【2,3歳児おすすめ絵本】きょうりゅうかくれんぼ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「きょうりゅうかくれんぼ」は私が”楽しみながら集中力が身について欲しい””恐竜に親しみを感じ、興味を持って欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 集中する経験を楽しめる
- 恐竜の名前を知り、親しみを感じる
- 自主的に絵本に触れ、読もうとする
作品紹介
作 | アレックス・ラティマー |
訳 | 聞かせ屋。けいたろう |
出版社 | KADOKAWA |
発行日 | 2022 | /10
値段 | ¥1540 |
大きさ・ページ数 | 27×22.7cm | /32P
「きょうりゅうかくれんぼ」はこんな絵本!
「きょうりゅうかくれんぼ」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「きょうりゅうかくれんぼ」を簡単にまとめてみました。
- 身近な大人や友だち・一人でも楽しめる参加型の絵本
- 見つける楽しさを味わう中で集中力が自然と身につく
- 絵本に触れる中で恐竜や絵本そのものに親しみを持てる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
恐竜たちとかくれんぼが楽しめる!見つけるのが楽しい参加型絵本。
アンキロサウルスが「かくれんぼするひと てをあげて。」と言うと、ティラノサウルスやプテラノドン、トリケラトプスなど7頭の恐竜が集まってきました。
10数える間に恐竜たちは隠れます。「もういいよー」と声が聞こえたらアンキロサウルスと一緒に恐竜たちを探そう!
まずはステゴサウルス。背中のツンツンが見えていて分かりやすい!次はトリケラトプス、プテラノドン、プレシオサウルス、イグアノドン、ブラキオサウルス…全員見つける事ができました。
でもちょっと待って。まだ1頭隠れているよ。よくよく後ろを見てみるとティラノサウルスが寝転がっていました。
今度はステゴサウルスが鬼になって、1ページに7頭隠れている難問に挑戦!全員見つけられたら恐竜たちともお別れです。
盛り上がりつつ集中力が身につく楽しい一冊です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「きょうりゅうかくれんぼ」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 子どもが主体的に楽しむ中で自然と集中力が身につく絵本を探している
- 恐竜や絵本そのものに親しみが感じられ、興味を持てるようになる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「きょうりゅうかくれんぼ」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
間違い探しのような感覚でやり取りが楽しめる「きんぎょがにげた」
逃げた金魚を絵本の中から探すゲームのような絵本。子どもが集中して探そうとするだけでなく、「どこかな?」「見つけた?」など、大人と子どもとのやり取りも楽しめます。
「きょうりゅうかくれんぼ」よりも見つけやすく、達成感を感じやすい絵本を探している時におすすめ。
集中力・観察力が自然と培われる絵本「たべたのだあれ」
似たような生き物の中に1匹だけ違う生き物が隠れているので、それらを見つける事を楽しむ絵本。猫の目がブドウになっていたり、牛の模様が目玉焼きになっていたり…。
探す楽しみだけでなく、食べ物・生き物の名前、数などにも親しみが感じられる一冊です。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 楽しむ中で自然と集中する経験をする
- 恐竜や絵本に親しみを持ち、自ら絵本に触れようとする
目的・ねらい1
楽しく、自然と集中できるから苦にならない!
2,3歳児頃にもなると様々な活動が出来るようになる一方で最後まで集中が続かないという状況も生まれてきます。そこで集中力を無理につけさせようとしても中々難しいもの。
そこで「きょうりゅうかくれんぼ」を読み楽しみながら恐竜を探す中で自然と集中することを経験したり、集中している状態に慣れることができます。
何かを探すという行為は好奇心が豊かな子どもたちは大好きです。自ら「見つけたい!」と思い夢中で探す中で無意識に集中する経験を得る事ができます。
目的・ねらい2
魅力がいっぱいの恐竜と絵本の世界の入り口にもなります。
興味がある子は既に恐竜という存在を知っていたり、身近に感じていることもありますが、対象年齢である2,3歳児頃だと知らない・興味がない子が殆どです。
「きょうりゅうかくれんぼ」は恐竜を探す楽しさを感じる中で恐竜の見た目や名前も知る事ができ、親しみが持ちやすくデフォルメもされているので興味を持つきっかけにピッタリな作品となっています。
また、恐竜を探す行為は文字が読めなくてもできるため自分で絵本に触れ、一人で楽しみやすい作品と言えます。恐竜に興味を持ちながら、絵本そのものも好きになれる。そんな一石二鳥な絵本です。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児期、特に2歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
2,3歳児頃がおすすめです。
1歳児頃でも集中して何かを探すという事は出来ますが、「きょうりゅうかくれんぼ」は同じく絵本に描かれているものを探す「きんぎょがにげた」などと比べると少し難易度は高め。
更に集中して、その集中力を持続させることが求められる作品なので2歳児頃に読む事で難易度と発達がマッチしやすいでしょう。
時期・季節・行事
遊びや活動で5分以上集中する姿が見られるようになった頃がおすすめです。
ブロックやパズル、製作などである程度の時間集中して物事に取り組めるようになってきた頃に読む事で、「きょうりゅうかくれんぼ」も最後まで集中して楽しめることが予想されます。
また、最初は最後まで集中して読む事ができなくても本作を通じて集中力が身につく事も期待できるので遊びや活動に3分程集中出来ていたら読んでみるのもいいでしょう。
季節や行事に関連する描写はなく、一年中いつでもどこでも楽しむことができるのも魅力の1つです。
読み聞かせのポイント
「きょうりゅうかくれんぼ」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 子どもが参加し、主役になれるように工夫しましょう
- 次なる楽しみも用意しておきましょう
ポイント1
「自分が見つけた」と感じられるように。
「きょうりゅうかくれんぼ」はアンキロサウルスが聞き手に語り掛けるような言葉から始まるので、特に何も意識しなくても聞き手が”参加している”という感覚を持つ事はできます。
ですが、そこに更にもう一工夫すると聞き手の参加している気持ちを高める事ができます。大勢に読む場合は一人に前に出てきてもらい恐竜を指差してもらう、一対一で読む際には「(読み手に)恐竜の場所を教えて」とお願いするだけでも、子どもの主役感が高まります。
読み手が時間に追われてどんどん探してしまう事は避けて、少し時間に余裕を持ち、聞き手の答えを待つ事を強くおすすめします。
ポイント2
恐竜以外を見つける楽しみ方もしれっと伝える!
「きょうりゅうかくれんぼ」はその名の通し隠れている恐竜を探す絵本ではありますが、それだけで終わらせてしまうのは少し勿体ないです。
何度も読んで楽しめる作品なので、恐竜以外にも着目して本作の楽しさを100%引き出しましょう。例えば「クルクルの緑の葉っぱ探してみて」「カニはどこだ」「白いお花5個探してみて」など、恐竜が隠れている場面に様々なモノが隠れています。
恐竜以外の存在に触れることで、楽しみを広げるだけでなく色や数字に触れるきっかけにもなるので、恐竜探しの後は是非取り入れてみてください。
まとめ・Ryuの感想
楽しみながら多くの学びや得るものがある子どもが大好きな作品です。
子どもって不思議なほどに何かを探す行為が大好きです。そんな子どもの好奇心をうまく刺激している作品なので、読み聞かせの時にはいつも大盛り上がり!
聞き手が参加したくなるような・参加しやすいような文構成も魅力的で、特に読み手が誘わなくても自然と聞き手が興味を持って恐竜を探してくれます。
恐竜たちを探す中で集中力が自然と養える事は勿論、一対一の場面では身近な人と恐竜を一緒に探しているという安心感や愛情を感じられますし、大勢に対して読む際には友だち同士で探している楽しさを共有できる。読む状況によって感じ方も大きく変わるのも特徴です。
恐竜が好きでも好きじゃなくても幅広い年齢に対して読むことができ、絶対に盛り上がれる作品です。
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