【3,4歳児おすすめ絵本】ペネロペいまなんじ?【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「ペネロペいまなんじ?」は私が”時計・時間に興味を持ったり、親しみを感じて欲しい””絵本を自ら触れようとして欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 時計の存在に気付き、興味を持つ
- 小さな成功体験を経る喜びを感じる
- 絵本に触れる楽しさを感じる
作品紹介
作 | ゲオルグ・ハレンスレーベン |
文 | ひがし かずこ |
出版社 | 岩崎書店 |
発行日 | 2014 | /2
値段 | ¥1980 |
大きさ・ページ数 | 21.7×21.7cm | /18P
「ペネロペいまなんじ?」はこんな絵本!
「ペネロペいまなんじ?」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「ペネロペいまなんじ?」を簡単にまとめてみました。
- シリーズ累計300万部を超えるペネロペシリーズの時計が楽しめる絵本
- 絵本についている小さい時計を動かしながら楽しめるのが魅力的
- 時計や時間に興味を持つのにぴったりな易しい内容
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
ペネロペと一緒に時計を動かしながら楽しめる作品です。
おはよう!時計は7時。これからペネロペは幼稚園へ向かいます。針が回せる時計を回して7時に合わせます。時計を合わせたら幼稚園に到着。
時計は10時。大好きなお絵描きの時間です。お絵描きを楽しんだ後はお外でお昼ご飯。時計は12時です。
次は皆でかくれんぼ。時間は2時になりました。かくれんぼを楽しんでいたらママがお迎えに来ました。「せんせい、みんな、さようなら」時計は2時30分です。
お家に帰ったらママとケーキ作り。時計は4時。ケーキは5分経ったら焼きあがるから、時計を4時5分にセットします。ひいおじいちゃんたちが来て、みんなでご飯と作ったケーキを食べました。時間は6時です。
お風呂に入るのは7時30分、寝るのは8時。ペネロペ、また明日ね。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「ペネロペいまなんじ?」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 難しくない時計の絵本を探している
- 実際に針を動かし、絵本に触れる楽しさを味わえる作品を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「ペネロペいまなんじ?」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
子どもが絵本に触れるきっかけになる「まるまるまるのほん」
出てくる形は丸のみの一風変わった作品。丸を押したり、擦ったりすると丸が増えたり色が変わったり…。子どもが参加しながら楽しめる工夫がいっぱい詰まっています。子ども一人でも楽しめます。
色の魅力や想像性を感じながら絵本に触れるきっかけが作れる絵本を探している時はこちらをおすすめ。
リボンの仕掛けを触りながら色を楽しめる「にじをつくったのだあれ?」
うさぎが様々な生き物たちと出会う中で色彩豊かな色にも出会うお話。リボンの仕掛けが珍しく、ページをめくる度に虹が増えていくのが綺麗です。仕掛けも楽しい色彩感覚が豊かになる一冊です。
絵本に実際に触れ、感触を楽しみたい時にはこちらをおすすめ。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 時計や時間の存在に気付き、興味や親しみを感じる
- 自ら絵本に触れたいと感じ、絵本に触れる良さを感じる
目的・ねらい1
分かりやすく・優しい内容。きっかけ作りにぴったりです。
「ペネロペいまなんじ?」は時計を勉強するために読むというよりも時計の魅力や楽しさを知るきっかけとして読むのに適している作品です。
時間の存在を時計を使う事で視覚的に理解できると、日常の世界観がまた一段と広がる可能性を秘めています。そんな魅力が詰まった時間の存在も知識として詰め込んでしまってはどこか退屈なものに感じてしまうでしょう。
本作は実際に時計を動かしながら時間に触れる事ができるので、楽しさを介して時間の魅力を感じる事ができる内容になっています。
目的・ねらい2
時間・時計だけじゃない。絵本に触れるきっかけにもなります。
「ペネロペいまなんじ?」の最大の魅力はやはり絵本の右上についている針が動かせる時計。正直、内容を抜きにして時計の針を動かしているだけでも楽しい作品です。
時計を動かす中で時間や時計の魅力を感じる事ができますし、結果として絵本にも触れる機会にも繋がっています。まして、自分で針を動かせるとなったら自ら興味を持って触れたくなるのが人間の性。
絵本に興味を持っていない子であっても絵本に触れ、魅力に気付くきっかけになる一冊です。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に4歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 時の記念日など |
対象年齢
3歳児以降がおすすめです。
時間や時計の存在に気付いたり、知的好奇心から時間・時計の存在に気付いた後にそれらに興味を持てるようになる幼児期以降に読むことで、実生活に繋げやすくなります。
時計を動かして時計に親しみを感じさせる事を目的とする場合は2歳児に読んでも楽しめるでしょう。
時期・季節・行事
生活の流れを理解し、見通しを持って生活できるようになった頃がおすすめです。
朝起きたら朝ごはんを食べて、保育園・幼稚園に行き、帰ったらご飯・お風呂・睡眠…など一定の生活のリズムが分かるようになった頃に合わせて読むことで、生活の流れと時計を照らし合わせ、一日のぼんやりとした流れを時間で区切る事で具体的に理解することが可能になります。
8時に起きて、9時に出発、夜の6時にご飯、6時30分にお風呂…といったように、より日々の生活に見通しを持てるようになり、希望を持ったり、安心しながら生活が送れるようになるでしょう。
季節や行事などと関連する描写はないものの、時計・時間に関する内容なので6月10日の時の記念日に合わせて読むの事で、記念日の理解が進むきっかけになります。
読み聞かせのポイント
「ペネロペいまなんじ?」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 聞き手に積極的に絵本を触れさせましょう
- 前向きな声掛けをしたり、喜びを共有しながら読みましょう
ポイント1
時計を合わせるのは聞き手にお願いする!
「ペネロペいまなんじ?」には、7時に起きたり、12時にご飯を食べたりなど、ペネロペが何時にどのような行動をしているのかが描かれています。
時計の針をその時間に合わせる役目を聞き手にお願いすることで意欲的に時計に触れる事が可能になり、興味を持つきっかけを作ることができます。
読み手が時計を合わせてしまうのも1つですが、「誰か時計動かしてくれる人いますか?」など聞いて、参加型の絵本のように読むことをおすすめします。
ポイント2
小さな成功体験を積み重ねることもできます。
本に書かれている時間に時計の針を合わせる。大人にしたらとても簡単で造作もないことですが、子どもにとっては難しく、出来た時には喜びと共に成功体験にもなり得ることです。
聞き手が時計の針を一人で合わせる事ができたり、まだ難しい場合でも読み手と一緒に針を動かして時間を合わせられた時には一緒に喜んだり、その頑張りを認めるような声掛けを積極的することをおすすめします。
小さな成功体験の積み重ねがいずれ大きな自信へと繋がっていきます。
まとめ・Ryuの感想
時計の魅力だけではない!様々な価値がある一冊です。
「ペネロペいまなんじ?」では、時計の魅力が感じられるだけでなく、絵本に触れるきっかけとして、また、内容を通じて自分に自信が持てるきっかけにもなる、様々なきっかけが詰まった絵本です。
私はいつも時間を合わせることを聞き手にお願いするので、読み聞かせの時にはいつも大盛り上がり!絵本に書かれている時間を伝えると「やりたい!」と言って、嬉しそうに時間を合わせています。
実際に本作がきっかけになり時計に興味を持った子や読み方を少しずつ覚えた子も多くいますし、読み聞かせが終わった後は一人で読んで、絵本に触れるきっかけになった子もこれまで沢山見てきました。
時計という難しい事柄を自分で出来た事に対して喜びや自信を感じている子も多く、お帰りの際に自ら「時計読めたよ!」と、保護者に伝える姿も見られました。
知識で詰め込むよりもまずは楽しいと感じる事から学びは深まります。そんな楽しさや学びが詰まった一石三鳥にもなる作品です。
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