【1,2歳児おすすめ絵本】おしくら・まんじゅう【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「おしくらまんじゅう」は私が”言葉の面白さを感じて欲しい””人・モノには個性がある事を感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 言葉に興味を持ち、言ってみようとする
- 自分の気持ちや感情に気付く
- モノの特性に気付き、身の回りのモノに関心を持つ
作品紹介
「おしくら・まんじゅう」はこんな絵本!
「おしくら・まんじゅう」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「おしくら・まんじゅう」を簡単にまとめてみました。
- だるまさんシリーズのかがくいひろしさんが描いた笑える作品
- 言葉の繰り返しがあり言葉の面白さに気付くことができる
- 人・モノには個性、特性があることを感じる事ができる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
おまんじゅうがいろんなものをおしくらまんじゅう!
紅白のおまんじゅうが茶色いおまんじゅうを発見。「そーれ ♪おしくら まん じゅう おされて ぎゅ~ おされて ぎゅ~ ぎゅ~ ぎゅ~ ぎゅ~ おされて~」と言いながら押していると茶色いおまんじゅうは泣いてしまいます。
ちゃちゃっと謝って次のターゲットを発見。お次はこんにゃく。こんにゃくもおまんじゅう同様に押しますが、こんにゃくは弾力があり跳ね返されてしまいます。
お次は納豆!納豆はねばねばでくっついてしまいます。
そして最後はなんと幽霊を発見。幽霊をおしくらまんじゅうしていると…ぱくっと食べられてしまいました!
おまんじゅうも幽霊になってばいばーい。
言葉の響きが面白く、おしくらまんじゅうをしたくなる一冊です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「おしくら・まんじゅう」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 乳児向けの言葉の響きが面白い絵本を探している
- 個性について感じる事ができる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「おしくら・まんじゅう」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
言葉の響きと色が楽しめる「まるまるぽぽぽん」
赤ちゃんが親しみやすい丸や顔が沢山出てきて0歳から楽しめる作品。「ぱ」「ぽ」などの半濁音が多く使われているので、言葉の響きを楽しむ事ができます。
色彩豊かな構成で色も楽しめる一冊です。
落ち着いた雰囲気で言葉の面白さが感じられる「もこもこもこ」
「もこ」「にょき」「ぷうっ」など面白い響きの言葉と不思議な生き物のようなものが絶妙に合わさり、本作しか出せない面白さを演出しています。
笑わない子はいないであろう一冊です。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 言葉の響きや絵を通して、絵本を面白いと感じる
- 人・モノには個性があることを感じる
目的・ねらい1
「絵本って面白い!」と感じるのにぴったりです。
多くの事を学ぶことができる絵本ですが、まずは絵本そのものを好きにならないと何も始まりません。
そこで、「おしくら・まんじゅう」を読むことで、繰り返される言葉、またその響きが面白く感じたり、絵も面白おかしく描かれているので視覚的にも面白さを感じる事ができます。
そんな聴覚・視覚を通した面白さを通して絵本そのものが面白いものであると認識することができるでしょう。
乳児期の頃は、物語としての面白さよりもこうした聴覚・視覚を通した直接的な面白さの方がストレートに響きます。
目的・ねらい2
周りには形も中身も違うモノばかり!
「おしくら・まんじゅう」では、泣いてしまう茶色いおまんじゅう、跳ね返す強いこんにゃく、すぐにくっつく納豆、食いしん坊幽霊の個性豊かなキャラクターが登場します。
それはまるで人間の世界と同様に人の個性を表しているかのようです。
同じ見た目の人もいなければ、同じ中身(心)を持った人もいません。そんなことを面白いストーリーを通して伝えているように私は感じます。
子どもにとっては「いろんなモノがあるんだな。おまんじゅうは泣くし、幽霊は食いしん坊なんだな」といった印象だけだと思いますが、それでも身の回りには様々な個性のモノがあることを感じる事はできるでしょう。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳児期、特に1歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
1歳児以降がおすすめです。
文の量や話の長さから考えると1歳児から楽しむことができるでしょう。
話の繋がりよりもページ毎に面白い展開が描かれている絵本なので、乳児であっても飽きずに最後まで聞くことができます。
絵本そのものの面白さを伝えるのにも適しているので、乳児期に是非読みたい絵本です。
時期・季節・行事
発語が増え、言葉の面白さに気付いてきた頃が良いでしょう。
「おしくら・まんじゅう」の1つの特徴としては、一定の言葉の繰り返しやテンポのいい言葉が挙げあれます。
子どもにとって、言葉の繰り返しやテンポのある言葉はとても面白く感じ、ついつい一緒に言いたくなるものです。
言葉の面白さに気付いてきた頃の子に読むことで、一気に言葉の魅力に引き込むことができるでしょう。
季節が感じられる作品ではありませんし、行事としても読むタイミングはないと思います。
読むときのポイント
「おしくら・まんじゅう」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 言葉のリズムが感じられるように読みましょう
- 聞き手の反応を待ってから進みましょう
ポイント1
言葉そのものの面白さに気付かせてあげましょう。
「おしくら・まんじゅう」は内容自体の面白さも勿論ですが、言葉の響きの面白さも特徴の1つです。
なので、言葉の響きや繰り返しの面白さが十分に伝わるように工夫して読みましょう。
特に「そーれ ♪おしくら ○○(それぞれの食べ物等)」「おされて ぎゅ~ おされて ぎゅ~ ぎゅ~ ぎゅ~ ぎゅ~ おされて~」という何度も登場するフレーズはこの絵本の中でも肝になる言葉です。
歌のようなリズムで言ってみたり、「そーれ」を合図にし、その後の言葉を聞き手と一緒に言うことで言葉自体に親しみを感じたり、面白さを感じながら聞くことができるでしょう。
子どもも覚えやすいフレーズなので、是非一緒に声を合わせて読んでみてください。
ポイント2
絶妙なタイミングを見極めましょう。
絵本の面白さを決める1つのポイントとしてめくるタイミングがあると思っています。特に「おしくら・まんじゅう」のような聞き手が笑うことが予想される絵本では、聞き手の反応をよく見て次のページにいくようにしましょう。
タイミングとしては”聞き手の笑いなどの反応が消える少し前”に次のページに進むと、面白さの余韻を残したまま次のページにスムーズに進めるようになります。
タイミングが早すぎても面白さを十分に堪能できませんし、反応が完全に消えてからページをめくると流れが切れてしまうので、全体の流れを切らないタイミングをよく見て読み聞かせを行いましょう。
最初は難しいと思いますが、何度も読むうちにタイミングが自然と掴めるようになります。絵本は一方通行ではありません。読み手と聞き手の対話です!
まとめ・Ryuの感想
乳児の面白絵本の定番です!
成長するにつれて笑いの感性も豊かになっていきます。
特に乳幼児期は言葉の響きに敏感で今作の言葉の繰り返しや文の構成を面白く感じる子が多くいますし、内容や絵もどこかくすっと笑えるタッチで描かれています。
私は1歳児クラスによくこの絵本を読んでいましたが、何度読んでも笑って聞いていました。成長につれて豊かになっていった笑いの感性に響くのでしょう。
また、こちらが意図したことではないものの言葉が発達する中で自然と繰り返し書かれているフレーズを子どもが覚え、私と一緒に声を出して読むようになりました。
2歳児クラスになる前にはクラスで大合唱になるほど、みんなが言葉を覚えて一緒に読んでいたのが印象に残っています。
言葉の獲得・発達、面白さの感性の育ちなど1歳児にぴったりな要素が詰まっており、その育ちを助けてくれる内容にもなっているので、1歳児の頃に読んでおきたい一冊になっています。
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