【2,3歳児おすすめ絵本】いそげ!きゅうきゅうしゃ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「いそげ!きゅうきゅうしゃ」は私が”救急車に親しみを感じ、仕事を知るきっかけになって欲しい””ストーリーと共に絵を楽しむ経験をして欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
「いそげ!きゅうきゅうしゃ」はこんな絵本!
「いそげ!きゅうきゅうしゃ」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「いそげ!きゅうきゅうしゃ」を簡単にまとめてみました。
- 「竹下文子×鈴木まもる のりもの絵本」シリーズ第10弾。
- 救急車や救急隊員の仕事がストーリーと共に理解できる。
- 丁寧な描写が魅力的で絵の美しさを味わえる。
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
救急車・救急隊員の仕事が丁寧に描かれています。
町の消防署に指令の電話が鳴りました。「公園で怪我をした人がいます。救急車、お願いします。」救急隊員が急いで準備をして、さあ出動です。
赤いライトをつけて、サイレンを鳴らして「ピーポーピーポー」救急車は赤信号でも進む事が出来ます。そして現場に到着しました。怪我人をすぐに病院に運びます。
消防署に戻ってきた救急車。しかしまたすぐに次の電話。今度は急病人です。町はずれの家に急ぎます。
急病人はおじいさん。救急隊員は大きな病院に連れて行くことを決めますが大きな病院は山の向こうなので時間が掛かります。なので、ドクターヘリを呼ぶことに決めました。
ドクターヘリが到着するとおじいさんを乗せ見る見るうちに空へ飛び立ちます。険しい山もヘリならひとっとび!
早く手当てが出来たのでおじいさんは助かりました。今日も救急車は病気の人や怪我人を一生懸命運んでいます。
仕事を知る事にも繋がる一冊です。
こんな方におすすめ
- 仕事や働く車に関する絵本を探している
- 描写が丁寧で綺麗な絵も楽しめる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「いそげ!きゅうきゅうしゃ」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
工事現場の車の仕事に興味を持てる「おやすみ、はたらくくるまたち」
広い広い工事現場でせっせと働く車たち。ビルを建てたり道を作ったり、ミキサー車、ブルドーザー、ショベルカーみんないっぱい働いて疲れています。しー…おやすみ…ゆっくりおやすみ!働く車と一緒に眠ることができる絵本です。
お休み前にも読める落ち着く一冊です。
温かい雰囲気で将来の事を考えられる「くまのがっこう ジャッキーのゆめ」
ジャッキーと兄弟との温かな日常が描かれているくまのがっこうシリーズ。ジャッキーが将来の夢についてあれこれ考えますが、どこかへんてこな夢ばかり。そんなジャッキーのお兄ちゃんの夢はずっと皆で一緒にいること。
家族や友だちなどの大切さも感じられる一冊です。
目的・ねらい
- 仕事の存在を知り、親しみや興味を持つ
- どんなものが描かれているのかを見て、絵を堪能する
目的・ねらい1
救急車・救急隊員の仕事ぶりが分かりやすく描かれています。
対象年齢である2,3歳児の子にとって怪我人や病人を助けることが”仕事”であるという事を理解するのはまだ少し難しい事ではありますが、「こんなことをしてるんだ」と、認識する事ができたり、仕事を知ったり、興味を持つきっかけになります。
救急隊員の仕事自体に興味を示さなかったとしてもお父さん、お母さんの仕事が何なのか疑問を持ったり、自分がどんな仕事をしたいのかを考えるいい機会にもなるでしょう。
目的・ねらい2
丁寧で細かい描写がたくさん楽しめます。
「いそげ!きゅうきゅうしゃ」の特徴・魅力の1つでもあるのが細部まで丁寧に描かれた絵。町の様子や救急車の中など、よくよく見ないと分からないような所までしっかりと描かれていて、まさに”絵を楽しむ”事ができます。
子どもは文字の情報よりも絵から得る情報の方が多く、「絵を読む」なんて言われてもいるので、子どもにとって絵はそれほどに貴重な情報源なのです。
また、美しく描かれた絵を見る中で美的感覚や色彩感覚などもストーリーを楽しむ中で自然と備わっていくでしょう。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児期、特に2歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 職業体験など |
対象年齢
2歳児以降がおすすめです。
ある程度のストーリーがあり前後の関係性を理解している事で楽しみが深まる構成となっていますが、文も多くなくスムーズに読むことが出来ます。
また、メインが話の展開ではなく救急車なので話も複雑ではなく理解しやすい内容なので、車に興味を持ち始める事が予想される2歳児頃に読む事をお勧めします。
時期・季節・行事
身近な働く車などに関心を示し始めた頃が良いでしょう。
お散歩のときなどによく目にする救急車やパトカー・消防車、またトラックやショベルカーなどを見て名前を言ったり、手を振る姿などが見られた時に読む事でその興味を仕事を知るきっかけに繋げる事ができます。
救急車・救急隊員の仕事がメインの話なので季節や行事と直接の関わりはありませんが、職業体験などの機会があったらその時に読むのもいいでしょう。
読み聞かせのポイント
- 臨場感を持って読みましょう
- 絵を見せる時間を作りましょう
ポイント1
場面ごとに読み方を少し変える事を意識する。
「いそげ!きゅうきゅうしゃ」の中には怪我人や病人を急いで助ける場面が描かれています。
救急隊員が出動する場面などでは、読むスピードを速めたり、声を大きくして緊張感や焦っている雰囲気を出せるように工夫しましょう。
文の殆どがナレーション部分なので大きく感情を込める必要はありませんが、状況の雰囲気を伝えるように読むだけでも聞き手が感じる印象は大きく変わっていきます。
ポイント2
各ページ読んだ後に数秒空けるだけで印象が変わります。
町の様子や救急車内の設備、風景など何気ない所までしっかり描かれていて絵の美しさを感じる事ができます。
ですが、絵の描き込みに対して文の量が少なめなので読み手の都合でどんどん読み進めてしまうと聞き手が絵を堪能できない可能性もあります。
なので、文を読んだ後に次のページをめくる前に少し間を空けたり、聞き手の様子を見て絵を見ているときはめくらないなどの工夫をする事で本作の魅力である絵も存分に楽しむ事ができるでしょう。
まとめ・Ryuの感想
全ての仕事に興味を持つきっかけに!
一見、救急車や救急隊員が好きな子だけが読んで楽しむ事ができるようにも感じられますが、全くそんなことはなく多くの子どもが楽しみながら仕事に興味を持てる絵本になっています。
救急車という身近な乗り物や仕事を紹介する事で多くの子が興味を示しやすくしているのだと考えています。
救急車や救急隊員の仕事を知り、お父さんやお母さんの仕事に興味を持ち、自分が大きくなったらどんな仕事をしたいのか考える事が出来る。そんな将来の事を考える事ができる一冊だと思います。
読み聞かせの時には一緒に「ピーポーピーポー!」と読んだり、展開にドキドキしている様子が見られますし、読んだ後も散歩などに行くと「救急車だ!」といつも以上に反応を示すようになり、読むのが楽しい一冊です。
救急車好きも、そうでない子も楽しめる作品です。
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