では「えー!」と言って大盛り上がり。読み終えた後は「スイカ好き!」「スイカ食べたい!」といった声も聞こえます。

 絵本の魅力だけでなく、スイカを食べることや夏が待ち遠しくなったり、植物の成長などについても興味を持つきっかけとなる魅力の詰まった作品です。

Ryu

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