【子どもが思わず共感する】どろんこハリー【現役保育士がレビュー】

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【3,4歳児おすすめ】どろんこハリー【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】

Ryu

「どろんこハリー」は私が”絵本“共感する感覚を味わって欲しい””家が安心できる場所だと改めて感じて欲しい“というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。

目次

作品紹介 

ジーン・ジオン
マーガレット・ブロイ・グレアム
わたなべ しげお
出版社福音館書店
発行日1964/3
値段¥1320
大きさ・ページ数30×22cm/32P

「どろんこハリー」はこんな絵本!

「どろんこハリー」ってどんな内容の絵本?

 そんな疑問にお答えするために「どろんこハリー」を簡単にまとめてみました。

  1. 発行部数190万部を超えるミリオンセラー作品
  2. 子どもが思わず共感してしまうストーリー
  3. 戻れる場所があるという安心感を得る事ができる

まるわかりQ&A

「どろんこハリー」を一言で表すと?

子どもが共感する描写が盛りだくさんの超名作!

子どもの反応は?

じっと聴いたり、ハリーの様子に笑いながら楽しむ!

「どろんこハリー」を読んで得られる事は?

共感する良さを感じる事ができる!

家の温かさを感じる!

ずばり何歳向け?

4歳児向け!

どんな人は買い?

感情移入、共感しやすい名作を探している人!

絵本ナビなら中面をチラ見できます!レビューもチェック!

あらすじ・ストーリー・内容

ハリーとその家族のドキドキと温かな日常が描かれています。

 ハリーは黒縁のある白い犬。何でも好きだけど、お風呂に入るのだけは嫌いです。体を洗うブラシを咥えて庭に埋めてしまいました。

 そしてそのまま外へ抜け出し、道路工事をしている場所で遊んで泥だらけ、次は鉄道線路の橋の上で遊んですすだらけ…。他の犬と鬼ごっこをしたり、石炭で遊んでいるといつの間にやらハリーは黒い犬になってしまいました。

 もっと遊びたかったけれど、お家の人が心配しているだろうし、お腹もすいたので帰ることに。庭に戻りますが、黒い犬になっていたので家の人はハリーだと気づきません。

 そこでブラシを掘り出し、ブラシを咥えてお風呂に飛び込みました。家の人もお風呂に入りたがっている事に気付きます。

 そして皆で洗ってあげると汚れが落ちて、黒縁の白い犬、ハリーだとようやく分かりました!

 その後はゆったりお気に入りの場所でぐっすりと寝る事ができ、幸せなハリーでした。

 家庭の温かさが感じられる名作です。

こんな方におすすめ

  1. 感情移入・共感がし易い絵本を探している
  2. 安心を感じる事ができる絵本を探している

絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!

「どろんこハリー」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!

身近な人の大切さが感じられる「くまのがっこう ジャッキーのゆめ」

 ジャッキーと兄弟との温かな日常が描かれているくまのがっこうシリーズ。ジャッキーが将来の夢についてあれこれ考えますが、どこかへんてこな夢ばかり。そんなジャッキーのお兄ちゃんの夢はずっと皆で一緒にいること。

 将来の夢についても考える事ができる一冊です。

子どもの気持ちに寄り添った絵本「はけたよはけたよ」

 パンツを上手に履くことが出来ずに悔しい思いをしている子が描かれています。一回は嫌になって投げ出してしまうものの、お母さんの支えなどを経ながら、最後は工夫を凝らして自分で履くことができます。子どもこそ共感できる内容です。

 お母さんの温かみも感じられる一冊です。

目的・ねらい

  1. 共感を通してキャラクターの気持ちを理解しようとする
  2. 帰る場所があることを実感し、安心感を得る

目的・ねらい1 

ハリーは子どもそのもの!

 ハリーの行動や感じている事を見ていると子どもそのものが表現されているように感じられます。

 嫌なものは絶対にしたくないし、モノを隠したり、体が真っ黒になるまで遊んだり、それでも最後は安心できる家に帰ったり…。

 そんなまるで子どもを描写したようなハリーを見ていると思わず子どもも共感してしまいます。寧ろ子どもだから共感できる事が多いのではないかと思います。

 共感を通してハリーの気持ちを考えることは相手の気持ちを理解する、理解しようとする事に繋がっていきます。

目的・ねらい2  

安心できる場所があることを認識できます。

 目的・ねらい1でも書いたようにハリーは子どもそのもの。そんなハリーに共感する中で、ハリーが最後に家に戻りぐっすり眠る描写を見ることで「家っていいな」「家族っていいな」と感じる事ができます。

 自分を大切に思ってくれている家族がいる事、帰る場所があることを再認識することで、自分は愛されている存在だと気付く事ができます。

 その感覚は乳幼児期の成長の中でとても重要な自己肯定感へと繋がる大切な感覚です。

チェックポイント

現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。

年齢3,4歳児、特に4歳児
季節一年中
行事関係なく楽しめる

対象年齢

幼児期以降がおすすめです。

 「どろんこハリー」は共感や感情移入をしながら楽しむ絵本です。しかし、キャラクターの気持ちを想像することはとても高度なこと。

 乳児期には難しい事なので、幼児期、特に相手の気持ちを理解し始める4歳児頃がいいでしょう。

時期・季節・行事

相手の気持ちを考え始めた頃がいいでしょう。

 対象年齢の項で書いてある事に関連しますが、共感や感情移入を伴う作品なので相手の気持ちがそれとなく想像できるようになった頃に読む事で、「どろんこハリー」をより楽しむ事ができます。

 楽しむ事ができるだけでなく、本作を通じて更に共感力、相手の思いを考える力が身につく事が予想されます。季節や行事に関連する描写などはないため、一年中いつでも楽しむ事ができます。

読み聞かせのポイント

  1. 抑揚をつけすぎずに読みましょう
  2. 少しゆったり読みましょう

ポイント1  

文構成のほとんどがナレーション!

 「どろんこハリー」は会話があまりなく、文のほとんどが内容の状況を説明している構成になっています。

 ハリーの冒険にドキドキできる展開となってはいるものの作品全体を通して温かみのある作品となっているので、会話部分であっても大きく抑揚をつけたり、声色を変えてしまうと雰囲気を壊してしまう可能性があります。

 淡々とまでは言いませんが、落ち着いた雰囲気を作れるように心掛けましょう。

ポイント2

描写の細かさにも注目です。

 「どろんこハリー」は細部までしっかりと描かれている絵も素晴らしい点の1つです。

 温かみのある作品の雰囲気を大切にするという意味でも少しゆったりと読むことをおすすめしますが、その素敵な絵をゆっくりと見れるようにするためにも読むスピードを気持ち遅めにすることを意識するといいでしょう。

 じっくりと絵を見ることで作品への気持ちの入り方も変わってきます。

 

まとめ・Ryuの感想

子どもの心にそっと寄り添ってくれる一冊。

 ハリーの何気ない日常の中から、家族や家の温かみが感じられる絵本。そんな内容に自然と心が惹かれるのか子どもからも人気が高い絵本の1つです。

 読み聞かせでも人気ではあるものの、特に子どもが一人でよく読む絵本という印象があります。

 友達と遊び終えた後にゆったりとしたいとき、少し疲れて一人になりたい時などにそっと「どろんこハリー」を持って一人で読んでいる、そんな子どもの姿を何度も見てきました。

 それはきっとハリーの姿に自分自身を重ねやすく、絵本の世界に入り込みやすいからだと思っています。

 大人が読んでも素敵な名作ですが、子どもからしても子どもに寄り添ってくれる名作です。

Ryu

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