【夏×植物×虫の視点が楽しい】じっちょりんのなつのいちにち【現役保育士がレビュー】

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【4,5歳児おすすめ絵本】じっちょりんのなつのいちにち【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】

Ryu

「じっちょりんのなつのいちにち」は私が”自分とは違う生き物になった気分や視点を想像しながら楽しんで欲しい””夏に関連する植物に興味を持って欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。

「じっちょりんのなつのいちにち」を通じて目指す子どもの姿
  • 夏の気分を感じたり、夏を楽しみにする
  • 自分が小さくなったことなどを想像する楽しさを感じる
  • 植物の種類や名前に興味を持つ
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目次

作品紹介 

かとう あじゅ
出版社文溪堂
発行日2013/7
値段¥1430
大きさ・ページ数26.3×22cm/32P

「じっちょりんのなつのいちにち」はこんな絵本!

「じっちょりんのなつのいちにち」ってどんな内容の絵本?

 そんな疑問にお答えするために「じっちょりんのなつのいちにち」を簡単にまとめてみました。

  1. 季節感や季節の花を楽しめる「じっちょりんシリーズ」の夏編
  2. 虫の視点での世界が様々な想像を掻き立てる作品
  3. 植物の名前が書かれていて、植物に興味を持つきっかけになる

まるわかりQ&A

「じっちょりんのなつのいちにち」を一言で表すと?

虫から見た世界観で夏らしさが至る所に感じられる絵本!

子どもの反応は?

展開を楽しんだり、植物の名前を聞きながら楽しむ!

ずばり何歳向け?

5歳児向け!

どんな人は買い?

ストーリーの中で植物に触れられる夏向けの絵本を探している人!

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あらすじ・ストーリー・内容

夏らしさが感じられる描写・雰囲気を楽しみながらじっちょりん家族の一日を観察できます。

 のんくんの家の下に住んでいるとても小さな虫のようなじっちょりん家族。朝ごはんを食べると様々な種のストックがなくなってきたので、種探しに出かけました。

 太陽がじりじり照り付けて暑いので日陰を通りながら歩いていくと、公園にある噴水で沢山の子どもたちが遊んでいます。喉が渇いたじっちょりんは水を飲みに行こうとしましたが、子どもがいっぱいで行けません。

 そうしていると急に雨が降り始めました。皆は花瓶に生えているホオズキの花の中に入って雨宿りをすることに。中に入ってみると丸い実があり、じっちょりんはパクリ。種は残しておいて種カバンにしまっておきます。

 雨が上がりホオズキの中から出ると妹とお兄ちゃんじっちょりんが落ちた所は猫のしっぽの上!そのまま猫はどこかに行ってしまいます。

 パパとママに会えない妹は泣いてしまいますが、ヒメジョオンやハゼランなどの花を見ている内にパパとママがのんくんの靴の上に乗っかって帰ってきました。猫はのんくんの家の猫だったのです。

皆で庭に種を植えた後、のんくんの家族は花火を始めました。じっちょりん家族は縁の下から綺麗な花火を見て楽しみました。

 小さな生き物になったような気分が楽しめる夏に読みたい一冊です。

 

こんな方におすすめ

以下の項目に当てはまる方に「じっちょりんのなつのいちにち」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。

  1. ストーリーを楽しみながら夏らしさが感じられる幼児向けの絵本を探している
  2. 自然と植物に興味を持てる絵本を探している

絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!

「じっちょりんのなつのいちにち」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!

楽しい展開と共にスイカに興味が持てる「すいかのたね」

 ばばばあちゃんのおはなしシリーズの1つで、動物たちやばばばあちゃんとすいかの種とのやり取りが楽しめる作品。前半は繰り返しが楽しい落ち着いた展開からの後半は怒涛の展開があり、ストーリーに引き込まれます。

 起承転結のハッキリした展開の楽しさを感じたい時にはこちらをおすすめ。

地面の下の世界に目を向けられる「じめんのうえとじめんのした」

 地面の下にある植物の根や生き物を地面の断面図と共に紹介している作品。野菜や木の根の伸び方や土の中には空気や水が入っている事が描かれており、そこから栄養を得ていることなど自然の有難みにも気付くことが出来ます。

 植物や自然の仕組みなどをより深く知りたい時におすすめの一冊。

目的・ねらい

絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。

  1. 自分とは違う視点になって物事を想像することを楽しむ
  2. 植物の名前を知る中で興味を持つ

目的・ねらい1 

虫の視点での世界が新しい発見を生んでくれます。

 「じっちょりんのなつのいちにち」は人間の視点ではなく、主人公であるじっちょりんの家族から見た視点で物事や周りの環境が描かれているのが特徴です。

 普段何気なく見ている花や生き物、雨粒も虫から見たらとてつもなく大きく、見え方も変わってきます。そんな普段とは違った視点から世界がどのように見えるのかを考えたり、想像するだけでもワクワクしてしまいます。

 「虫から見たらどう見えるんだろう…」と想像する中で想像力が豊かになるだけでなく、相手の立場になって考えるという人間関係の構築にとても大切な経験も自然と経ることができます。

目的・ねらい2  

夏に見られる植物が名前付きでいっぱい登場!

 本作の特徴として季節感を出すための1つの方法として夏に関連する花や植物が描かれています。絵だけではなくその植物の近くには文字でその植物の名前が書かれているので、ストーリーを楽しむ中で自然と植物の名前と見た目を知る事ができます。

 スベリヒユ、ネジバナ、アカバナユウゲショウ、ツユクサ…などなど普段あまり耳にしない10種類以上の植物が描かれています。

 知的好奇心が増してくる幼児期の子に読むことで絵本を楽しむ中で自然と植物への関心も持つ事が出来る点が魅力的です。

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チェックポイント

現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。

年齢幼児期、特に5歳児
季節
行事関係なく楽しめる

対象年齢

4,5歳児がおすすめです。

 文の量や少し長めのストーリーなどを考えると乳児期の子に読んでも最後まで集中が持ちません。

 幼児期の子でも特に身の回りの事や様々な分野に興味を示す事が予想される5歳児に読む事で、絵本の内容を楽しむだけでなく、植物に関する興味や知識を得る事が出来るでしょう。

時期・季節・行事

季節に関連する物事に興味を持ったり、覚え始めた頃がおすすめです。

 幼児期にもなると季節の流れを理解してきます。そして、4,5歳児の頃には春は桜、夏は海、秋はどんぐり、冬は雪などの季節に関連する物事も覚え、季節への関心や理解が深まります。

 季節に関する物事を覚え始めたり、関連づけができるようになった頃に合わせて読むことで「じっちょりんのなつのいちにち」に登場する植物も夏に関連づけて興味を持つ事が出来るでしょう。

 季節はタイトルの通り夏、行事と関連する描写はないのでいつ読んでも楽しめます。夏に外に行く機会があれば遠足などの前に読むと覚えた植物を実際に発見する喜びを味わう事ができます。

読み聞かせのポイント

「じっちょりんのなつのいちにち」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。

  1. 話している言葉と会話を引き立たせて読みましょう
  2. 聞き手の様子を見ながら植物にも触れてみましょう

ポイント1  

会話をアクセントにして流れに抑揚をつける!

 「じっちょりんのなつのいちにち」の文の多くは絵本の展開を説明するナレーション的要素。しかし、その中にもじっちょりんたちが発した言葉や会話が所々に散りばめられています。

 文をずっと淡々と読むよりも発した言葉や会話だけでも少し声色を変えたり、感情を込めることで聞き手の気持ちを離さない助けになったり、展開を理解する助けになります。

 大きなどんでん返しがあるような内容ではないため大袈裟に声を変えたりすると却って作品の雰囲気を壊してしまう可能性もあるので、ほどほどで読むことをお勧めします。

ポイント2

絵も楽しませることを意識して読むのがおすすめです。

 本作の大きな魅力の1つに細部まで丁寧に描かれた絵もあげられます。隅々まで何かしらが描かれていたり、花の線1つ1つもしっかり描かれていたりと絵を見るだけでも十分に楽しい作品です。

 そして、聞き手が花の存在に気付いてじっと見ていたり、「これ何の花?」などの質問をした時には「これは○○っていうお花だよ」と伝えることで植物への興味が深まるだけでなく、絵本を通して聞き手と読み手のやり取りも楽しめる作品になります。

 無理やり伝える必要はないので興味がないようだったらそのまま文を読むのもいいですし、絵を楽しむために1ページ1ページ少し長めに読むのもおすすめです。

まとめ・Ryuの感想

植物から夏が感じられる珍しくも夏らしさが詰まった作品です。

 夏と聞くと海やアイス、花火などをイメージすることが多いと思いますが、本作は植物に焦点を当てて夏らしさを演出しているのがユニークで魅力的。もちろん、夏らしい青々とした空や水遊び、花火といった描写もありますが、花の名前まで丁寧に書かれているのは他にはない特徴です。

 また、じっちょりんという小さい生き物の目線で世界が描かれているのも想像力を掻き立てられます。我々がよく目にする日常の1コマであっても見え方が違うだけで冒険のように感じられるのも大きな魅力の1つでしょう。

 実際に読み聞かせをすると絵をじっと見ている子が多いのが印象的に残っています。また、猫の背中に乗ってどこかに行ってしまう場面では驚いたり、花火が描かれている時には「綺麗!」と言ったりと、様々な反応が見られました。

 ストーリーが楽しいことは勿論、夏らしさが感じられたり、植物にも興味が持てたり、いつもと違う目線で世界を楽しめる。そんな楽しさいっぱいの絵本です。

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