【3,4歳児おすすめ絵本】ぼくはひこうき【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
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「ぼくはひこうき」は私が”絵本の人物と自己を重ねる体験を楽しんで欲しい””ストーリーの楽しさを知り、絵本をもっと好きになって欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 絵本に自己投影する体験を楽しむ
- ストーリーの楽しさを知り、絵本を好きになる
- 家族・身近な人の温かさを感じる
作品紹介
「ぼくはひこうき」はこんな絵本!
「ぼくはひこうき」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「ぼくはひこうき」を簡単にまとめてみました。
- 様々な賞を受賞している”はっとり ひろき”さんの飛行機を題材にした絵本
- まるで飛行機になった気分が味わえる入り込みやすい構成が魅力的
- ストーリーが分かりやすく、絵本の魅力に気付きやすい作品
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
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飛行機になった気分が味わえる!世界観に引き込まれる作品。
たろうくんは窓の外の飛行機を眺めています。そしてお父さんに「僕も飛行機みたいに飛んでみたい」とお願いします。するとお父さんは「一緒に飛んでみようか」と、たろうくんを呼びます。
たろうくんはお父さんの脚の上に乗り飛行機の体制を取ると部屋は飛行場へと変わり”たろうごう”は勢いよく走り出します。そして「ドーン!」と勢いよく空へ飛び出しました。
たろうごうは海の上を飛んでいき、街を見つけます。街の中もびゅんびゅん飛び奥に見える山へ向かって街中をすり抜けます。山にたどり着くとゴロゴロと雷が鳴ってきました。それでもぐんぐんと雲に向かって飛んでいきます。
ピカピカピカ!ゴロゴロゴロ!と雷が鳴り「こわくない…」と自分に言い聞かせ雲の隙間から見える光に向かって飛ぶと…「びゅーん!」と青空へ飛び出す事ができました。
誰もいない空をゆったりと飛んでいたたろうごうですが、「ぐぅ~ぐぅ~」とたろうくんのお腹がなり、力が出なくなってしまいました。たろうくんはどんどんどんどん落ちて行きます。
海にもかすりながら飛行場を目指して飛び何とか着陸!気が付くとお父さんの胸に飛び込んでいました。とっても楽しかったたろうくんは「もう一回!」とお父さんにお願いします。
何度も読みたくなるクセになる楽しさが詰まった作品です。
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こんな方におすすめ
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以下の項目に当てはまる方に「ぼくはひこうき」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 自分を絵本の世界に投影しやすい絵本を探している
- 分かりやすい展開でストーリーの魅力が伝わりやすい絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「ぼくはひこうき」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
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うさぎの気分を味わいながら想像や発想が楽しめる「わたしのワンピース」
うさぎが着ている白いワンピースが周りの環境や生き物によって色や模様が変わっていくお話し。ワンピースがどんな模様になるのか想像しながら自分事のように楽しめる名作です。
「ぼくはひこうき」よりも低年齢児向けでゆったりとした温かみを感じたい時におすすめの一冊。
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自分を絵本に投影し共感できる「はじめてのおつかい」
230万部を超える名作。えりちゃんがおつかいを頼まれて、様々な困難を乗り越えていくお話。自己有能感、不安、葛藤など子どもが共感できる描写が盛りだくさんの絵本です。
「ぼくはひこうき」 より長め・濃厚なストーリーを楽しみたい時におすすめの作品。
目的・ねらい
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絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 自己と登場人物を重ねる体験を楽しむ
- ストーリーの楽しさを感じ、絵本の魅力に気付く
目的・ねらい1
年齢・性別関係なく自己投影が楽しめる!
個人的に「ぼくはひこうき」の最大の魅力だと感じているのは絵本の世界への入り込み易さ。構図や言葉が巧みに合わさり、聞き手は一瞬で引き込まれます。
本作は主人公であるたろうくんが飛行機になる想像の世界を楽しむ話なので、聞き手はたろうくんと自己を重ね、同じように飛行機になったような感覚で楽しむ事ができます。
自分を他者に重ねる事は相手の気持ちの理解への第一歩。飛行機になりきって絵本を楽しむ中で自然と他人の気持ちを理解する練習体験にも繋がっています。
目的・ねらい2
分かりやすい展開・ストーリーで絵本の魅力がよく感じられます。
「ぼくはひこうき」は最初から最後まで話が繋がっているので話の繋がりを理解する必要があります。繋がりを理解したり、最後まで集中力を保ち話を聞くのは中々大変なこと。
ですが、まだストーリー系の絵本にも慣れていない子でも親しみやすい、聞きやすいように「飛行機」という大きな題材からぶれていない展開や主に登場するのはたろうくん一人という登場人物の少なさも相まって非常に理解しやすいストーリーとなっています。
分かりやすい構成であるが故に絵本に慣れていない子でも絵本の魅力に気付けるきっかけになり得ますし、誰しもが親しみやすく絵本の世界の窓口になってくれるような作品です。
チェックポイント
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現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に3歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
3歳児前後がおすすめです。
とても分かりやすい構成の作品ですが、最初から最後まで繋がりのあるストーリーや自分を登場人物に重ねる事で魅力が更に深まる作品。なので、集中力が持続できたり、自己投影ができるようになってくる幼児期におすすめです。
内容や絵本の長さなどを考えると幼児期の中でも特に3歳児頃に読み、絵本の魅力に気付いてもらうのにぴったりな作品となっています。
時期・季節・行事
おままごとやごっこ遊びでなりきる様子が見られた頃がおすすめです。
遊びの中で自分の想像しているモノになりきるような姿が見られたら、それは自分のイメージするモノに自己を投影できている証拠。そんな時期に合わせて読む事で「ぼくはひこうき」の魅力を100%感じる事ができるでしょう。
また、本作を通じて何かになりきる経験もできるので本作がきっかけとなり、おままごとやごっこ遊びが更に深まる可能性も秘めています。
季節や行事と関係する描写や内容ではないので、一年中いつでも、子どもの様子に合わせて楽しむ事ができます。
読み聞かせのポイント
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「ぼくはひこうき」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 場面によって緩急をつけて読みましょう
- たろうくんの感情を想像しながら読みましょう
ポイント1
加速・安定・減速!まさに飛行機のような展開に合わせて読む!
「ぼくはひこうき」はたろうごうが飛ぶ前の加速感や勢い、飛んでいる時の疾走感や安定感、落ちていくときの減速感など場面によってストーリーの勢いの波が大きく感じられる作品です。
展開の勢いに応じて読む速さや声の大きさなどを多少意識するだけでも場面ごとの雰囲気が大きく変わってくるので、勢いがある時は少し早く大きな声で、安定している時はゆったりと読む事をおすすめします。
読み方を少し変えるだけで聞き手の入り込み方が変わってきます。
ポイント2
イキイキして感情がよく表れているたろうくんの言葉も魅力の1つ。
場面によってたろうくんの感情が分かりやすく表現されているのも「ぼくはひこうき」の特徴で魅力があります。
空に飛び立った時の「とんだー!ほんとにとんだー!」の喜び、「ひゃーきもちいいー!」と飛びながら言っているワクワク、雷が鳴って怖いと感じる「ちょっとこわいなぁ…」など、描写と言葉でたろうくんのそのシーンの気持ちが的確に書かれています。
特に感情を込めなくても聞き手はたろうくんの気持ちを読み取る事はできますが、読み手が少し感情を込めて読むことで更に臨場感が味わえ、一段と作品の中に引き込まれるので意識して読んでみましょう。
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まとめ・Ryuの感想
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とにかく引き込まれる。子どもから大人気の絵本。
絵本の世界に引き込まれるなんて大げさだと思うかもしれませんが、「ぼくはひこうき」は多くの子が実際に飛行機になったような気分で楽しんでいる事が感じられる作品です。
読み聞かせをしている時も場面に合わせて、雲を抜けた時は「びゅーん!」と言ったり、落ちそうな時には「うわー!」と一緒に言いながら楽しんでいます。
私は絵には詳しくありませんが、個人的には絵の構図が非常に魅力的だと感じていて、見ていると自然と引き込まれてしまうような描き方がされているように思います。
そして何より「ぼくはひこうき」を読んだ後はほぼ決まって子どもたちが「楽しかった」と感想を述べているのが、本作がいかに入り込みやすく楽しい作品であるかを物語っているように思います。
自己投影の体験をしたいなら「ぼくはひこうき」で決まりです!
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