【3,4歳児おすすめ絵本】100かいだてのいえ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「100かいだてのいえ」は私が””絵をじっくり楽しみながら集中力や想像力が豊かになって欲しい”数字の存在に気付き、興味を示して欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 絵をじっくり見て絵の楽しさに気付く
- 次の展開を想像し、想像する楽しさを感じる
- 数字の存在に気付き、数えてみようとする
作品紹介
「100かいだてのいえ」はこんな絵本!
「100かいだてのいえ」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「100かいだてのいえ」を簡単にまとめてみました。
- シリーズ累計400万部を超える「100かいだてのいえ」シリーズの第一作目
- 絵本を縦にして読む事で高さを表現している視覚的にも楽しい絵本
- 丁寧な絵を楽しむ中で数字にも親しみが感じられる構成が魅力的
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
様々な生き物たちと出会いながら数を楽しむ事ができる絵本です。
トチくんという星を見る事が好きな男の子の元に「100階建ての家のてっぺんに住んでいます。遊びに来てください」というお手紙が来ました。興味を持ったトチくんは地図を頼りに行ってみる事にしました。
森の中を歩いていくと上の方が霞んで見えるほど大きな家につきました。トチくんが入ってみると1階から10階はどうやらネズミさんのお家の様です。食事をしたり、お風呂に入ったり、テレビを見ているネズミがいます。
トチくんが10階まで上がり階段を上ると今度はリスさんの家に。どうやら10階毎に違う生き物が住んでいるようです。11階から20階では、どんぐりの重さを比べたり、盆栽を楽しんでいるリスがいます。さて、21階からは誰が住んでいるのでしょう。
階段を上ると今度はカエルさん。それからどんどんどんどん上って行き、31階からはテントウムシ、41階からはヘビ、次はハチ、、キツツキ、コウモリ、カタツムリ、そして91階からはクモ!
いよいよ100階まで到着すると、そこにいたのはクモの王子さまでした。そこには大きな望遠鏡もあります。100階建てのてっぺんから見る星はとっても綺麗です。
帰りはエレベーターに乗せてもらう事になり、ピューっとあっという間に地面につきました。最後にトチくんはクモの王子様に今度は自分の家に来てねとお手紙を書きました。
一人でも、大人と一緒でもワクワクしながら楽しめる名作です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「100かいだてのいえ」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 絵の良さを感じながら、集中力が高まる絵本を探している
- 数字の存在に気付いたり、興味を深められる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「100かいだてのいえ」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
楽しく数に触れる事ができる「かずのえほん」
優しいタッチで描かれた生き物を数えながら楽しむ絵本。子ども自身が「数えたい!」という主体的な思いを持って読むことができます。数えることを楽しめるようになったら読みたい一冊。
100まで数えることがまだ難しい時に、数に触れる機会としておすすめしたい作品です。
楽しみながら色、食べ物などに興味を持てる「はらぺこあおむし」
はらぺこなあおむしが生まれ、たくさん食べ物を食べて蝶々になるストーリー。楽しみながら曜日、数字、色が学ぶことができます。乳幼児期に一度は必ず読みたい名作。
数字だけでなく、曜日や色なども一緒に楽しみたい時におすすめの一冊です。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 絵を楽しむ中で、絵の良さに気付いたり、集中して見ようとする
- 数字の存在に気付き、数字の魅力や数える楽しさを知る
目的・ねらい1
丁寧に描かれている各階の絵が非常に魅力的です。
「100かいだてのいえ」は、絵本を縦に見て高さを表現している見た目のインパクトもさることながら生き物たちを丁寧に描いている絵も大きな魅力の1つです。
ただ100階の大きさを伝えるだけではなく、絵をしっかり見ると100階までの全ての階層にそれぞれのストーリーが感じられる工夫がされています。そんな丁寧な絵を見ていると絵の魅力に気付けるだけでなく、じっくりと絵を見る中で自然と集中する体験も経る事ができます。
鮮やかな色使いも色彩感覚を養うのにぴったりな絵本となっています。
目的・ねらい2
さり気なく書かれている数字を数える楽しさも味わえます。
各階層に何階であるかの数字が書かれているので、絵本の内容や絵を楽しむ中で自然と数字に触れる事ができるのも魅力的。数字を意識していなくても数字の存在を認知できるようになります。
最初は絵本の内容だけを楽しむ事が多いのですが、何度も読んでいると今度は数字を数えるだけという楽しみ方を見つける子も少なくありません。子どもにとって数える行為は魅力がいっぱい詰まっています。
数字を覚える事を押し付けるのではなく、絵本を楽しむ中で自然と覚えられるというのが素敵なポイントです。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に3歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
幼児期以降におすすめです。
視覚的な楽しみが多く、言葉や内容などを抜きにしても絵だけで十分楽しむ事ができる作品ですが、100階までしっかり見ると結構な集中力を要する事や数字の楽しさを十分に感じられる年齢を考えると3歳児以降に読むのがいいでしょう。
ただ、見た目でも楽しい絵本なので異年齢児がいる空間・時間などにも読むことで乳児期の子は絵を、幼児期の子は数字などを楽しむといった違った楽しみを見つけられる作品になっています。
時期・季節・行事
100という数字の存在を認識し始めた頃がおすすめです。
1歳児では10ぐらい、2歳児では10以上の数、そして3歳児以降はより大きな数を数える楽しさを知り、数字に対する興味が深まっていきます。
「100かいだてのいえ」は文字通り100までの数を楽しめる作品となっているので日常の生活の中で100という数字や言葉を知ったタイミングに読むことで視覚的に100の大きさなどを実感できるようになります。
季節や行事との関連性はなく一年を通して楽しめる作品です。
読み聞かせのポイント
「100かいだてのいえ」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 1ページ1ページをじっくり、聞き手の様子を見ながら読みましょう
- 聞き手とのやり取りも楽しみながら読みましょう
ポイント1
魅力あふれる絵をゆっくりと見れるように意識する!
1階1階丁寧に描かれている絵とは対照的に文字は最低限のものだけで、絵に集中できる工夫がされています。
文字を読み終えたタイミングで次のページに進んでしまうと聞き手がまだ絵を楽しんでいる途中でページをめくってしまう可能性が大いに考えられます。
聞き手がまだ絵を見て楽しんでいる様子がうかがえたら次のページには行かず、絵を楽しむ時間を十分設けてからページをめくるように意識するといいでしょう。
ポイント2
聞き手の反応にも応えながら読むと更に楽しめます。
聞き手が内容や絵を楽しんでいる際に「ヘビがお風呂に入ってる!」「カタツムリはカラフルで綺麗!」「100階は誰がいるんだろう」などなど、様々な反応をすることが予想されます。
聞き手の反応を拾わずそのまま読み進めるのも1つの読み方ではありますが、個人的には聞き手の反応に「ヘビのお風呂はシャワーがいっぱいだね」「虹色のぐるぐるの部屋もあるね」「100階は鳥さんだと思うな」など、返しながら読むことをお勧めします。
反応する事によって聞き手と読み手との間にやり取りが生まれ、そのやり取りもまた1つの楽しみになったり、読み手の反応を聞くことによって更に絵を見るきっかけになったりします。
まとめ・Ryuの感想
一度は読んでおきたい絵本の楽しさが詰まった名作です。
本作「100かいだてのいえ」だけでなく、「100かいだてのいえ」シリーズは絵本を縦に読む事によって高さや深さを視覚的に分かりやすく表現しているのが特徴で、子どもの前に初めて出すと「おお!」「おっきい!」などの歓声が上がるほどです。
内容もシンプルで分かりやすく、どんどん上に登っていくドキドキも味わいながら楽しめますし、何より絵を眺めているだけでも楽しい!
読み聞かせをする時の聞き手の反応も良く絵から読み取った情報を声に出して楽しんでいます。また、一対一で読むのにも適した作品で、一対一で読むことで子どもと大人だけのゆったりとした時間を共有する事ができます。
こんなに魅力のある作品を楽しむ中で自然と数字にも親しみが持てるのは、まさに一石二鳥の作品です。
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