【3歳,4歳おすすめ絵本】ねこのはなびや【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
Ryu『ねこのはなびや』は、ねこの花火師たちが色とりどりの花火を打ち上げる、ダイナミックな仕掛け絵本です。対象年齢は3歳ごろから。夏の雰囲気を感じてほしい色彩感覚が豊かになってほしいという願いを持って読むことが多い一冊です。
| 対象年齢 | 3歳〜 |
| 季節 | 夏(お盆のころ) |
| 行事 | 夏祭り会など |
| 主なねらい | 花火を知り、夏の雰囲気を感じる/色の美しさを感じ、色彩感覚を養う |
| ひとことで言うと | ねこたちの花火大会を、大きな仕掛けで体感できる色彩豊かな絵本 |
『ねこのはなびや』はどんな絵本?あらすじ


渡辺有一さんが文と絵を手がける、花火をテーマにした仕掛け絵本です。フレーベル館から刊行されています。
あらすじ
夏の夜、男気あふれるねこたちによる花火大会が開かれます。どの組が一番の花火を打ち上げられるかを競い合う、真剣勝負の始まりです。
しろねこ組、くろねこ組、とらねこ組と、それぞれの組が特徴的な花火で勝負します。しろねこ組は王道の色彩豊かな花火、くろねこ組は早打ちで勝負、とらねこ組は生き物の形をした花火で観客を沸かせます。
幻想的な花火を楽しんだあとは、三組が力を合わせて一緒にナイアガラを打ち上げます。どの組が一番きれいだったのかは、人それぞれ違います。絵本を大きく使った終盤の仕掛けに圧倒され、子どもの心は奪われてしまいます。
書誌情報
| 作 | 渡辺有一さん |
| 絵 | 渡辺有一さん |
| 出版社 | フレーベル館 |
| 発行日 | 2001年6月 |
| 値段 | ¥1,320(税込) |
| ページ数 | 32P |
保育士から見た『ねこのはなびや』の使いどころ


夏の風物詩を、色彩と仕掛けで体感できる一冊です。
なぜこの年齢に響くか
この絵本は絵を楽しむ本なので、どの年齢でも楽しめます。ただ、「綺麗」「すごい」といった感覚や感情がよりはっきりと表れるのは幼児期からです。3歳以降は、花火の美しさや迫力をより深く味わえるようになります。
一概には言えませんが、私が現場で実際に読み聞かせをする中で、3歳児の反応が一番良かったです。色が次々に変わる花火と、終盤の大きな仕掛けが、3歳児の「見たい」「触れたい」という気持ちにぴったり合います。
なぜ説教にならないか
花火の仕組みや夏の過ごし方を教える場面はなく、ねこたちが花火の腕を競い合う様子がそのまま描かれているため、押しつけがましさがありません。
どの組が一番きれいだったかも、絵本の中では決められません。しろねこ組・くろねこ組・とらねこ組のどれが好きかは、聞き手の子ども自身が決めることができます。
向いていない場面
短時間でさっと読み終えたい場面には不向きです。この絵本は、絵の隅々まで描き込まれているので、1ページごとに時間をかけてじっくり見ることで、本来の魅力を味わえます。


『ねこのはなびや』のねらい【指導案にそのまま使えます】


『ねこのはなびや』の主なねらいは、「花火がどのようなものかを知り、夏の雰囲気を感じること」と「様々な色を見て、色の美しさを感じること」の2つです。保育のねらいとして設定する場合の文例も、このあと掲載しています。
ねらい① 花火がどのようなものかを知り、夏の雰囲気を感じる
昨今の状況もあって、実際に花火を見たことがない子どもも多くいます。そんな子どもにも、花火がどのようなものなのかを視覚で理解するきっかけを作ってくれます。
動画で見るのもよいのですが、まずは親しみのある絵本を通じて花火を知ると、より興味を持てるようになります。花火=夏というイメージ作りにも一役買い、読んでいるときの子どもは、夏の気持ちを味わっています。
ねらい② 様々な色を見て、色の美しさを感じる
どの花火も色を丁寧に使い分けながら描かれています。どの色を組み合わせたら綺麗に見えるのか、そんな難しいことを絵本が自然と教えてくれます。
実際の花火では作ることができない色も、絵本なら表現できます。様々な色彩に触れることで、色彩感覚が豊かに育まれていきます。
指導案の文例(コピーしてお使いください)
- ねらい:ねこたちが打ち上げる色とりどりの花火を通して、花火に親しみ、夏の雰囲気と色の美しさを感じる。
- 内容:しろねこ組・くろねこ組・とらねこ組の花火を楽しみ、最後のナイアガラの仕掛けを見て、花火の迫力を味わう。
- 予想される子どもの姿:折り畳まれたページが開くと「うわー!」「すごい!」と歓声を上げる。好きな花火を見つけて指さす子もいる。
- 保育者の援助:1ページずつ子どもが満足するまで時間をかけて読む。子どもの感想を待ち、「綺麗」などの言葉が出たときに共感する。
『ねこのはなびや』は何歳から?対象年齢と読むタイミング


3歳頃からがおすすめです。絵を楽しむ本なので幅広い年齢で楽しめますが、「綺麗」「すごい」という感覚が表れる幼児期以降だと、より楽しめます。
| 2歳児 | 色鮮やかな絵を眺めて楽しむ時期 |
| 3歳児(最も響く年齢) | 花火の美しさや仕掛けの迫力に歓声を上げて楽しめる時期 |
| 4〜5歳児 | 三つの組の花火の違いを見比べて、好みを話せる時期 |
読むタイミング
季節としては、やはり夏、お盆のころがおすすめです。最近は秋や冬に花火を行うところもありますが、花火のイメージはやはり夏です。夏祭り会などの行事の前後に読むのにも向いています。
子どもに夏の風物詩として覚えてもらうためにも、夏に読むのがよいでしょう。花火を見た翌日などに読むと、実際に見た花火を思い出して、話が盛り上がること間違いなしです。色の名前を覚え始め、色に関心を持ってきた頃に読むと、さらに楽しみが広がります。


『ねこのはなびや』読み聞かせのポイント2つ


①絵を楽しめるように1ページずつ時間をかける
この作品のメインは色彩です。壮大な花火を心から楽しめるように、子どもたちが満足するまで、そのページに留まってあげましょう。
花火だけでなく、ねこたちも絵本の隅々までしっかり描かれています。大人が考えるよりも長く1ページに時間をかけると、より楽しめます。
②読み手の主観を伝えずに読む
読んでいると、ついつい「すごいね」といった読み手の感想を伝えてしまいそうになります。しかし、どう感じるかは子どもが決めることで、読み手の感想は絵本の世界を遮ってしまう可能性もあります。
子どもが「綺麗」と自分から言ったときに、初めて「そうだね。綺麗だね」と共感してあげましょう。自分の気持ちを伝えないのが原則です。
『ねこのはなびや』と似ている絵本・次に読むなら


なつのおとずれ
すいか、アイスクリーム、かき氷、扇風機など、夏のモノが夏に向けて走り出す絵本です。「だるまさん」シリーズのかがくいひろしさんによる、コミカルな展開が楽しめます。


いろいろいろのほん
それぞれの色が紹介され、混ぜたら何色になるかを試せる絵本です。「ねこのはなびや」と同じく、色の美しさを感じられる、色遊び系の名作です。
『ねこのはなびや』のよくある質問
まとめ:夏に一度は読みたい、歓声が上がる花火の絵本


- 「ねこのはなびや」はねこたちの花火大会を仕掛けで体感できる3歳からの夏の絵本
- 花火を知って夏の雰囲気を感じる体験と、色彩感覚が豊かに育まれる
- お盆のころや夏祭り会の前後に、1ページずつ時間をかけて読むのがおすすめ



個人的に大好きな花火の絵本で、読むたびに子どもたちから歓声が上がります。特に、折り畳まれたページを広げて一面に花火が描かれる場面は、花火の壮大さを仕掛けでうまく表現していて素晴らしいと思います。夏に一度は読みたい一冊です。
この記事を書いた人
Ryu(保育士)
保育士歴10年以上。現在はインターナショナルスクール形式の保育園を運営し、今も毎日子どもたちに読み聞かせを行っています。年齢ごとの発達に合わせた絵本選びと、保育のねらいに基づいた読み聞かせを得意としています。当ブログでは、実際に現場で読んだ絵本だけを紹介しています。









