【2,3歳児おすすめ絵本】100にんのサンタクロース【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「100にんのサンタクロース」は私が”サンタに親近感を覚え、クリスマスを楽しみにしてほしい””モノ探しの楽しさを感じながら集中する体験を経て欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
「100にんのサンタクロース」はこんな絵本!
「100にんのサンタクロース」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「100にんのサンタクロース」を簡単にまとめてみました。
- それぞれが違う100人のサンタが描かれている楽しい絵本。
- サンタに会うこと、クリスマスを迎える事を楽しみにできる。
- 描かれているモノを探す楽しさ“モノ探し”が楽しめる。
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
魅力的なサンタがいっぱい登場します!
100人のサンタが住む街があります。そこにはいろんなサンタがいます。そして100人のリーダーは“大きいサンタ”と“小さいサンタ”。クリスマスまでにサンタたちは準備することがたくさん!
春はプレゼントの数を数えたり、地図作り。夏はクリスマスツリーを育てたり、家を建てたり、野菜・果物を育てます。
秋は雪を降らしたり、虹を作ったり、星空を作る練習もします。冬は新しい服を作り、それぞれお気に入りの帽子や服、靴下、ブーツにお着替えします。
1番大変なのがプレゼントの準備!玩具を運んだり、包んだり、リボンをつけたり…。クリスマスの前は大忙し。
そして、クリスマスの日。プレゼントをソリに乗せたらみんなで出発。どんな所にもプレゼントを届けに行きます。
プレゼントを配り終えたらサンタたちだけの楽しみの時間。部屋の飾り付けやクッキーやパンを焼いたらパーティーの始まりです。
パーティーが盛り上がるとオーケストラの演奏、聖歌隊が歌い始めます。ようやく100人揃いました。でも、よくよく数えると1人足りません…。
お寝坊さんたを見つけたら…メリークリスマス!
いろんなサンタを見つけるに夢中になってしまう一冊です。
こんな方におすすめ
- サンタクロースに親しみを持ち、クリスマスに期待感を抱ける絵本を探している
- 描かれているものを探すことに夢中になれる絵本を探している
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「100にんのサンタクロース」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
サンタの一年の生活が分かる「あのね、サンタの国ではね…」
サンタクロースたちがクリスマスに向けて一年間どのように過ごしているのかがカレンダーのように紹介されている絵本。8月は海水浴、10月は作戦会議などなど、忙しいのはクリスマスだけではありません。
サンタさんの生活が見え、親しみを感じる事ができる一冊です。
丁寧な描写が楽しめ、家族の温かさが感じられる「ピヨピヨスーパーマーケット」
お母さんとヒヨコの子どもたちとのドタバタストーリー。スーパーマーケットに着くとヒヨコたちはかくれんぼしたり、好きなお菓子を買おうとしたりやりたい放題…。でも、家に帰ると夕飯は大好きなスパゲッティ!何気ない日常の良さが感じられます。
細かい描写でモノを探す楽しさも味わえる一冊です。
目的・ねらい
- サンタを身近に感じ、サンタが来る事を楽しみにする
- 描かれているものを見つける楽しさを感じ、集中力を養う
目的・ねらい1
ポップで、どこか生活感のあるサンタに親近感が湧いてきます。
「100にんのサンタクロース」はみんなそれぞれ違う洋服を着ていたり、ミツバチのようなサンタがいたり、リボン付きのサンタがいたりとそれぞれの役割に応じた一風変わったサンタが登場します。
そのどれもがどこか柔らかく、人間と同じような生活を送っている様子が描かれているので本作を読んでいる中でサンタを自然と身近な存在に感じる事ができます。
「あんなサンタが来てくれたらいいな…」と作中に出てきたサンタを思い浮かべながらサンタが来ることを待ち遠しく思えるでしょう。
目的・ねらい2
1人も同じサンタがいないので、見つける楽しさが味わえる!
サンタクロース100人それぞれが全部違い、何かしらの特徴があるので描かれているサンタの何が違うのか、どのようなサンタがいるのかを探してみたくなります。
「目がハートのサンタがいた!」「数字がいっぱい書いてあるサンタもいる!」などなど、よく見なければ違いが分からないサンタもいるので違いを見つける事を楽しめます。
夢中になって探すので、楽しみながら自然と集中力も養われていきます。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児期、特に3歳児 |
季節 | 冬 |
行事 | クリスマス |
対象年齢
3歳児前後がおすすめです。
内容としては一年をかけてクリスマスに向けた準備をしている様子が描かれている作品なので、流れも分かりやすく幅広い年齢で楽しむ事ができます。
サンタを見つける楽しさも1歳児頃から楽しむ事ができますが、1歳児だと最後まで集中力が持たない可能性があるので、早くても2歳児以降をおすすめします。
時期・季節・行事
数の大きさを大まかに理解し始めた頃がおすすめです。
100人のサンタが描かれている絵を見てもインパクトが大きいのですが、数の概念を少し知っていると100という数字の大きさに更に驚く事ができ、印象もずっと強くなるので何となく数を知り始めた頃に読むと楽しみが広がるでしょう。
サンタの一年の様子や春夏秋冬が描かれていますが、メインはクリスマスなので、季節は冬、行事はもちろんクリスマスに読むことをおすすめします。
読み聞かせのポイント
- 聞き手の様子をよく見ましょう
- 読み手と聞き手が離れすぎないようにしましょう
ポイント1
見たいものが沢山あるので、めくるときはタイミングが大切です。
「100にんのサンタクロース」は文字通り100人のサンタが登場し、そのどれもが何かしらの特徴を持っています。
ページの至る所にサンタがいるので聞き手はサンタを探したり、どのようなサンタなのかを見るのに大忙しです。
ページをめくる前に聞き手がまだサンタを探しているような様子が見られたり「忍者みたいなサンタがいる!」などの反応があった時にはページをめくるのを待って、子どもの反応に応えてから次に進むような意識で読むと、読み手が十分にサンタの絵を楽しみながら話を聞くことが出来るようになります。
ポイント2
読むときの距離も工夫して読む事をおすすめします。
どのようなサンタが描かれているのかを探すことも楽しみの1つの「100にんのサンタクロース」。
見つけるのが楽しい本作もあまりにも読み手と聞き手の間に距離があると折角のモノ探しの楽しさが半減してしまいます。
具体的な距離を設定するのは難しいのですが、一番後ろの子が聞き手から3m以内ぐらいを目安にすると大人数であっても絵を見ながら楽しむ事ができるでしょう。
まとめ・Ryuの感想
作者の思い・拘りが強く感じられる丁寧に描かれた一冊。
題名通り100人のサンタが登場する作品なのですが、一人として同じサンタがいない事には私も驚きました!服装などの細かい所が一人一人違っているだけでなく、表紙の裏には100人のサンタの名前まで書かれている徹底ぶり。
作者の谷口 智則さんの本作に対する思いが感じられます。
ストーリーも分かりやすく乳児からでも楽しめますし、幼児の子はストーリーを楽しむのと同時に丁寧に描かれた100人のサンタを探す楽しさも味わう事ができます。
読み聞かせの時にはいつも”サンタ探し大会”状態!自分の見つけたサンタを友だちや保育者に伝えたり、「〇〇ちゃんは、ピンクのサンタがいい!」と言ってお気に入りのサンタを決めたりしています。
サンタの私生活にも触れられていて、サンタに親しみを感じながら楽しめる一冊となっています。
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