【3,4歳児おすすめ絵本】まめまきバス【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「まめまきバス」は私が”楽しみながら節分に関連するモノを知り、節分に関心を示して欲しい””感染症対策を気にするきっかけになって欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 節分や豆まきの存在を知り、興味を持つ
- 病気にかからないためにどうすればいいのかを考える
- ストーリーを理解し、展開を楽しめる
作品紹介
「まめまきバス」はこんな絵本!
「まめまきバス」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「まめまきバス」を簡単にまとめてみました。
- ストーリーの中に節分の要素を取り入れている絵本
- 楽しみながら節分に関連するモノを知る事ができる
- 感染症対策を知るきっかけになり得る
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
ワクワクのストーリーを楽しみながら豆まきに触れられます。
節分の日。何やら大変な事が起きていました。バス停にマスクをしたバスが停まっているいると「どうしたの?」と、ねずみのみんながのこのことやってきました。バスは「かいじゅうおにが街の皆を鬼にしている」と伝えます。
街に行ってみると怪獣鬼がゴホゴホと咳をしており、その咳を浴びたねずみは角が生えだし、風邪鬼になってしまいます。そして、その風邪鬼が合体して怪獣鬼になっているのです。
ねずみたちは風邪鬼にならないように手洗い、うがい、マスクをして準備万端。”げんきせんたい たすけるんジャー”になって街の皆を救い出そうと試みます。
豆をまいて怪獣鬼をやっつけようとしますが、怪獣鬼の強い咳で豆が飛ばされてしまいます。そこで、バスに豆をたっぷり食べさせてこちょこちょすると手がいっぱい生えだし、豆もたくさん投げ飛ばします。
怪獣鬼は豆をとても嫌がっています。よく見ると豆が当たったねずみは角がなくなり、元のねずみに戻っていっています。そして最後は全員元の姿に戻る事ができました。
最後は皆で豆を食べ、助けてもらったお礼にと特大の恵方巻ももらう事が出来ました。
ドキドキの展開と節分を上手く組み合わせた一冊です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「まめまきバス」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- ストーリーを楽しみながら節分にも触れられる絵本を探している
- 感染症対策に関心を示すきっかけになる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「まめまきバス」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
鬼の魅力と節分の文化が分かる「おにはそと」
節分の夜に豆まきを楽しむ子どもたちと友だちになった子どもの鬼や大人の鬼とのやり取りが楽しめる節分のストーリー。一見怖い鬼も実は関わってみるとそんなに怖くないかも、と感じられる展開が魅力的です。
楽しい節分の雰囲気を全面に打ち出した絵本を探している方にお勧めの一冊です。
善悪の判断、知識の使い方が感じられる「パンどろぼう」
パンが大好きなパン泥棒があるパン屋さんとの出会いをきっかけに改心し、パン職人になるストーリー。ストーリーがとても面白いだけでなく、教訓あり、笑いあり、感動ありの中身がぎゅっと詰まった作品です。
「まめまきバス」と同じようにストーリーの中に楽しさや学びがある一冊です。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。
以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- ストーリーを楽しみ、その中にある節分に気付き、興味を持つ
- 手洗い、うがいなどの感染症対策を自らしようとする
目的・ねらい1
ストーリーの要所要所に節分の要素が取り入れられています。
「まめまきバス」の大きな魅力の1つは何といっても展開のある楽しいストーリー。ストーリー展開だけでも十分に楽しめる内容となっていますが、そこに豆まきや鬼、恵方巻といった節分の要素がうまく絡まっています。
節分を大きく打ち出すことなくストーリーを楽しんでいる中で節分の存在に気付き、興味を持てる工夫がされている絵本と言えるでしょう。
ストーリーが楽しいので、仮に節分に関心がなくても楽しむ事ができ、多くの子にとって節分に興味を持つきっかけとなる絵本です。
目的・ねらい2
鬼の怖さと病気の怖さのかけ合わせが秀逸です。
「まめまきバス」では節分の他に病気の怖さや予防についてもさりげなくストーリーの中で触れられています。
咳をすることで風邪鬼になってしまうねずみ、それを防ぐためにマスクをしたり、手洗いやうがいをする描写があり、病気にならないためにどうすればいいのかを展開の中で面白くもしっかりと描かれています。
手洗いやうがいをしている描写を見ると「こうすれば病気にならないんだ」と、子どももすぐに理解でき、言葉で説明するよりもスッと内容が入ってきやすいでしょう。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に3歳児 |
季節 | 冬 |
行事 | 節分 |
対象年齢
3歳児以降がおすすめです。
最初から最後を通して1つのストーリーを楽しむ内容となっているので、最後までストーリーを理解しながら楽しむのはある程度の集中力を要したり、絵本に慣れている必要があります。
また、節分という行事の理解や病気の予防といった内容を考えても身の回りの事象の理解が進んでいる事が予想される幼児期以降、3歳児頃から十分に楽しめるでしょう。
時期・季節・行事
短めの物語を楽しめるようになった頃がおすすめです。
前のページとの繋がりを理解しながら楽しむストーリー調、文字数も少なくない、節分の要素もある。こうしたいくつかの要素が組み合わさっている内容となっているので、既に短めのストーリーを楽しめるようになっている状態で読み聞かせをする事をおすすめします。
三びきやぎのがらがらどんやがいじゅうたちのいるところなどを最後まで聞くことが出来ていたら、「まめまきバス」も集中して楽しむ事ができるでしょう。
節分の日がに起きた出来事であることや豆や恵方巻なども登場するので、季節は冬、節分に関連づけて読みたい一冊です。
読み聞かせのポイント
「まめまきバス」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- テンポよく読みましょう
- それぞれのキャラクターを演じるように読みましょう
ポイント1
ストーリーの勢いを活かすテンポを意識する。
「まめまきバス」は、聞き手を飽きさせる事のないリズムの良いストーリー展開が楽しめます。特に怪獣鬼を倒す場面は勢いよくどんどん展開が進んでいくので、そのテンポに合わせて読むことでストーリーのワクワク感も増していきます。
決して早く読む事をおすすめしているわけではありませんが、変な間を空けずに怒涛の展開を演じる事を意識すると面白さが増して感じられるでしょう。
ポイント2
劇場を見せるような感覚で!
”悪者vs皆を守る正義の味方”のような王道の内容のため誰しもがドキドキ・ワクワクしながら楽しめるのも魅力的な「まめまきバス」
キャラクター一人一人を演じ切る必要まではないものの、せめてねずみたちと怪獣鬼の声は分ける事で聞き手にも内容がより入りやすくなり、絵本の世界に入り込みながら更に楽しめるようになります。
多少の恥ずかしさもあるかもしれませんが、声を変えるというよりも演じる事を意識する事で面白さが深まっていきます。
まとめ・Ryuの感想
節分に興味を持つかは子ども次第。ストーリーの楽しさがベースにある作品です。
大人の思いとしては折角なら日本の伝統行事である節分について子どもにも知って欲しいと感じてしまいますが、子どもにとってはそんなこと気にしていられません。
確かにもっと節分を全面に押し出した作品もありますが、節分に興味がない子や好きではない子にとってはあまり楽しく感じられない可能性もあります。そこで「まめまきバス」のように節分を抜きにしてもストーリーが十分に楽しめ、そこに節分の要素が散りばめられている事で押しつけがましくならず、興味を持つか持たないかを子どもに委ねる事ができます。
興味を持ってくれたらラッキー、別に興味を持たずストーリーを楽しめていたらそれもまた良し。そんな子どもに裁量権を持たせてくれる1冊となっています。
実際に読み聞かせをすると盛り上がるのはやはり戦うシーン。ねずみたちに「頑張れー!」と応援したり、一緒に豆をまく真似をしながら楽しんでいる子が多く見られます。
楽しさの中に学びがある素敵な作品です。
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