【3歳,4歳児おすすめ絵本】かちかちやま【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「かちかちやま」は私が”悪い事をしたら何かしらの形で自分に返ってくることもあるのを感じて欲しい””相手の気持ちを考える力、共感力が豊かになって欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 自分がした事は返ってくる事を感じる
- 善悪について考えられる
- 相手の気持ちを考えようとする
作品紹介
「かちかちやま」はこんな絵本!
「かちかちやま」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「かちかちやま」を簡単にまとめてみました。
- 教養としても知りたい有名な日本昔話の1つ
- 因果応報について知る事ができる
- 相手の思いを考える力、共感力が身につく
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
悪い狸への復讐劇!誰もが知っている昔話です。
おじいさんとおばあさんの畑を荒らす悪い狸がいました。
おじいさんに捕まった狸はおばさんを言葉巧みにだまし、逃げ出すだけでなくおばあさんに怪我まで負わせます。
通りかかった兎はそんな話を聞いて怒り、狸に復習をすることにしました。火傷を負わせたり、傷口に唐辛子入りの味噌を塗り込んだり、船を沈めて頭をぶったり…
おばあさんと同じ気持ちを味わった狸はそれ以降悪い事はしなくなりました。泥棒をしたり、おばあさんをだましたりする悪い狸へのうさぎによる復習が柔らかい絵で描かれています。
昔話の定番である”人生の教訓”を物語を通して知ることができるはずです。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「かちかちやま」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 有名な昔話を探している
- 自分がしたことは返ってくることが伝えられる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「かちかちやま」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
ストーリーを楽しみながら教訓が感じられる「おむすびころりん」
山でおむすびを穴に落とした所から始まる楽しいストーリー。私利私欲のないお爺さんは穴にいたねずみたちから出迎えられ大判小判を貰いますが、意地悪爺さんはねずみたちから全てを奪い取ろうとします。そんな爺さんは最後にはもぐらになる物語。
因果応報が感じられる日本昔話です。
相手の気持ちを考えるきっかけになる「どうぞのいす」
「どうぞのいす」といううさぎが作った椅子から始まる優しさ溢れるストーリー。どうぞのいすに置いてあるものを動物たちは食べてしまいますが、後の動物の事を考えて代わりのものを置いていくのが繰り返されます。
優しさが紡がれていく名作です。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。
以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 悪いことをしたら、それは自分にも返ってくることを感じる
- 登場人物に共感して、相手の気持ちを想像する
目的・ねらい1
因果応報を伝えることができます。
我々大人も不変の真理として理解している”悪いことをしたら自分に返ってくる”ということをストレートに伝えているので、子どもにもそれとなくその意味は理解することができるでしょう。
上記の意味を本当に理解することはとても難しいことなので、この絵本を読み聞かせる年齢のときは、「こんなことしたらこんなことが起こるんだ」ぐらいの感覚で十分だと思います。
目的・ねらい2
感じ方は人それぞれ、様々な考え方があります。
登場するのは、お爺さん・お婆さん・狸・うさぎの4人のみなので、それぞれの気持ちを考える余地が十分にあり、共感しやすくなっています。
狸は確かに悪いことをしたけど、それを仕返しするうさぎも悪いのかな…そんな思いを感じながら見ることで、他人への共感力も高めることができるでしょう。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に4歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 劇、発表会など |
対象年齢
3,4,5歳児がおすすめです。
登場人物の気持ちを考えるということは実はかなり高度なこと。なので、ある程度自己と他者の違いが理解できるようになる3歳頃から読むといいでしょう。
また、教訓を読み取ることもとても難しいことなので、乳児には話の概要を理解する事は難しいです。
時期・季節・行事
物事の因果関係がある程度理解できるようになってからがいいでしょう。
「かちかちやま」は、「これをしたからこうなった」という物事の因果関係が理解できることで、よりその物語に深みが増します。
因果というと難しく聞こえますが、例えば「走ったから怪我した」というような原因と結果が理解できるようになったら、十分「かちかちやま」を楽しむことができるでしょう。
季節とは関係のないストーリーですが、人数が少ない場合は劇や発表会などの行事に取り入れるのも起承転結がある作品なので面白いです。
読み聞かせのポイント
「かちかちやま」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。
読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 登場人物になりきって読みましょう。
- 読み手がどう感じたのかを伝えないようにしましょう
ポイント1
気持ちを込めて読むと、それは聞き手にも伝わります。
文の構成は登場人物4人の会話が多く出てきますので、今誰が話しているのか分かりやすくするように声色を変えながら読むと、子どもの理解もより深まると思います。
悲しみ・怒り・喜びなど人間の感情を表現した言葉なども頻繁に使われるので、登場人物の心情を読み手も考え読むことで、1つの劇のように絵本の内容を伝えることができるでしょう。
ポイント2
聞き手の思いを大切にしましょう。
絵本を読むうえでは当たり前なのかもしれませんが、読んだ後に読み手がどう思ったのかを伝えないようにしましょう。
絵本を読んだ後にどう感じるのかは、子どもそれぞれ違います。親や保育者が感想を伝えてしまうと子どもも、大人の感想が正しいと感じてしまう可能性があります。
私も実際に読んだ後には、特にこの絵本は、「狸悪いね」「狸が可哀そう」「うさぎ強い」などなど、様々な感想が出てきました。
子どもがどう思ったのかを邪魔することのないようにしましょう。
まとめ・Ryuの感想
子どものリクエストがとても多い、不思議な力を持った絵本です。
今更なんでこの昔話を紹介したのかというと、これまで読んだ昔話の中で一番反応が良かったからです。
理由は本当によく分からないのですが、子どもから「これ読んで!」とリクエストをもらうことが多いのです。
私は教訓を伝えたり、共感力を育むことを目的としていますが、子どもは子どもなりに何かいろいろなことを考えて、面白いと感じているのだと思います。
こういった昔話は絵が怖いタッチで描かれていることが多いのですが、いもと ようこさんが描いている昔話シリーズは絵のタッチが優しくて個人的に大好きです。
昔話を知る機会が減ってしまっている今、教養としても是非読んでほしい絵本です。
この昔話シリーズは気に入りなので今後も紹介していきたいと思います。
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