【2,3歳児おすすめ絵本】14ひきのもちつき【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「14ひきのもちつき」は私が”お正月の雰囲気や餅つきの文化を知ってほしい””絵をじっくりと見る楽しさを感じてほしい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- お正月の雰囲気を知る
- 餅つきというものがある事を知り、興味を持つ
- 丁寧に描写された絵を見て美しさを感じる
作品紹介
「14ひきのもちつき」はこんな絵本!
「14ひきのもちつき」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「14ひきのもちつき」を簡単にまとめてみました。
- 国内累計発行部数750万部を超える「14ひきの」シリーズのお正月編
- お正月の雰囲気や餅つきとは何をする事なのかを理解できる内容
- 丁寧な描写が特徴で、絵の美しさを感じながら絵を見る楽しさを味わえる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
14ひきのかぞくの何気なくも温かな日常が描かれています。
「かーん こーん」森に響くのはおとうさんの薪割りの音。おじいさんがかまどに火を入れるといっくんも起きてきました。今日は餅つき。くうちゃんもとっくんはお手伝い、ろっくんはやっと目が覚めたみたい。
おばあさんは夕べからふやかしておいたお米の水切り、おとうさんは臼を転がしてきました。餅つきの準備が進むと臼の周りでなっちゃんたちは踊って大喜び。いよいよ餅つきの始まりです。
みんなが見守る中でおとうさんが腰を入れてぐっぐっぐっ。にっくんもごうくんもおとうさんの真似をしてぐっぐっぐっ。ぺったん、とったん。餅つきが始まり、おかあさんは上手にこね取り。
お餅がやっとできました。ろっくん、はっくんは餅とり粉をまぶします。温かくて柔らかくて気持ちいいお餅ができました。次のお餅もついていきます。今度は子どもたちもお餅をついて、みんなで協力してお餅を作ります。
お餅が出来たらあんころ餅やきな粉餅、くるみ餅までみんなで作ります。作り終えたら皆で食卓を囲んで美味しいお餅を食べます。みんなで作ったお餅はとっても美味しそう。もうすぐお正月がやってきます。
温かな雰囲気と共にお正月が感じられる一冊です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「14ひきのもちつき」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- お正月に関する絵本を探している
- 落ち着いた雰囲気で丁寧な描写が楽しめる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「14ひきのもちつき」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
協力・助け合う良さが感じられるストーリー「おせちのおしょうがつ」
おせち料理たちが重箱に乗って鏡餅の家に遊びに行く物語。昆布巻き、海老、金団、ごまめ…様々なおせち料理が登場し、助け合いながら困難を乗り越えていくドキドキのストーリーも魅力的です。
「14ひきのもちつき」より長めのお正月ストーリーを探している方におすすめです。
ねずみくんの大逆転が面白い「ねずみくんとゆきだるま」
体の小さいねずみくんは体の大きい動物たちに圧倒されるばかり…。でも、最後雪だるまを作る時には、ひょんなことからねずみくんが一番大きな雪だるまを作り上げます。
落ち着いた雰囲気ながらも笑って楽しめて、冬が感じられる一冊です。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。
以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- お正月の雰囲気を感じながら餅つきについて興味を示す
- 絵をじっくりと見て、美しさを感じながら描写されているものを発見することを楽しむ
目的・ねらい1
落ち着いた雰囲気の中で餅つきに触れられます。
「14ひきのもちつき」は、内容と描写が相まってお正月前の独特な静けさや落ち着きがよく感じられる構成になっています。子どもにとって”お正月”はイメージのつきにくいもの。なのでまずはお正月の雰囲気を知ることで、お正月のイメージを持つきっかけとなり得ます。
また、作品全体を通して餅つきが魅力的に描かれているので、餅つきに興味を持ちつつお正月のイメージを広げる事ができます。たとえ1つの物事だとしても知っているだけで子どもは嬉しくなり、お正月を楽しみにする事にも繋がります。
目的・ねらい2
思わずじっと見てしまう丁寧な描写が魅力的。
「14ひきのシリーズ」のどの作品にも言える事ですが、とにかく描写が丁寧で絵を見る楽しさを存分に味わう事ができます。絵の隅々まで見ることで小さく描かれているモノを発見することもあり、モノ探しの楽しさも同時に味わえます。
繊細に描かれた絵を見ることで絵の美しさや魅力に気付くきっかけになり、「自分も描いてみたい」と思う可能性も広がります。作品の内容で心が豊かになるだけでなく、絵によっても心や目が豊かになり、子どもの好奇心も刺激する一冊となっています。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児期、特に2歳児 |
季節 | 冬 |
行事 | お正月 |
対象年齢
2歳児以降がおすすめです。
文字数も多くありませんし、内容としてもお正月の詳細を知るというよりは雰囲気を感じる部分に重きが置かれているので、2歳児でも十分に楽しむ事ができます。
文字よりも絵で状況を説明している作品なので言葉がまだ十分に発達していなくても視覚的に分かりやすい点も魅力的です。絵で伝えている分、内容が届きやすく、どんな子にも長く愛される一冊です。
時期・季節・行事
短いストーリーの絵本を最後まで集中して楽しめるようになった頃がおすすめです。
「14ひきのもちつき」は文も短く比較的早い時間で読み終える事ができます。しかし、本作は文よりも絵で説明をしている部分が多いため絵をじっくりと見て楽しみたい作品です。
絵をじっくりと見るためにも集中力が必要となるので、「どうぞのいす」などの短いストーリーや5分以内で読み終える絵本を最後まで楽しめるようになってから読むことで、「14ひきのもちつき」も最後まで集中して楽しむ事ができるでしょう。
ねずみたちの洋服や雪が降り始める描写もあるので、季節は冬、行事としてはタイトルと同じように餅つきの前後、お正月に合わせて読むことをおすすめします。
読み聞かせのポイント
「14ひきのもちつき」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。
読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 淡々と状況を説明するように読みましょう
- 1ページに時間を掛け、聞き手の様子をよく見て読みましょう
ポイント1
言葉は添えるだけのような感覚で読むと絵に集中できます。
「14ひきのもちつき」の特徴は丁寧かつ細かく描かれた描写と短い文。作者の思いが伝わるような絵本の構成をしていて、ページのほぼ全面が絵になっていて、文字は下のわずかなスペースに書かれているだけとなっています。
聞き手が絵に集中できるように読み手は邪魔をしないように、しかしながら言葉でも状況を理解できる、理解の助けになるように読むことをおすすめします。
絵に言葉を添える感覚で読むので、感情などは込めすぎないようにしましょう。
ポイント2
絵を楽しみ終わるまで待ってからページをめくる。
「14ひきのもちつき」の持つ落ち着いた雰囲気を壊さないためや聞き手が絵を十分に楽しめるように1ページに時間を掛けて読むことをおすすめします。
次のページをめくるタイミングとしては、聞き手の様子をよく見て判断しましょう。秒数などで決めてしまうと絵を楽しんでいる途中でページがめくられてしまい存分に堪能できない可能性もあるので、聞き手が一通り絵を見終わったと思われるタイミングでめくります。
大勢に対して読む場合は7,8割の子が見終えたであろうタイミングでページをめくるといいでしょう。
まとめ・Ryuの感想
乳児から楽しめるお正月の雰囲気を感じられる一冊。
「14ひきのもちつき」は餅つきというお正月らしいことに触れつつも、笑えるような面白い展開に発展することなく、お正月らしい静かで落ち着きのある雰囲気で最後まで楽しめる作品となっています。
何かしら大きな展開があったり、笑えるような展開が描かれている絵本が多い中で静かなまま楽しめるお正月に関連する絵本は貴重だと思っています。お正月に行う事だけでなく、雰囲気も絵本から感じられるのは大きな魅力の1つです。
絵をとても大切にしているシリーズなので、子どもの反応も絵をじっと見ているような子が多く、静かに楽しんでいます。しかし、実際に餅つきなどを見た時には「ねずみがやってたやつ!」とハッキリと覚えている事もあり、子どもがいかに絵から情報を得ているのかが感じられます。
落ち着いたお正月の雰囲気を味わいながら、餅つきにも興味を持てる。そんなお正月に読むのにぴったりな絵本です。
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