【2,3歳児おすすめ絵本】なんのおと なつ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「なんのおと なつ」は私が”身の回りの様々な音に興味を持って欲しい””夏の音を知り、夏に希望を抱いたり楽しんで欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 生活の中の様々な音の存在に気付き、興味を持つ
- 夏に関連するモノを知り、夏を楽しみにする
- 夏の雰囲気、イメージを知る
作品紹介
「なんのおと なつ」はこんな絵本!
「なんのおと なつ」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「なんのおと なつ」を簡単にまとめてみました。
- 四季の音が楽しめる「なんのおと」シリーズの夏編
- 様々な音、特に夏に関連するモノの音に焦点を当てている絵本
- 夏に関連するモノを知り、夏のイメージが持てる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
夏の音が楽しめる。音と共に想像が膨らむ絵本です。
「チャリーン チャリーン チャリーン リーン リーン」涼しい音色。何の音だろう?そう、お土産で貰った金魚の絵が描かれた風鈴の音。何だかいい気持ち。
「クンクンクン クーン クーン」椅子の下から聞こえるこの音は何の音?ママが連れてきたプードルの鳴き声だ。
「ニュキュウ ニュキュウ ポツポツポツ」庭のささやくような音は何だろう?じぃじぃが植えた百合の花が咲く音だ。「シャーシャーシャー」と噴水の音、「ミーンミーンミーン ジィジィジィ」はセミの声。「ザブンザブー ドドドドー」はイルカのジャンプした音。
最後は「キューン パッパッパッ パラパラパラ」夜空に舞い上がる色とりどりの花火の音。皆で花火を見よう。花火を見たらおやすみなさい。
音と描写で夏が感じられる夏に読みたい一冊です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「なんのおと なつ」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 読み易く、夏を感じる事が出来る絵本を探している
- 身の回りの音に興味が持てる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「なんのおと なつ」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
落ち着いた雰囲気で水遊びが楽しめる「こぐまちゃんのみずあそび」
こぐまちゃんシリーズの水遊び。こぐまちゃんがお花に水をあげたり、金魚にじょうろの噴水、ありさんに暑いからと水を掛けたり…様々な水の楽しみ方が描かれている作品です。
水の観点から夏らしさを感じて欲しい時におすすめの一冊。
子どもと共に果物を食べた気分になれる「くだものどうぞ」
子どもに馴染みのある果物を剥いたり切りながら触れる事ができる仕掛け絵本。仕掛けも魅力的で子どもも思わず仕掛けを触ってしまいます。また、果物を切った時の音も繊細に書かれているので音にも注目できる一冊です。
食べ物に関する音の楽しさにも気付ける絵本を探している場合はこちらをおすすめ。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 生活の中の様々な音に気付き、興味を持つ
- 夏のイメージを持ち、夏を楽しみにする
目的・ねらい1
音の魅力に気付かせてくれる描写が満載です。
「なんのおと なつ」はそのタイトルの通り夏に関するモノの音が多数描かれています。風鈴、噴水、セミ、花火などなど…。夏と聞いたらイメージしてしまうようなものばかりです。
そんな夏らしさが感じられるものも、視覚でそれらの存在を知ってはいるかもしれませんが聴覚で捉えようとしている子どもは少ないかもしれません。
何かを認識する時には耳からの情報も大きな情報源。そんな耳からも物事を捉える楽しさを感じさせてくれる作品です。
目的・ねらい2
夏のイメージ作りにぴったりな描写・言葉がいっぱい!
我々大人は「夏」と聞くと、青い空や海、暑い中でのセミの声、夏祭りや花火大会など、これまでの経験から様々なイメージをすることができます。
しかし、子どもにとってはこれまで夏の経験が多くても6回、本作の対象年齢の2,3歳児だとまだ3,4回しか夏を経験していないことになり、「夏」と聞いても中々イメージするのが難しいことがあります。
そんな夏の情景を目や耳から理解し、雰囲気も感じることができる「なんのおと なつ」を読むことで夏のイメージを持つ事ができ、夏に希望を抱いたり、夏を更に楽しむ事ができるようになるでしょう。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児期、特に2歳児 |
季節 | 夏 |
行事 | 水遊び、花火など |
対象年齢
2,3歳児頃がおすすめです。
文字数も多くなく、音が書かれたページとその答えが描かれている2ページ毎の構成なので分かりやすい。そして、クイズのような展開で楽しめるので年齢が低くても楽しめる内容となっています。
身の回りのモノの名前を覚えたり、認識が広がる2歳児頃に読むことで視覚としてだけでなく聴覚でも物事を捉える楽しさを知るきっかけになるでしょう。
時期・季節・行事
身の回りのモノの認識が広がってきた頃に読むのがおすすめです。
猫や犬、車、花といった日常の中でよく目にするモノは1歳児頃にどんどん覚えてきます。そしてその次の段階として身の回りにあるものの多くに興味を持ち名前を知りたがったりする時期があります。
そうした時期に合わせて読むことで、モノの名前を覚えるだけでなく、音にも関連させて知識や興味を深める事ができますし、知的好奇心を更に満たしていくことが可能となります。
風鈴や花火など夏に関連する音が描かれているので、季節は夏。行事との関連はありませんが、水遊び前や花火を見に行く前などに読むと音も意識しながら、水遊びや花火を楽しめるようになるでしょう。
読み聞かせのポイント
「なんのおと なつ」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 出来るだけ本物の音に近づけて読みましょう
- 聞き手とのやり取りを意識しましょう
ポイント1
音を表現する時は出来るだけ本物のように読む!
「なんのおと なつ」には風鈴、犬、セミ、噴水、イルカの跳ぶ音など様々な音が書かれています。せっかくの音を楽しむ絵本なので、それぞれの音を読み手の言葉で表現する事をおすすめします。
出来る限り近づけて読む事で、その音を実際に聞いている時の事を想像しやすいですし、読み聞かせをしている時にも実際に本物の音を聞いているかのような楽しさを味わいやすくなります。
難しく考えず風鈴は優しく、花火は大きくといったように簡単でも良いので声を使い分けると、その場の雰囲気もガラッと変わります。
ポイント2
聞き手の答えを聞きながらクイズのように読むと楽しさ倍増!
「なんのおと なつ」は特にクイズ形式の絵本ではありませんが、音の文字が書いてあるページの最後には「なんのおと」という言葉が書いてあります。
そんな言葉を聞くと聞き手はついつい何の音であるかを考えてしまいます。その考えている様子をしっかり見たり、聞き手が思いついた答えをちゃんと聞いてから次のページをめくるようにすることをおすすめします。
聞き手が何か答えた時に「なんだろうね?」「〇〇かな?」とやり取りを楽しむ事で、一方的な読み聞かせだけでなく、聞き手と読み手とのコミュニケーションも楽しめる参加型の絵本としても楽しむ事ができます。
まとめ・Ryuの感想
音から夏を捉えた珍しく楽しい作品です。
ストーリーや描写、色、言葉などに焦点を当てて夏を感じられる絵本は多く存在しますが、音に注目して音から夏を感じられる絵本は意外と珍しいもの。
視覚だけでなく聴覚からの情報を合わせる事で子どもの記憶の定着も一段と高まり、夏に対してのイメージが出来たり、夏を楽しみにする気持ちが膨らみます。
音に着目している点や優しい描写も魅力的ですが、どんな子でも楽しみやすいクイズのような感覚で楽しめる内容も素敵で、実際に読み聞かせをすると、「なんのおと」と読んだ後は聞き手が音からイメージを膨らませて考えた様々な答えが飛び交います。
単に夏に関連するモノを知ったり、夏に興味を持つだけでなく、考える中で想像力も豊かにしてくれるといえるでしょう。
目からの情報だけでなく、耳からの情報の楽しさに気付かせてくれる一冊です。
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