【4歳,5歳児おすすめ絵本】はじめてのおつかい【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「はじめてのおつかい」は私が”絵本の世界に自己投影する体験をして欲しい””感情移入し、登場人物の感情を感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
「はじめてのおつかい」はこんな絵本!
「はじめてのおつかい」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「はじめてのおつかい」を簡単にまとめてみました。
- 発行部数240万部以上のダブルミリオン&ロングセラー作品
- 幼児が共感できる描写、場面が随所にある
- 感情移入し、相手の気持ちを考えるきっかけになる
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
没入感が味わえる子どもの等身大の絵本。
みいちゃんはお母さんに牛乳のおつかいを頼まれます。
驚きながらももう5歳だからと自信を持って引き受け100円玉を握りしめてお店へ向かいます。
しかし、とても速い自転車が来たり、坂道で転んでしまったり、100円玉を落としてしまったり…大変な事がありながらもお店に着きました。
ドキドキしながらお店の人を呼びますが誰も来ません。
他のお客さんが来たり、車が通ったりして中々呼ぶこともできませんでしたが、勇気を振り絞り「牛乳下さい!」と呼ぶことができました。
無事に牛乳を変えて安心したのか、涙がポロリ…。
忘れそうになったおつりも受け取りお家へ向かい、お家の前ではママと赤ちゃんがまっていました。
見ている方もドキドキしてしまう名作です。
こんな方におすすめ
- 絵本の世界に自分を投影できる絵本を探している
- ドキドキ・ワクワクできる絵本を探している
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「はじめてのおつかい」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
自己投影できる寝る前に読みたい「よるくま」
男の子は寝る前にママに昨夜に出会った”よるくま”のお話しをします。よるくまと一緒によるくまのママをあちこちに探しに行った話、ママと会う事ができたお話し…。子どもの内面に寄り添う名作です。
想像しながら楽しめる一冊です。
子どもがキャラクターと自分を重ね合わせる「どろんこハリー」
白い犬のハリーはお風呂が大嫌い。ある日、体を洗うブラシを隠して、家の外へ抜け出します。工事現場や橋の上、鬼ごっこをしていると汚れて黒犬に。家に帰り、お家の人に体を洗ってもらい、最後はお気に入りの場所でぐっすりお昼寝出来て幸せなハリーでした。
愛される喜び、安心感も覚えられる作品です。
目的・ねらい
- 自己を絵本の中に投影し、感情移入する
- 次の展開を考え、想像することを楽しむ
目的・ねらい1
みいちゃんと一心同体!
読み手になるであろう5歳という年齢や、一人でおつかいに行ったことのないという設定、どこかみたことあるような街並みや人々…絵本の世界やみいちゃんに自分をついつい重ねてしまいます。
おつかいを頼まれたときの驚き、道中の怖さ、牛乳を買えない悲しみ、帰った時の喜び…様々な感情が動く作品なので、読み手も自分が普段持っている感情とみいちゃんの感情を重ねやすく、感情移入がしやすくなっています。
感情移入するということは、他者の気持ちを想像するということ。
その能力は集団生活を送る上で欠かせないものですね。
また、みいちゃんと自分を重ねて、まるで自分が絵本の世界に入り初めてのおつかいを経験しているような不思議な体験ができるでしょう。
目的・ねらい2
次はどうなるんだろう…。想像の連続です。
目的1と繋がる部分が多いのですが、絵本の世界に入り込み、感情移入をするからこそ、次の展開がどうなるのか想像せざるを得ません。
みいちゃんはお店に行けるのか、牛乳はどうやって買うのか、ちゃんと帰れるのか…「次は何が起こるんだろう」と自然と想像してしまいます。
現実に起こり得る内容だからこそ、より想像しやすく、想像力を豊かにするのにぴったりな絵本となっています。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 4,5歳児、特に5歳 |
季節 | 一年中 |
行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
4,5歳児がおすすめです。
みいちゃんが5歳ということを考えると、5歳が読むことでより自分とみいちゃんを重ねやすくなるでしょう。
内容としては、3歳児でも十分楽しむことができるので、5歳にこだわる必要は特にありません。
時期・季節・行事
お手伝いやお買い物に関心を持てるようになった頃がいいでしょう。
「はじめてのおつかい」は題名の通り、初めて行くおつかいがテーマです。
なので、お手伝いをしたい時期やお買い物に興味を持てるようになった頃に読むことで、みいちゃんがどういう気持ちなのかをより想像しやすくなるでしょう。
季節や行事とは特に関係がないので、一年中楽しむ事が出来る作品です。
読み聞かせのポイント
- 登場人物の声を分け、感情を乗せましょう
- 事前に読んで、展開を理解してから読みましょう
ポイント1
演じ分けで臨場感を演出しましょう。
文の構成としてはナレーション部分の方が多い作品ではありますが、作品全体を通して登場人物の感情が大きく動くので、言葉や会話の部分でしっかり感情を表すように読んだ方が、読み手は登場人物がどんな感情でその言葉を言っているのかが分かりやすくなります。
ページごとの状況理解や登場人物の感情を理解する事によって、感情移入に繋がるでしょう。
また、一冊を通してのストーリーとなっているので途中でアクセントとして感情の籠った言葉を言う事で、読み手がその都度意識を向ける事ができ、集中の持続にも繋がります。
ポイント2
流れの把握で読み方が変わります。
読み聞かせを行うときは、ついつい事前に内容を把握せずその場で書いてある文字をただ読んでしまうことも多いと思います。
全絵本にも共通して言えることではありますが、特に「はじめてのおつかい」は感情が動く場面があったり、読み方に変えないとどことなく辻褄が合わなくなってしまう部分があるので、しっかりと事前に読むことをお勧めします。
例えば、「『牛乳ください。』うんと大きな声を出そうと思ったのに小さな声しか出ませんでした」という一文があるのですが、事前に話の流れを理解しておかないと、「牛乳ください」を普通の声で読んでしまうケースも出てきてしまいます。
聞き手がストーリーをしっかりと楽しむためにも事前に流れを理解しておきましょう。
まとめ・Ryuの感想
等身大の5歳が描かれた、子どもに寄り添った絵本。
私が初めてこの絵本を読んだ時、どうしてここまで人気がある絵本なのか正直分かりませんでした。
しかし、子どもの様子や反応を見る中で少しずつその理由もわかってきました。
私の中では、5歳のリアルな反応や気持ちが登場人物のみいちゃんに反映されているからこそ、子どもがここまで感情移入したり、絵本の世界に自己を投影できるのだと考えています。
子どもの事をよく理解して、寄り添って描かれた絵本だと言えるでしょう。
実際に読み聞かせをすると子どもがみいちゃんになりきって一緒にドキドキしているのがよく分かります。
感情移入して他者の気持ちの理解を助ける事ができる、幼児期に一度は読みたい名作です。
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