【3,4歳児おすすめ絵本】モリくんのりんごカー【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】

「モリくんのりんごカー」は私が”冬の雰囲気を感じながら展開を楽しみ、冬に親しみを感じて欲しい””言葉の響きを楽しみ、言葉の面白さを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 冬の雰囲気を感じ、親しみを持つ
- 展開にドキドキしながら、ストーリーに入り込む
- 言葉の響きの心地良さを知る
作品紹介
「モリくんのりんごカー」はこんな絵本!
「モリくんのりんごカー」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「モリくんのりんごカー」を簡単にまとめてみました。
- 冬の雰囲気満載の冬に読みたいモリくんシリーズ。
- スリルが感じられる展開が魅力的
- 耳に残る心地良い言葉の響きが楽しめる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容


冬の雰囲気とドキドキ・ぽかぽかのストーリーが楽しめます。
森にこの冬一番の雪が積もりました。こうもりのモリくんはリンゴを削ってりんごカーを作ります。作り終えて走らせると雪だるまを作っていたねずみさん、かえるくん、きつねさんを見つけ一緒にりんごカーに乗って出発!
森の中を進むと急な下り坂。かえるくんが切り株まで競走しようと提案します。「よーい、どん」と滑り出すとどんどんスピードに乗ってモリくんチームの勝ち!ですが、その先は「きけん」の看板と崖。
モリくんと一緒に乗っていたきつねさんは助かりましたが、かえるくんが海に落ちてしまいました。そしてそこにはサメが迫ってきています。ロープを使ってみんなで力を合わせて何とかかえるくんを救出。
急いで家に帰りますが、どうやらかえるくんは熱があるみたい。病気の時はりんごを食べると元気になるとモリくんが言うとりんごカーを切って焼きリンゴを作る事にしました。
みんなで唄いながらりんごを切りかまどに入れると美味しそうな焼きリンゴの出来上がり!みんなで「はふはふ」しながら食べました。
展開と言葉の響きも楽しめる「モリくんシリーズ」の良さが詰まった作品です。


こんな方におすすめ


以下の項目に当てはまる方に「モリくんのりんごカー」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 冬の期間に楽しめるドキドキの展開モノの絵本を探している
- 温かい・心地良い雰囲気の中で言葉のリズムが楽しめる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「モリくんのりんごカー」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!


ねずみの家族の静かな冬を楽しめる「14ひきのさむいふゆ」
ねずみの家族の日常が描かれた温かい作品「14ひきの」シリーズ冬編。ゲームや製作をしたり、スキーやそりを楽しんでいる姿が繊細な描写と共に楽しめます。
冬の雰囲気と家の温かさを感じながら、ゆったりとした展開を楽しみたい時におすすめの一冊。


アイデアを出す楽しさが味わえる「せんろはつづく」
ロングセラーの「せんろはつづく」シリーズの第一弾。子どもたちが山や川などの困難をアイデアで乗り切りながら線路を繋いでいく作品。聞き手に問いかけるような文やリズムが感じられる心地良い言葉も魅力的です。
「モリくんのりんごカー」より、聞き手が参加しながら展開や言葉の響きを楽しめる作品を探している時におすすめ。
目的・ねらい


絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 冬の雰囲気を感じながらストーリーを楽しみ、冬に親しみを持つ
- リズム感や心地の良い言葉を楽しみ、言葉の面白さに気付く
目的・ねらい1
冬に前向きなイメージを持てる描写がいっぱいあります。
「モリくんのりんごカー」は、その作品の殆どのページが一面雪景色。特に文が始まるページを開いた時の雪に覆われた町の描写は一気に絵本の世界に引き込まれます。
そこから雪だるま作りや雪を滑り降りる場面など楽しくもドキドキの展開だけでも「冬って楽しそう!」と感じられますが、本作のもう1つの魅力としては雪の寒さと対比するように描かれている家の温かさ。
温かみのある色で描かれ、雰囲気もぽかぽかとしていて、家の中の心地良い温かさが感じられます。外で遊ぶ楽しさと家の温かさ、そんな冬ならではの良さが詰まっているので冬に対してプラスのイメージを持ちやすく、親しみが感じられます。
目的・ねらい2
ストーリーと共に気持ちを盛り上げてくれる言葉が心地良い作品です。
モリくんシリーズの代名詞と言っていいかもしれませんが、「モリくんのりんごカー」も漏れなく心地の良い、聞いていて口ずさみたくなるような言葉が散りばめられています。
例えば「きらきら しんしん ゆきのなか さくさく りんりん りんごカー ぼくらのきもちも きらきらりん」や「ざくざく とんとん りんごカー ほかほか じゅわっと やきりんご」など、その場面のキャラクターの心情に合わせた語呂の良い言葉が多く書かれています。
言葉の響きやリズムを楽しむ中で言葉の楽しさに気付くことができますし、言葉とストーリーが合わさり、言葉の持つ力も自然と感じる事ができます。
チェックポイント


現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に4歳児 |
季節 | 冬 |
行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
3,4歳児頃がおすすめです。
起承転結のあるしっかりとしたストーリーや文の量などを考えると幼児期、特に最後まで集中力が続くことが予測される4歳児頃に読むといいでしょう。
予測する力もしっかりとついているのでスリルある展開を予測してドキドキしながら楽しめますし、言葉の響きの面白さも感じて身近な人と声を合わせて言う楽しさも十分に感じる事ができます。
時期・季節・行事
季節のイメージができてきた時期がおすすめです。
「モリくんのりんごカー」は展開や言葉の楽しさも魅力の1つですが、何といっても冬の雰囲気が感じられる描写が非常に魅力的です。
おおよその季節ごとのイメージを持てるようになった頃に読むことで「冬ってこんな綺麗で楽しい事があるんだ」「冬って楽しそう!」と感じながら読む事ができますし、冬のイメージを固めるきっかけにもなります。
季節は冬。行事と関連する描写はないので、冬の間長く楽しめる作品です。
読み聞かせのポイント


「モリくんのりんごカー」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 場面によって読むテンポを変えましょう
- 言葉の響きが感じられるように読みましょう
ポイント1
読む速さを少し変えるだけで展開が分かりやすくなります。
「モリくんのりんごカー」は中盤から後半に向けての盛り上がりや後半のゆったり感が味わえる作品となっています。内容や描写だけでも展開の面白さを感じる事はできますが、言葉でも展開の速さや強弱を伝える事で聞き手をより世界観に引き込みやすくなります。
最初は特に意識せず読んでいき、競走が始まったあたりから徐々に読むスピードを上げたり少し強く読む事を意識し、終盤の家で焼きリンゴを作る場面はゆっくりと落ち着いた声で読むと物語の展開と声がマッチします。
大げさにやる必要はありませんが、少し意識するだけで聞き手の反応も大きく変わります。
ポイント2
リズミカルな言葉が散りばめられています。
序盤・中盤・終盤とテンポよく読める言葉が書かれていて、物語の楽しさや雰囲気を支えてくれています。聞き手に言葉の楽しさや作品の雰囲気を伝えられるように楽しそうに読んだり、場面に応じた気持ちを込めて読む事をおすすめします。
「しゅるる しゅるる しゅるるるるー」「がんばれ がんばれ かえるくん よいしょ よいしょ りんごカー」など他にも様々なリズムが心地良い言葉があるので、リズムを意識しながら読んでみてください。


まとめ・Ryuの感想


誰もが好きな冬に読めるストーリー物!
ドキドキできる内容や丁寧で美しい冬の描写、言葉の響きが楽しめる文など、様々な楽しみ方が味わえるので多くの子に人気があります。幼児期向けで冬に関する探検・物語絵本を探している人は買って間違いなしです。
展開としては少し激しい部分がありますが、子どもが程よくドキッとする程度のものなので刺激的すぎるわけではありません。その後の焼きリンゴを作る場面は一転してポカポカした温かい雰囲気で落ち着くことができるので、読み終えた後も子どもの気持ちは落ち着いています。
実際に読んでみるとやはり競走して、りんごカーが落ちてしまう場面が大きく盛り上がり、聞き手も「きゃー!」と声を上げながら、しっかり世界観に浸って楽しんでいる事が感じられます。
一面雪景色で寒々しさもありますが、協力して仲間を助ける描写もあり、仲間の大切さや友だちを思う気持ちなどの温かさも感じられる作品になっています。



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