【1,2歳児おすすめ絵本】ねずみくんとゆきだるま【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「ねずみくんとゆきだるま」は私が”冬や雪に親しみを感じ、冬を楽しんで欲しい””自分の事を認める、自信を持つきっかけになって欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 冬に楽しいイメージを持つ
- 雪に興味や関心を示す
- 自分に自信を持つ
作品紹介
「ねずみくんとゆきだるま」はこんな絵本!
「ねずみくんとゆきだるま」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「ねずみくんとゆきだるま」を簡単にまとめてみました。
- シリーズ累計発行部数400万部を超えるねずみくんシリーズの冬に読みたい一冊
- 雪で遊ぶ描写が多く、冬や雪に親しみを感じられる
- 大きな動物に勝つ姿を見て、自分に自信を持てる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
冬に読みたいねずみくんシリーズ!
雪が降って大喜びのねずみくん。早速雪合戦をしようとしますが…。ねずみくんシリーズお馴染みのうさぎ、ライオン、クマ、ゾウが大きな雪玉を投げ、圧倒されてしまいます。
お次は雪合戦はやめて雪だるまを作ることにしました。しかし、またしても4匹の動物の方が大きな雪だるまを作ってびっくり!
諦めて女の子のねみちゃんとそり遊びをしていましたが、他の動物たちはスキーをしていました。
うさぎに半ば強引にスキーをやらされますが、滑ることができず坂を転がっていきます。すると、どんどん大きな雪玉ができて最後は誰よりも大きな雪だるまが完成!
最後のどんでん返しが気持ち良い作品です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「ねずみくんとゆきだるま」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 冬に楽しめる乳児向け絵本を探している
- 苦手なことでも周りに追い付き、追い越せることを感じられる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「ねずみくんとゆきだるま」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
動物たちの言葉のやり取りが面白い「てぶくろ」
森の動物たちが落ちているてぶくろに入る為に言葉を交わしていきます。一定のやり取りが楽しく、何度も読みたくなります。
ウクライナ民謡から生まれた傑作絵本。
寒い冬にぴったりな一冊です。
繰り返す展開が心地良く、楽しい「ねずみくんのチョッキ」
ねずみくんの絵本シリーズの第一作目。お母さんが編んでくれた赤いチョッキ。ねずみくんにとっても似合っていますが、あひる、さる、あしか、らいおん、ぞう…様々な動物たちもちょっとキツイけどチョッキを着れて嬉しそう。
誰しもが楽しめる乳児期に読みたい名作です。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 冬の訪れや雪が降るのを楽しんだり、楽しみにする
- 自己肯定感や自信を持つ
目的・ねらい1
冬の雰囲気が温かく描かれています。
ねずみくんの雪に大喜びする姿を見ていると「雪って楽しそうだな」と自然と思えてきます。
また、雪合戦や雪だるま作り、そり・スキーなど雪を使った遊びも描かれていて雪で遊びたくなるような描写がたくさん描かれているので、雪が降ることで具体的にどのような楽しみがあるのかが理解できます。
雪の存在をまだ認識していない子にとっては、雪を知るきっかけにもなりますし、既に知っている子は、冬の訪れを楽しみにしたり、雪が降ることを待ち遠しく思えるでしょう。
目的・ねらい2
「私なんか…」。そんな悩みを飛ばしてくれます!
雪合戦をすれば、他の動物たちの方が大きい雪玉を作り、速く投げられる。雪だるま作りは、みんなの方がとっても大きいものを作れる。ソリはできるけど、スキーはできない…。
体が小さかったり、出来ないことがあるねずみくんでも最後は誰よりも大きな雪だるまを作ることができます。
子どもであってみんな何かしらのコンプレックスは抱えているものです。しかし、そんなコンプレックスを持っていても関係ないと、「ねずみくんとゆきだるま」を読んでいると感じる事ができます。
「体が小さくてもいいんだ」「できないことがあってもいいんだ」「周りの子にも負けない時があるんだ」など、自己肯定感や自信を持つことができるでしょう。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 1,2歳児、特に2歳児 |
季節 | 冬 |
行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
1歳児以降がおすすめです。
雪という自然現象を認識するのは難しい事ですが、1歳児であっても「ねずみが何か”ゆき”ってもので楽しんでいる」という状況はそれとなく感じる事ができます。
雪を見たことがあってもなくても、雪を知るきっかけになりますし、雪に関心を示さなくても馴染みのある動物が出てくるので、動物を入り口としても楽しむことができます。
文字も少なく、すぐに読めるので、乳児に読むのに適しています。
時期・季節・行事
雨や雷などの自然現象を認識できるようになる頃が良いでしょう。
自然現象の名前は知らなくても「何かが空から降っているな」「空が光るとゴロゴロ音がなるな」などの認識があり、「あっ!」と言って指差しをしたりするようになったら、「ねずみくんとゆきだるま」十分に楽しむことができるでしょう。
季節としては、もちろん冬になります。行事に関する描写は特にないので、冬だったらいつでも楽しめます。
読み聞かせのポイント
「ねずみくんとゆきだるま」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- ねずみくんの感情を読み取って感情を声で表しましょう
- 後半は読むリズムを少し速くしましょう
ポイント1
感情を声で表現することで作品が深まります。
「ねずみくんとゆきだるま」の作品の中で、ねずみくんの感情としては、喜び・驚き・不安・妬みなどです。
最初のページで雪が降っているところでは声を少し高くして、喜びを表現したり、他の動物たちが大きい雪玉を投げたり、雪だるまを作っている所では驚きや少し妬ましそうに、スキーの場面では声を小さく震えるようにして、不安を表現しましょう。
絵だけでも十分に楽しむことができる作品となっていますが、声に感情を乗せて使い分けることで、聞き手がねずみくんの感情も理解しやすくなり、より作品に入り込みやすくなります。
作品を通じて急展開や大げさな描写はなく、どこか静かな雰囲気なので、そこまで大げさに表現しなくても十分に感情は伝わります。
ポイント2
作中の展開を読む速さで表現しましょう。
「ねずみくんとゆきだるま」の中で一番の見せ場であり、展開が大きく動く後半のねずみくんが雪玉になって転がっていくシーン。
見せ場だからといってゆっくり読むのは、作品のテンポがなくなり、ドキドキ感が味わえなくなってしまうので、あまりおすすめしません。
坂からゴロゴロと転がっていくときのスピード感を表現するために、少し速く読むことを意識しましょう。
速く読むことで聞き手が落ち着く暇もなく展開してく面白さを演出することができます。
そしてねずみくんが大きな雪だるまになったページでは、あえて時間を掛けて読んだり、次のページにいくまでに間を置くことで聞き手に安心感を与えることができたり、「面白かった」という思いを感じる時間を作ることができます。
絵本を読む際には、声色もとても大切ですが、読むテンポも同じくらい大切です。
まとめ・Ryuの感想
全年齢が楽しめる冬に読みたい絵本です。
ねずみくんシリーズはどの作品も年齢関係なく楽しむことができます。
内容としては、対象年齢の所でも書いた通り乳児クラスに適していますが、幼児クラスでも十分に楽しむことができます。
私も3,4,5歳児の前でこの絵本を読んだのですが、今作「ねずみくんとゆきだるま」の見せ場である、ねずみくんが転がるシーンでは「わー!」と言って楽しんだり、げらげら笑って楽しんでいました。
「また雪降らないかな」とも言っており、雪を待ち遠しく思うことができたようです。
文の量もとても少なく、絵に集中して聞くことができるので、乳児であっても飽きることなく最後まで楽しむことができます。
ねずみくんシリーズを知らない子であっても心から楽しめる絵本となっています。
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