【4,5歳児おすすめ絵本】ぼくはチャッピー【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「ぼくはチャッピー」は私が”人やモノを大切にする気持ちを持って欲しい””想像を通して視野が広がって欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
作 | たなかゆうた |
文 | よしだあいね |
出版社 | 夢玄舎 |
発行日 | 2022/2 |
値段 | ¥990 |
大きさ・ページ数 | 21×29.6cm/29p |
「ぼくはチャッピー」はこんな絵本!
「ぼくはチャッピー」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「ぼくはチャッピー」を簡単にまとめてみました。
- 優しいタッチで描かれた愛が感じられる作品。
- 身の回りの人やモノを大切にする良さが感じられる。
- アニミズム的思考からごっこ遊びに繋がる。
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
ぬいぐるみ同士のやり取りも愛おしい愛のお話し。
チャッピーはとある遊園地の人気者。
自分の他にもたくさんいるチャッピー…自分ってなんだろうと考えていたある日一人の男の子が来て、「ぼく」を選んでくれました。
男の子の家にはミミという白いクマのぬいぐるみがいて、男の子の名前がよしきであることやミミ自身の事など他愛のないお話をしながら二匹は仲良くなっていきます。
よしきくんはチャッピーとミミをとても大切にし、一緒にテレビを見たり、寝る時も一緒です。
ある時チャッピーの鼻が犬に取られてしまいましたが、それでもよしきくんはチャッピーを変わらず愛してくれます。
そしてチャッピーに大切な名前も付けてくれました…。
モノを大事にする大切さ、愛する嬉しさ、愛される喜びが感じられる温かい絵本です。
こんな方におすすめ
- 何かを大切に思う温かさが感じられる絵本を探している
- 想像する楽しさが感じられる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「ぼくはチャッピー」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
愛する喜びが感じられる深い作品「100万回生きたねこ」
100万回も死なない猫の深いお話し。100万回死んで、100万回生きた猫がいました。ある時は王様の猫、ある時は船乗り、またある時はサーカスの猫でした。ある日、白猫に出会います。その白猫と子どもを授かり、過ごしていく中で愛を知ります。
愛する喜び、悲しみが繊細に描かれた名作です。
愛される喜び、安心感が得られる「どろんこハリー」
白い犬のハリーはお風呂が大嫌い。ある日、体を洗うブラシを隠して、家の外へ抜け出します。工事現場や橋の上、鬼ごっこをしていると汚れて黒犬に。家に帰り、お家の人に体を洗ってもらい、最後はお気に入りの場所でぐっすりお昼寝出来て幸せなハリーでした。
子どもなら必ず共感してしまう作品です。
目的・ねらい
- モノ・人を大切にしようとする
- 会話の楽しさを知り、想像力を豊かにする
目的・ねらい1
無条件の愛が感じられます。
お話しできないぬいぐるみでも、鼻が取れてしまってもよしきくんはミミとチャッピーを大切に思ってくれています。
それはまるで親と子の関係のような無条件での愛情です。
愛する・大切にする、という事がどういうことなのかがよしきくんの言動から感じられますし、愛される喜びもミミとチャッピーの言葉や表情から感じる事が出来ます。
皆のやり取りを見ていると身の回りのモノ・人を大切にしたいと自然に感じるでしょう。
目的・ねらい2
本当にぬいぐるみ同士でお話ししてるのかな…と考えてしまいます。
「ぼくはチャッピー」の魅力の1つとして、ぬいぐるみのチャッピーとミミの会話が挙げられます。
新入りのチャッピーに色々と教えてあげるお調子者ミミとのやり取りが面白く、会話の楽しさを感じる事ができます。
また、実際にぬいぐるみ同士で「こんな会話しているのかな」と思えるような文が盛り込まれており、ぬいぐるみの視点にも立つことができますし、「自分の持っているぬいぐるみもお話ししてるんだろうな」と想像力を豊かにすることもできます。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に4歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 関係なく楽しめます |
対象年齢
4,5歳頃がおすすめです。
文の量やページ数を考慮すると幼児期に読むのが適しているでしょう。
また、モノを大切にする気持ちや愛する、愛されるという事がどのようなことなのかをある程度理解していることで、更に楽しみが深まる作品なので、心が十分に育っている事が予想される4,5歳に読むことをお勧めします。
時期・季節・行事
モノや人を大切にする気持ちが育まれてきた頃がいいでしょう。
モノや人を大切にしたり、優しくしなければいけないことは、子どもが育っていく中で少しずつ分かっていくものです。
そして、「ぼくはチャッピー」では、大切にされている側の気持ちや視点がしっかりと描写されているので、大切にされたときの相手の気持ちが理解でき、何故大切にしなければいけないのかを感じる事ができます。
季節に関する描写はありませんし、行事とも特に関連性はないので、一年中楽しむ事ができます。
読み聞かせのポイント
- 声色を分け、会話を引き立てましょう
- 落ち着いた雰囲気を作り、心で感じられるようにしましょう
ポイント1
会話部分とナレーション部分を明確に分けましょう。
ちょっと不安げなチャッピー、お調子者のミミ、優しいよしきくん…それぞれのキャラクターがしっかりと立っている作品です。
なので、個性を感じる事ができるように声色を変えて読むと、聞き手にそれぞれがどういったキャラクターなのかが伝わりやすくなり、絵本の世界にも入り込みやすくなります。
また、悲しみや喜び、不安といった感情の変化もあるので、キャラクターがどういった心境をしているのかを理解した上で読むことで、内容をよりしっかりと伝える事ができるでしょう。
ポイント2
読むときの雰囲気で印象も変わります。
個人的には”愛”というテーマを強く感じた作品なので、言葉や絵だけでなく心でもしっかりと「ぼくはチャッピー」の良さを受け止めることで初めて作品の良さが100%伝わるように感じています。
100%伝えるには雰囲気作りは欠かせません。
読む前に落ち着くことが出来る場所や時間を用意したり、読んでいるときも声色を優しくすること、特にナレーション部分はゆったりとしたテンポで読むことで、作品を通して落ち着いた雰囲気を作る事ができます。
読み手が絵本の内容を受け止められる準備をするのも読み手の大切な役割です。
まとめ・Ryuの感想
優しいタッチ、優しい内容…優しさで溢れた一冊です。
SNSの繋がりを通して作品を知り、購入した絵本。
Youtubeにも作品が紹介されていますが、やはり実際に触れて読むことで感じる事ができる絵本の良さが特に強く感じられた絵本です。
3歳から5歳児に読み聞かせを行った時には、4,5歳の反応が良く「うちにもぬいぐるみある!」と、実際に持っているぬいぐるみや大切なものを思い浮かべながら絵本を楽しんでいる事が感じられました。
読み終えた後もどこか温かい雰囲気が子どもの中に流れていて、子どももそれぞれ感じる事があったのだと思います。
多くの人が子どもの時に持っていたお気に入りの人形・ぬいぐるみがあったかと思います。
そんな昔の思い出を温かく蘇らせてくれる温かい絵本なので、大人にも是非読んで欲しい一冊です。
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