【3,4歳おすすめ絵本】三びきのやぎのがらがらどん【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「三びきのやぎのがらがらどん」は私が”力を合わせる大切さを感じて欲しい””欲張りは良くない事もあることを知って欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 物語の楽しさに気付く
- 力を合わせる事で困難も越えられる事を知る
- トロルが何故負けたのかを考えようとする
作品紹介
「三びきのやぎのがらがらどん」はこんな絵本!
「三びきのやぎのがらがらどん」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「三びきのやぎのがらがらどん」を簡単にまとめてみました。
- 発行部数270万部を超える世界の名作
- 協力する事で困難を乗り越えられる事を感じられる
- 欲張ると全てを失うという教訓が感じられる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
ヤギvsトロル!最後の展開はドキドキです。
昔、三匹のヤギがいました。名前はどれも「がらがらどん」といいます。
山の草を食べようと山に向かいましたが、山に繋がる橋の下には気味の悪いトロルという化け物のようなものが住んでいます。
最初は一番小さいヤギのがらがらどんが渡ります。トロルは食べようとしますが、「僕は小さいから食べないで。後からずっと大きいヤギが来る」と言って、見逃してもらいます。
次に渡る二番目ヤギのがらがらどんもトロルに「後から大きいがらがらどんが来る」と言って見逃してもらいます。
そして最後の大きいヤギのがらがらどんは、体も大きく、勇ましい!トロルに飛び掛かると木端微塵にしてしまい、谷川に突き落としてしまいました。
最後はみんなで無事に草場につき、お腹いっぱい草を食べる事ができました。
困難も力を合わせれば乗り越えられる事を感じられる超名作です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「三びきのやぎのがらがらどん」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 力を合わせる大切さを感じられる絵本を探している
- 欲張り・傲慢はダメだということ理解できる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「三びきのやぎのがらがらどん」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
力を合わせる大切さが感じられる「ももたろう」
悪さをしている鬼を桃から生まれた桃太郎が仲間と共に倒す王道ストーリー。桃太郎と犬、猿、雉で鬼が島に住んでいる鬼を倒す物語。もはや説明不要の日本一有名な昔話。教養として読みたい絵本です。
ストーリーが面白く、夢中になれるのも魅力の一冊。
欲張りは全てを失う事が感じられる「そらいろのたね」
もらったものを大切にし、友だちと分け合う主人公のゆうじは、動物たちに囲まれて幸せそう。ですが、独り占めしたり、わがままを言うキツネは結局最後には全てを失うストーリー。
他者の思いを理解する上で是非読みたい一冊です。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 力を合わせれば困難を乗り越えられる事を知る
- 欲張ったらいけないことを感じる
目的・ねらい1
頭の力を合わせる良さが感じられます。
力を合わせると言ってもパワーの方ではありません。
どのようにしたら誰もトロルにやられることなく草場に行けるか、犠牲を最小限にして渡れるかを考える頭の力を合わせる大切さを「がらがらどん」では、暗に伝えています。
もし、最初に一番大きなヤギが行って敗北してしまったら、残りのヤギは行かなければいいだけの事ですし、最初のヤギが食べられてしまったら、次に一番大きなヤギが行けば、最悪二番目ヤギは生き残れます。
子どもにとっては少し難しい内容かもしれませんが、どのようにしたら敵を倒せるか・困難を乗り越えられるかを考えるきっかけになるでしょう。
目的・ねらい2
トロルが一匹も食べられなかったのは何故でしょう。
とても強そうなトロルですが、結局一匹も食べられずに敗北してしまいます。その原因は「もっと大きなヤギを食べたい」「小さいヤギ(機会)なら見過ごしても大丈夫だろう」といった欲張りや傲慢さです。
大きなヤギにあっさり負けてしまうトロルを見ていると、欲張り・傲慢さを持っていてはダメだということに気付かされます。
目的1も目的2も教訓のような内容なので、子どもにとって難しいかもしれません。なので、純粋に物語としても非常に面白い展開が描かれているので、「物語を楽しむ」・「ドキドキを感じる」といった目的で読んでもいいでしょう。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に3歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 発表会、劇など |
対象年齢
3歳児以降が良いでしょう。
強いヤギがトロルを倒す、という物語を楽しむことだけを目的として考えた場合には2歳児でも楽しめると思います。
しかし、「がらがらどん」はもっと深く考え、多くを学ぶことができる絵本なので、思考力がどんどん身についてくる3歳児以降に読むのがおすすめです。
時期・季節・行事
考える力がついてきた頃が良いでしょう。
自分で様々なことを考えるということは、とても高度な事です。
自分の言動を考えたり、見通しを持って行動できたり、オリジナルの製作ができるようになった頃に読むことで、「がらがらどん」の表面的な楽しさだけでなく、暗に伝えられている教訓的な部分も感じる事ができるでしょう。
季節としては、いつでも大丈夫ですし、行事も特にありませんが、お遊戯会などがある場合は、そのテーマとしても面白いでしょう。
読み聞かせのポイント
「三びきのやぎのがらがらどん」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 声色を使い分け、演じましょう
- 考える機会を設けましょう
ポイント1
ドキドキできる展開を作り上げましょう。
「三びきのやぎのがらがらどん」は登場するキャラクターが4匹で、それぞれのキャラクターの個性がはっきり出ているので、演じ分けやすい作品です。
演じ方は見た目通りで、小さいヤギはか細く、二番目ヤギは中ぐらい、大きいヤギは力強く、トロルは気味悪くなど。
また、「がらがらどん」は丁寧に「とても小さい声で」「前のヤギ程小さい声ではありません」といった言葉も書かれているので、言い方がとてもイメージしやすくなっています。
しっかりと演じ分けることで、臨場感が生まれ、次の展開を想像したり、ドキドキできるようになるので、可能な限り演じてみましょう。
ポイント2
読み終えた後も大切です。
何度か「三びきのやぎのがらがらどん」を読んだ後に、聞き手と内容について考える機会を設けると学びが深まります。
例えば、読み終えて5秒ほど、作品の余韻に浸った後に「どうしてトロルは負けちゃったのかな?」「どうして小さいヤギを食べなかったのかな?」「一番大きいヤギから行ったらどうなってたかな?」など、たらればを読み手から提起することで、聞き手が考え、自分なりの答えを導き出す過程が生まれます。
聞き手が複数人いる場合には、他の人の考えにも触れることができ、他者の考えを受け入れることや自分の思いを大切にすることなども学ぶことができます。
一回目の読み聞かせからやってしまうと、あまり考えも深まりませんし、作品自体を楽しめなくなる恐れがあるので、数回読んだ後にしましょう。また、感想を求めてはいけません。どう思うかは人それぞれだからです。
まとめ・Ryuの感想
これからも読み継がれるであろう楽しく・深い作品です。
文字も多くなく、読みやすい。内容も長くなく、最後まで集中できる。誰でも分かりやすい展開、物語。深く考えると、学びが多くある。
こんな素敵な作品なかなかありません。「がらがらどん」が50年以上読み継がれているのが理解できます。
私も何度も子どもたちに読んできましたが、どんな子でも集中して聞いている印象があります。
乳児であってもよく聞いていましたし、幼児になると作品の深掘りをし、学びを得られました。
幼児の絵本を購入する際には、真っ先に候補に挙がるおすすめの絵本です。
一度は読んでみましょう。損はありません!
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