【4,5歳児おすすめ絵本】サンタさんからきたてがみ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「サンタさんからきたてがみ」は私が”ストーリーを楽しみながらクリスマスを楽しみにする気持ちを持って欲しい””想像する楽しさ、思いやる大切さを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
「サンタさんからきたてがみ」はこんな絵本!
「サンタさんからきたてがみ」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「サンタさんからきたてがみ」を簡単にまとめてみました。
- 起承転結のハッキリしたストーリーが楽しいクリスマスの話。
- 想像・予測する楽しさが感じられる。
- 友だち・仲間を思いやる優しさに溢れている。
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
森の動物たちとサンタクロースの温かなストーリー。
クリスマスイブ。森には雪が降り積もりました。ねずみの郵便屋さんは皆に手紙を配ろうと張り切って駆け出しました。
ところが、あんまり急いだので勢い余って転んでしまい手紙もカバンから飛び出してしまいました。そして手紙が濡れてしまい一枚だけ宛名が分からなくなってしまったのです。
うさぎさん、からすさん、ふくろうさん、くまさん、きつねさん、りすさん…みんなにしょんぼりしながら手紙を配っていたので、森の動物たちもねずみさんの事が心配で集まってきました。
ねずみさんが理由を説明し、手紙の裏を見ると何やら絵が描かれています。みんなは絵の正体が自分だと言い張りますが、どうやら少し違う様子。
そしてよくよく見てみると描かれていたのはねずみさんだったのです。ねずみさんは自分の元に来た手紙だと分かり封を切るとびっくり!その手紙はサンタさんからの手紙でした。
どうやらプレゼントを配るのに郵便屋さんであるねずみさんに道案内をしてほしいそう。日が暮れたらもみの木の下に来て欲しいと書かれてあります。
皆は急いで木に向かいます。そしてそこにはサンタクロースが!森の動物たちも一緒にそりに乗り、皆でプレゼントを配る事ができました。
温かくもしっかりとしたストーリーが楽しめる一冊です。
こんな方におすすめ
- 起承転結のハッキリしたクリスマスの絵本を探している
- 想像する楽しさ、他者を思いやる大切さが感じられる絵本を探している
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「サンタさんからきたてがみ」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
個性を活かす素晴らしさが描かれた「赤はなのトナカイ ルドルフ」
童謡「赤鼻のトナカイ」の世界観が素敵なストーリーを通して楽しむ事ができます。皆とは違う事で感じる苦悩や葛藤が子どもにも分かりやすく描かれています。
クリスマスに関する濃厚なストーリーを楽しみたい方におすすめの一冊です。
サンタの一年の生活が分かる「あのね、サンタの国ではね…」
サンタクロースたちがクリスマスに向けて一年間どのように過ごしているのかがカレンダーのように紹介されている絵本。8月は海水浴、10月は作戦会議などなど、忙しいのはクリスマスだけではありません。
クリスマスへの思い入れが深まる一冊です。
目的・ねらい
- ストーリーの展開を楽しむ中で、クリスマスの訪れを楽しみにする
- 想像する楽しさや他者を思いやる大切さを感じる
目的・ねらい1
展開が楽しめるストーリーが魅力的!
「サンタさんからきたてがみ」はただ単にサンタが描かれてサンタに親しみを持てたり、クリスマスの雰囲気を楽しむだけではありません。
ストーリーが非常に良く、起承転結が分かりやすく描かれており次の展開が気になるような構成となっています。
本作を読んでいる間はどっぷりと絵本の世界に入る事ができ、想像や感情移入など様々な体験をしながら、読み終えた時にはクリスマスへの期待感が高まっていること間違いなしです。
目的・ねらい2
多様な楽しみ方があります。
作品の中でサンタさんの手紙に描かれた動物が誰かを考える一幕があるのですが、その場面では聴いている子どもたちも一緒に考える事ができる参加型の絵本に早変わり。
皆で誰が描かれているのかを予測したり、想像したりしながら想像力を豊かにすることに繋がります。
一方でねずみさんの事を心配したり、ねずみさんを運んだりと動物たちが各々を思いやる優しさも随所に散りばめられていて、思いやりの大切さを感じる絵本にもなり得ます。
クリスマスに親しみを持つだけでなく、想像力を豊かにする、優しさを感じるなど様々な楽しみ方がある一冊です。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に4歳児 |
季節 | 冬 |
行事 | クリスマス |
対象年齢
幼児期以降、特に4歳児前後がおすすめです。
文字数やしっかりとしたストーリーがある事を考えると物語を最後まで集中して楽しむ事が出来るようになっている事が予想される幼児期以降がいいでしょう。
サンタを知っている事が前提で話が展開していくので、サンタをしっかりと認識しているであろう4歳児前後を一番おすすめします。
時期・季節・行事
ストーリー性のある物語を最後まで楽しめるようになった頃がおすすめです。
「サンタさんからきたてがみ」は、個人的に話の展開が大きな魅力の1つなので、ストーリーを楽しめる事が1つの読む目安となっています。
なので、5分前後で読み終えるストーリー性のある絵本を最後まで集中できるようになった頃に読む事で、本作も最後まで十分に楽しむ事が出来ると考えています。
クリスマスがテーマの絵本なので、季節は冬。行事はクリスマス前や当日、クリスマス会などで読むといいでしょう。
読み聞かせのポイント
- 感情を込めたり、声色を分けて読みましょう
- 場面に応じて聴き手も参加できるように読みましょう
ポイント1
展開の盛り上がりを作るように意識する!
「サンタさんからきたてがみ」には森の動物たちを中心に多くのキャラクターが登場します。また、それぞれのキャラクターの言葉のやり取りがあり、会話の楽しさも本作の魅力の1つとなっています。
会話文を読むときにはそのキャラクターの気持ちを考えて感情を込めて読んだり、キャラクター毎に少し声色を変えるなどする事で会話に深みがでるようになるので、大げさに演じる必要はありませんが意識して読むと楽しさが広がります。
会話は展開を感じる重要なポイントになっている事が多いので、会話を演じて読む事を意識するとストーリーの展開も更に聞き手に伝わりやすくなるのでおすすめです。
ポイント2
聞き手の集中を維持できる工夫も必要です。
対象年齢の所でも書いたように最後まで集中して楽しめる事が予想される4歳児頃をお勧めしていますが、4歳児であってもずっと同じような平坦な読み方をしていると話の途中で飽きてしまう可能性があります。
「サンタさんからきたてがみ」の中盤にはサンタが誰に手紙を書いたのかを予想する場面が描かれています。こうした場面をただ単に読むのではなく、聞き手も考えたくなるような読み方をすることで最後まで集中して聴ける確率はぐっと高まります。
聞き手の目を見て首をかしげながら「誰かなあ?」と読むだけで聞き手も一緒に考えるようになるので、是非やってみましょう。
また、途中で聞き手が予想した答えを言った時にはしっかり反応すると更に聞き手が考えるようになります。
まとめ・Ryuの感想
”楽しい”中にクリスマスが感じられる理想の形。
「サンタさんからきたてがみ」はまず純粋にストーリーが楽しいです。
起承転結があって分かりやすい、動物も子どもが知っている動物たちが多く登場して親しみやすい、聞き手が参加できるような場面もある、優しさが感じられる内容…などなどクリスマスの要素を抜きにしても子どもを惹きつける力があります。
そこに子どもがドキドキできるようなクリスマスやサンタクロースといった要素もあるので、つまらない訳がないのです。
私が読み聞かせをするときも一緒に誰への手紙なのかを考えたり、サンタさんが出てきた時に喜んだりと子どもの反応もとっても良く、読んでいる大人も楽しむ事ができます。
クリスマスに親しみを感じられる事は勿論、想像力が豊かになったり、思いやりが感じられるなど素敵な事ばかりなので、幼児期になったら是非読んでみてください。
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