【2歳,3歳おすすめ絵本】まるまるまるのほん【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
Ryu『まるまるまるのほん』は、丸を押す・こする・振るだけで色と数が変わっていく、エルヴェ・テュレさんの参加型絵本です。対象年齢は0歳から、特に3歳児に一番响きます。色や形に親しみながら、次の展開を予測する楽しさを味わえる一冊です。
| 対象年齢 | 0歳〜(おすすめは3歳児) |
| 季節 | 通年 |
| 行事 | 特になし(色や仕掛けに親しむ活動全般に) |
| 主なねらい | 色や形に親しみを持つ/次の展開を予測し想像力を養う |
| ひとことで言うと | 押す・こする・傾けるだけで色と数が変わる、魔法のような参加型絵本 |
『まるまるまるのほん』はどんな絵本?あらすじと結末


『まるまるまるのほん』は、丸を押す・こする・振る・叩くという単純な動作だけで、絵本の中の丸の色や数が変わっていく参加型絵本です。フランスの絵本作家エルヴェ・テュレさんが手がけ、谷川俊太郎さんの訳でポプラ社から刊行されました。
あらすじ(結末にはふれていません)
最初のページには黄色い丸がひとつだけ。「きいろい まるを おして つぎへ いこう」という一文にしたがってページをめくると、丸が増えたり、色が変わったりしていきます。
押す、こする、傾ける、息を吹きかける……そのたびに丸に新しい変化が起こり、次に何が起きるのかを予測しながら読み進めていく絵本です。
ここから先は結末にふれます。読んでからのお楽しみにしたい方は、次の見出しまで読み飛ばしてください。
結末(ネタバレあり)
物語の最後は、読み手が手を叩くたびに丸がどんどん大きくなっていく仕掛けで締めくくられます。拍手の回数に合わせて丸が膨らんでいく展開に、子どもたちは思わずもっと叩きたくなります。結末まで一貫して「次はどうなる?」を体を動かしながら楽しめる構成になっています。
書誌情報
| 作・絵 | エルヴェ・テュレ |
| 訳 | 谷川俊太郎 |
| 出版社 | ポプラ社 |
| 発行日 | 2010年6月 |
| 値段 | ¥1,980(税込) |
| ページ数 | 56P |
保育士から見た『まるまるまるのほん』の使いどころ


この絵本は「聞かせる」絵本ではなく「触らせる」絵本です。現場で使うときは、子どもに読み手役を譲るくらいのつもりで開くと、この絵本のよさが一番引き出せると考えています。
なぜ2〜3歳児にいちばん响くのか
2歳頃から色の名前を少しずつ覚え始め、3歳頃には「あか」「あお」「きいろ」を聞き分けられる子が増えてきます。この絵本は色の種類を白・黒・赤・黄色・青の5つ、形を丸のみに絞っているため、覚えたての色の名前をそのまま使いながら楽しめるちょうどよい難易度になっています。
また、押す・こするという指先の動きを自分でやってみたい時期でもあるため、「操作する楽しさ」と「色を覚える楽しさ」が同時に満たされるのが、この年齢にいちばん响く理由です。
この絵本の独自性
物語らしい物語がなく、登場人物もいません。それでも繰り返し読みたくなるのは、ページの中で起きていることが「読み手の動作の結果」だからです。読むたびに自分のタイミングで押したり、こすったりできるため、同じ絵本でも毎回少し違う体験になります。
文章を読み聞かせるタイプの絵本に疲れた時期や、集中がなかなか続かない子にも、「参加すること」自体が楽しみになるという点で独自の立ち位置にある絵本です。
向いていない場面
- 静かに座って集中して聞く時間を作りたい場面……体を動かしたくなる絵本のため、落ち着いた読み聞かせには向きません
- 大人数への一斉読み聞かせ……一人ひとりが触って参加したい絵本なので、少人数やひざの上での読み聞かせのほうが良さを発揮します
- 物語の展開を楽しませたい場面……起承転結のあるストーリーはほぼないため、物語性を求める場面には不向きです


『まるまるまるのほん』のねらい【指導案にそのまま使えます】


『まるまるまるのほん』の主なねらいは、「色や形に親しみを持ちながら興味を広げること」と「次の展開を予測し、想像力を養うこと」の2つです。保育のねらいとして設定する場合の文例も、このあと掲載しています。
ねらい① 色や形に親しみを持ちながら興味を広げる
出てくる色は白・黒・赤・黄色・青の5色、形は丸のみとシンプルな構成なので、繰り返し読む中で自然と色や形を覚えられることが期待できます。子どもが身の回りの色や形に意識を向け始めた時期に読むとよいでしょう。
ねらい② 次の展開を予測し、想像力を養う
絵本をタッチするたびに丸が増えたり色が変わったりする仕掛けの中で、「次はどうなるんだろう」と予測したくなる場面が繰り返し登場します。ドキドキ・ワクワクしながら想像力を養うことができる点が、この絵本ならではのねらいです。
指導案の文例(コピーしてお使いください)
- ねらい:絵本の丸を押す・こするなどの動作を通して、色の変化を楽しみながら次に起こることを予測しようとする。
- 内容:シンプルな繰り返しの構成を楽しみ、色や数の変化に気づきながら絵本に触れる。
- 予想される子どもの姿:「おす」「こする」の動作を自分でやりたがる。次のページを予測して声に出す。
- 保育者の援助:一人ひとりが実際に丸に触れられるよう間をとりながら読む。色の名前を優しく添えて声をかける。
『まるまるまるのほん』は何歳から?対象年齢と読むタイミング


絵本の内容自体は0歳からでも理解できますが、保育の現場でいちばん盛り上がるのは3歳児です。指示の意味を理解し、次を予測する力が育ってきた時期にこそ、この絵本の仕掛けが最大限に生きます。
| 0〜1歳児 | 色の変化や音のリズムを楽しむ時期。読み手が押す・こするをして見せてあげましょう。 |
| 2歳児 | 自分でも押す・こするをやってみたい時期。一緒に手を動かしながら読むと盛り上がります。 |
| 3歳児〜 | 色の名前や次の展開を予測しながら、絵本の仕掛けを一番深く楽しめる時期。 |
読むタイミング
季節や行事の描写がないため、一年を通していつ読んでも楽しめます。色の名前を少しずつ覚え始めた頃や、絵本に自分から触れたがる時期に手渡すと、興味を持って開いてくれることが多いです。
読み聞かせのポイント3つ


①子どもに動作をしてもらう
読み手が「押す」「こする」を代わりにしてしまうより、その動作を子ども自身にしてもらう方が、参加している気持ちが強くなり楽しさが増します。ただし1歳児頃だと一緒にするのが難しいこともあるため、その場合は読み手が動作をして見せてあげましょう。
②自分の言葉で言い換えて読む
「クリックする」は「押す」、「こする」は「シュッてする」など、子どもの言葉の理解に合わせて言い換えると、内容がぐっと伝わりやすくなります。そのまま読んでも十分楽しめる絵本なので、状況に応じて選んでみてください。
③繰り返し読んで、その都度読み方を変える
シンプルな構成だからこそ、読むたびに間の取り方や言葉かけを変える余地がたくさんあります。同じ絵本でも毎回少し違う読み方を試すことで、子どもも新鮮な気持ちで楽しめます。
『まるまるまるのほん』と似ている絵本・次に読むなら


同じ作者の色に特化した一冊ならいろいろいろのほん
同じエルヴェ・テュレさんの作品で、色を混ぜたり垂らしたりする感覚を絵本の中で楽しめます。「まるまるまるのほん」で丸の変化を楽しんだあとに読みたい一冊です。


リボンの仕掛けで色に触れられるにじをつくったのだあれ?
うさぎが様々な生き物と出会う中で色彩豊かな世界に出会うお話。仕掛けの種類は違いますが、色に触れながら楽しめる点は「まるまるまるのほん」と共通しています。


『まるまるまるのほん』のよくある質問
まとめ:色と仕掛けで夢中にさせてくれる参加型絵本


- 対象年齢は0歳から。特に3歳児が色や展開の予測を一番深く楽しめる
- 物語がなくても、参加する楽しさだけで夢中にさせてくれる珍しいタイプの絵本
- シンプルな構成だからこそ、読み手の工夫次第で毎回違う楽しみ方ができる



この絵本と出会っていなかったら、絵本をこんなに好きになることはなかったかもしれません。シンプルであるが故に読み手の工夫の余地がたくさんあります。何度も読む中で、自分に合った読み方、子どもに合った読み方を探してみてください。
この記事を書いた人
Ryu(保育士)
保育士歴10年以上。現在はインターナショナルスクール形式の保育園を運営し、今も毎日子どもたちに読み聞かせを行っています。年齢ごとの発達に合わせた絵本選びと、保育のねらいに基づいた読み聞かせを得意としています。当ブログでは、実際に現場で読んだ絵本だけを紹介しています。









