【2,3歳おすすめ絵本】なつのおとずれ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「なつのおとずれ」は私が”夏に期待感を持って欲しい””夏に関連するモノを知って欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
夏が恋しくなる!面白可笑しく楽しめる夏の一冊。
天気予報で梅雨明けの発表がされると太陽が「みんなに しらせますか…」と呟きます。
するとスイカやカブトムシ、アイスや扇風機などなど夏に関するものが「よんでいる」と感じ取る。みんな揃って「よーい どん」で太陽のもとへかけっこが始まります。
走っている道中でもトウモロコシや蚊取り線香など夏に関するものたちと出会い、最後は太陽の口の中へ!
太陽が皆を一口で食べてしまうと…。
梅雨から夏に一度は読みたい楽しい絵本です。
こんな方におすすめ
- 梅雨・夏に楽しめる絵本を探している
- 笑いながら楽しめる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「なつのおとずれ」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
色彩豊かに夏を感じられる「ねこのはなびや」
しろねこ組、くろねこ組、とらねこ組…それぞれが特徴的な花火を打ち上げ、どこの組が一番かを競い合う。色彩豊かな花火だけでなく、オリジナリティ溢れる花火が多数登場し、感性が磨かれます。
大きな仕掛けも魅力的な一冊です。
同じ時期に読みたい有名な歌の絵本「あめふりくまのこ」
梅雨時期にぴったりな有名な雨の歌。雨を楽しむ熊を唄っている中で想像できるだけでなく、カタツムリなど梅雨時期に関連する動植物も絵本の中に多く登場します。
「なつのおとずれ」の前に読みたい一冊です。
目的・ねらい
- 季節を意識し、夏に関連するものを知る
- 少し先の未来の事を考えて、想像・イメージを膨らませる
目的・ねらい1
夏とはどのような季節かを知るきっかけになります。
これまでの経験から熱い時期がある事は子どもも理解していますが、それを「夏」という言葉で表す事は知らない場合が多く、「なつのおとずれ」を読むことで、その時期が夏である事が結びつきます。
また、夏に関連するものも絵本を楽しむ中で自然と知る事ができるので、感覚だけでなく、「夏といえば○○」といったように知識として夏というものを理解する事ができるようになります。
目的・ねらい2
先の事を考える楽しさが感じられます。
面白おかしく夏について描かれているので、早く夏が来て欲しいと待ち遠しくなります。
そして、「夏になったら何をしよう」「こんなことがしたい」と先の事を想像する中で考える力も自然と身に付きます。
人にとって”考える””見通しを持つ”という事は生きていく中でとても大切な事です。
一見関係のない内容のように感じますが、未来の事を待ち遠しく思うことや想像すること、考える事など、生きていく上で必要な力とも繋がっています。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児、特に3歳児 |
季節 | 夏前、夏 |
行事 | 水遊び前など |
対象年齢
3歳児頃がいいでしょう。
季節という概念を理解することや先の事を想像することは乳児には少し高度なことなので、知識として理解できることが増えたり、想像する力がしっかりと身につく3歳児頃がおすすめです。
面白い内容や夏に関連するモノなどを楽しむだけなら2歳児でも十分に楽しむ事ができる内容となっています。
時期・季節・行事
季節の移ろいをそれとなく理解できるようになった頃が良いでしょう。
季節というものを全く理解していないと”夏”という概念の理解が難しくなってしまうので、季節というものがあるということをぼんやりと理解してから読むことで、”夏”をしっかりイメージしながら楽しめます。
季節としては、夏に入る前の梅雨時期から初夏がいいでしょう。
行事としては、夏の始まりを感じさせるプール開きなどがある場合には、それに合わせて読むのも良いと思います。
読むときのポイント
- 明るく、楽しい雰囲気で読みましょう
- 登場するキャラクターに意識が向くように工夫しましょう
ポイント1
気兼ねなく笑える雰囲気で包み込みましょう。
コメディのような展開で笑いながら楽しめる作品となっているので、読み手が明るく読み、盛り上がれるような雰囲気を作ることで、聞き手も心から楽しむ事ができます。
声を少し高くし元気よく読んだり、「わっせわっせ…」と繰り返される場面では、テンポよく読んで聞き手も口ずさんでしまうような楽しさを演出してみましょう。
読み方次第で読み手の意識を一気に絵本へ向けやすい作品です。
ポイント2
個性強めなキャラクターは夏の象徴ばかり!
かがくい ひろしさんが描くキャラクターは作品の面白さを引き立てるだけでなく、全てが”夏らしさ”を表現しているものとなっています。
金魚、向日葵、セミなど、おおよそ15体のキャラクターに目を向けることで、どういったものが夏らしいのかを理解するきっかけを作る事ができます。
キャラクター毎に声を変えたり、指差しをして分かりやすく読んだりしながらそれぞれの夏らしいものを意識できるように配慮しましょう。
まとめ・Ryuの感想
夏が楽しく理解できる!一石二鳥の絵本。
単純に絵本の内容を楽しむだけでなく、「季節を知ってほしい」「夏のモノを伝えたい」そんな思いにも応えてくれるのが「なつのおとずれ」です。
知識として身に付きはしますが、知識の詰込みではなく楽しく知る事ができる点が「なつのおとずれ」の良さの1つでもあります。
私は幼児を中心に読んでいますが、その時には絵本の持つ楽しい雰囲気もあって、子どもたちが笑いながら楽しんでいました。
また、二回目に読んだ時には「わっせわっせ…」と繰り返す場面で子どもたちも一緒に読んでお祭りのように盛り上がったりと、楽しさと笑いが絶えない時間になっています。
夏を楽しむだけでなく、子どもと一緒に楽しい時間を過ごしたい方にもおすすめです。
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