【2歳,3歳児おすすめ絵本】おにはそと【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「おにはそと」は私が”節分に興味を持って欲しい””見た目や思い込みで物事や人を判断しない大切さを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 節分の存在を知り、興味を持つ
- 鬼に親しみを感じる
- 人の中身を見ようとする
作品紹介
「おにはそと」はこんな絵本!
「おにはそと」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「おにはそと」を簡単にまとめてみました。
- せなけいこさんが描く温かい鬼のストーリー ミニオンセラー作家
- 節分で何を行うのかを知り、興味が持てる
- 見た目で判断しない大切さが感じられる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
どこか憎めない鬼たちが描かれている、楽しい節分の絵本です。
節分の夜…という怖そうな書き出しですが、ページをめくると子どもたちに豆を投げられてたじろいでいる鬼たち。そこにいた子どもの鬼は、子どもたちに気に入られて一緒に遊ぶことに。
そうとは知らず、鬼たちは子どもがさらわれたと親分に報告します。
親分は豆に立ち向かうべく、がちがちに武装して人間たちのもとへ。そんな鬼の親分ですが、あっけなくやられてしまいます。しかし、子どもたちは鬼が怖くないことに気付き、最後は仲直り。
どこか抜けている鬼にくすっとしてしまう温かい作品です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「おにはそと」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 節分に関連する絵本を探している
- 見た目やイメージで判断しない大切さを感じられる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「おにはそと」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
鬼が怖くなくなる?「おにのパンツ」
あの有名な童謡「おにのパンツ」の歌詞に絵がつけられた歌絵本です。絵のタッチが面白く、歌の楽しさも合わさり鬼に対するイメージが変わるきっかけになり得ます。
節分に合わせて唄いたい一冊です。
見た目だけが全てではない事が感じられる「すてきな三にんぐみ」
お金持ちから泥棒をする所謂”悪者”。ですが、ある女の子との出会いをきっかけに三人の気持ちが変化し、恵まれない子たちを助ける素敵な三人組になっていきます。
暗い雰囲気の絵本ですが、他者の為に行動する尊さが分かる一冊です。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 節分を知り、興味を持つ
- 見た目や思い込みで物事・人を判断しない大切さを知る
目的・ねらい1
節分に関連するモノを楽しみながら学べます。
日本の伝統的な文化ですが、子どもにとってはあまり馴染みのないものです。
そこで、「おにはそと」を読み、物語を通して楽しく、親しみを感じながら節分について知ることができます。
節分には豆を使うこと、鬼は真似が嫌いなこと、鬼は外 福は内という言葉を言いながら真似を投げることなど、1つ1つ説明されているわけではありませんが、物語の中で節分で大切なことはしっかりと取り入れられています。
鬼は出てきますが、怖い鬼ではないので節分を楽しみに思うことができるでしょう。
目的・ねらい2
人生の教訓を感じることができます。
外見で物事・人を判断してしまうことは大人であってもあることですし、違いに敏感な子どもにとっては尚更です。
物事ならまだしも、出会った人を外見だけで判断するようになってしまうのは、勿体ないですし、悲しいですよね。
「おにはそと」を読んで今後全ての偏見がなくなるわけではありませんが、実際に触れてみないと分からないことが世の中には溢れていることを感じることができるでしょう。
物心がついた子にとっては鬼は怖い存在かもしれませんが、「おにはそと」のように例え鬼のように怖い存在でも話してみたらそうでもなかったことは沢山あると思います。
難しいテーマではありますが、外見だけでは判断しない大切さを少しでも理解できるでしょう。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児期、特に3歳児 |
季節 | 冬、春先 |
行事 | 節分 |
対象年齢
2,3歳頃がおすすめです。
2歳頃になると大人と一緒に「鬼は外 福は内」と言いながら豆まきを楽しめるようになるので、2歳以降がいいでしょう。
1歳児でも絵本は最後まで集中できると思いますが、節分の意味などを理解するのは少し難しいと思います。
4,5歳も初見だったら十分に楽しめますが、文の量やページ数を考えると少し物足りないかもしれません。
時期・季節・行事
人見知りが落ち着いてきた頃がいいでしょう。
生後6~12か月頃から始まり、2歳頃までになくなると言われている人見知りですが、人見知りが落ち着いてきた頃に読むことで、パッと見で人を判断しない大切さが少し感じることができるようになると思います。
勿論、人見知りが始まる次期、終わる時期には個人差があるので、子どもの様子を見ながら適切な時期に読んでみましょう。
季節としては冬、行事はもちろん節分の前に読むといいでしょう。
読み聞かせのポイント
「おにはそと」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 声色は変えつつも淡々と読みましょう
- 怖すぎない雰囲気を作りましょう
ポイント1
文のほぼ全てが会話で構成されています。
登場人物は人間が5人、鬼が6匹です。
会話が次々に展開されていきますが、感情を表出する場面は少なく、普段の会話のようにテンポよく読むと、本当の会話らしさが出ていいでしょう。
鬼の親分が子どもに向かって話しかける場面では、怒りを表現してもいいと思いますが、あまり激しく感情を表現すると恐怖を感じてしまう恐れもあるので、怒っているんだな、とやんわり感じられるぐらいに抑えて読みましょう。
また、会話の部分に「」が使われていないので、読み聞かせる前に文に目を通して会話の流れを理解しておくと、読み聞かせるときにスムーズに読むことができるのでおすすめです。
ポイント2
読み手が作る雰囲気で絵本の印象が決まります。
どの絵本にも言えることですが、絵本を読み聞かせる時にとても大切にしているのが雰囲気作りです。
「おにはそと」も怖い印象を与えたいと思えばできてしまいます。ですが、ただただ怖いだけの絵本なんて意味がないですし、内容が入ってきません。
聞き手は鬼が出てくるのを知ると少し身構えてしまうかもしれないので、読む前に明るい会話をしてから始める、手遊びをしてから読むなどすると、楽しい雰囲気のまま聞くことができるようになります。
絵本のテーマや色使いが少し暗いので、どうしても暗い雰囲気になりがちなので、声色もいつもより高めにし、気持ち明るく読むと聞きやすくなるでしょう。
まとめ・Ryuの感想
節分前に必ず読む、定番絵本です。
内容やページ数は乳児向けですが、幼児でも楽しむことができるので、毎年必ず0歳児以外の子に読んでいる一冊です。
1,2歳の子には節分の説明も兼ねて、こんな行事があるんだよ、ということを伝える為に。3歳児以降の子には、節分は鬼が来て怖いだけの行事ではないことを感じてもらう為に読んでいます。
どうしても怖いだけの存在になってしまう鬼ですが、「おにはそと」ではどこか人間に近いような、憎めない鬼が描かれており、親近感すら覚えます。
確かに怖い存在かもしれませんが、そんなに怖がる必要もない存在であることを絵本を通して伝えてくれています。また、節分の鬼のみならず外見で判断しない大切さも感じることができ、節分だけでは留まらない素敵な作品になっています。
記事を書く励みになります。ポチっとお願いします!