【3,4歳おすすめ】あかずきんちゃん【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「あかずきんちゃん」は私が”有名な童話を教養として知ってほしい””人の話は聞いた方が良い事もある”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
「あかずきんちゃん」はこんな絵本!
「あかずきんちゃん」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「あかずきんちゃん」を簡単にまとめてみました。
- 世界中で読まれているグリム童話の名作
- 人の話を聞く大切さを感じられる
- ドキドキする展開で物語に引き込まれ感情移入できる
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
言葉のやり取りにドキドキできる展開が魅力的!
お母さんと森の中の家で仲良く暮らしていた女の子がいました。赤い頭巾が好きで、よく被っていたので”赤ずきん“と呼ばれています。
ある日、離れて暮らしているおばあちゃんの家へワインとパンを届けてほしいとお母さんに頼まれ、赤ずきんは行くことになり、「道草をしないように」と伝えられます。
暫く行くと狼と出会いました。狼は赤ずきんがこれからおばあちゃんの家に行くことを知ると「花を摘んでから行くといい」と伝えます。そして、赤ずきんはお母さんの言いつけを忘れて道草をし、鼻を摘んでしまいました。
おばあちゃんの家に着くと、おばあちゃんの様子が何だかいつもと違います。耳、手、目、口…どうして違うのかを聞いた赤ずきんは等々食べられてしまいました。
お腹いっぱいになった狼はその場で寝てしまいました。その姿を通りかかった猟師が発見し、お腹を切ると中にはおばあちゃんと赤ずきんが!
2人の代わりに石をたくさん詰めて、狼は歩くことができなくなり、死んでしまいました。
世界中で親しまれているグリム童話の名作です。
こんな方におすすめ
- 話を聞く大切さが感じられる絵本を探している
- 教養としても読みたい世界的に有名な絵本を探している
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「あかずきんちゃん」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
ストーリーを楽しみながら教訓が感じられる「おむすびころりん」
山でおむすびを穴に落とした所から始まる楽しいストーリー。私利私欲のないお爺さんは穴にいたねずみたちから出迎えられ大判小判を貰いますが、意地悪爺さんはねずみたちから全てを奪い取ろうとします。そんな爺さんは最後にはもぐらになる物語。
因果応報が感じられる日本昔話です。
教養としても知りたいストーリーの展開が楽しい絵本「ももたろう」
悪さをしている鬼を桃から生まれた桃太郎が仲間と共に倒す王道ストーリー。桃太郎と犬、猿、雉で鬼が島に住んでいる鬼を倒す物語。もはや説明不要の日本一有名な昔話。教養として読みたい絵本
純粋にストーリーに夢中になれるのも魅力の一冊。
目的・ねらい
- 何故狼に食べられてしまったのか、その理由を考える
- ストーリーや言葉のやり取りを楽しみ、展開を想像する
目的・ねらい1
自ら理由を考える。これが大切です。
おばあちゃんと赤ずきんが食べられてしまった理由としては、お母さんの話を聞かず道草をしてしまったり、知らない人の話をまともに受け取り聴いてしまったことにあります。
大人にとってはすぐに理解できる事であり、読み聞かせの際に伝えることもできるのですが、これらの理由を子ども自身が考える事が大切で、考える事で「赤ずきんちゃん」のメッセージが初めて心に響くでしょう。
目的・ねらい2
分かり易い展開なので、理解しやすい!
起承転結がしっかりとしたストーリーと楽しい言葉のやり取りも「赤ずきんちゃん」の魅力の1つ。作品に引き込まれる中で自然と次の展開を想像してしまいます。
想像力が豊かになることは勿論、作品のキャラクターの気持ちなども想像しやすくなるので感情移入し、相手の気持ちを考えるきっかけにもなります。
登場人物も4人のみなのでそれぞれのキャラクターの気持ちを考えやすいのも感情移入がしやすくなる要因です。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 3,4歳児、特に4歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 発表会、劇など |
対象年齢
3,4歳児頃がおすすめです。
長すぎないストーリー、ストーリーの中で自然と学べる教訓、ドキドキする展開で最後まで飽きないといった要素を考えると4歳児が適当でしょう。
狼とのやり取りを怖くしすぎないように配慮すれば2歳児でも楽しむ事ができます。
時期・季節・行事
約束とは違う事を意識的に行い始めた頃がいいでしょう。
幼児期にもなると家や園の中でのルールや約束事を理解する事ができるようになる一方で、隠れて約束事とは違う事をすることもあります。
そうした様子が見られた時に読むことで「約束を守らなきゃいけないこともあるんだ」と感じる事ができるでしょう。
作品の中で季節は特に定められていないので、一年中楽しむ事ができます。登場人物は少ないので時と場面を選びますが、劇などにして発表会でやるとみんな知っている物語なので盛り上がること間違いなしです。
読み聞かせのポイント
- 声色を使い分け、臨場感を出しながら読みましょう
- 読んだ後に感想を求めるのは控えましょう
ポイント1
しっかりと演じる事で面白さが深まります。
「あかずきんちゃん」は会話のやり取りも魅力の1つ。特に狼と赤ずきんのやり取りを声を使い分けたり、感情を込めて読むことで迫力が生まれ、聞き手がドキドキしながら展開を楽しむ事ができます。
しかし、狼で必要以上に怖がらせないように注意が必要です。3歳児以降はある程度大丈夫ではあるものの、様子を見ながら演じ方を使い分けるといいでしょう。
ポイント2
教訓を押し付ける為の絵本ではありません。
「あかずきんちゃん」は確かに”人の話を聞く”という教訓的な側面も持ち合わせていますが、その教訓を押し付ける必要は全くありません。
教訓はあくまでストーリーを楽しんだ中で感じるもので、また、その感じ方も人それぞれです。
読み手が「人の話を聞くのは大切だと感じて欲しい」という思いを持つのは自由ですが、聞き手に強要してしまっては折角の楽しい物語も台無しになり、メッセージも響かなくなる可能性があるので注意しましょう。
まとめ・Ryuの感想
読んでいて楽しい絵本!
勿論、子どもたちに楽しんで欲しいと思って読みますが、子どもの反応が毎回非常に良く、展開が分かっていても「きゃー!」と声を上げながら楽しんでいる作品です。
昔話という事で教訓を感じる部分もありながら、物語として非常によくできている作品で、その楽しさが子どもの反応を見ているとよく分かります。子どもの反応が良い分、読んでいる大人もどう工夫しようか考えられ、大人も楽しめる作品となっています。
また、雰囲気としては少し怖さを持っていますが、いもとようこさんの優しい絵がその怖さを中和していて、誰でも楽しく読める点も「あかずきんちゃん」の素敵なポイントです。
いつまで経っても色あせない名作。人生で一度は読みたい絵本です。
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