【0,1歳児おすすめ絵本】こぐまちゃんおはよう【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「こぐまちゃんおはよう」は私が”身の回りの事を自分でやってみたいと感じて欲しい””登場するキャラクターに自分を重ねる感覚を覚えるきっかけになって欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
「こぐまちゃんおはよう」はこんな絵本!
「こぐまちゃんおはよう」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「こぐまちゃんおはよう」を簡単にまとめてみました。
- シリーズ累計発行部数1000万部を超えるこぐまちゃんシリーズ第一弾
- こぐまちゃんの一日の生活がゆったりと描かれている
- 子どもが自分とこぐまちゃんを重ねる体験ができる
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
子どもの気持ちに寄り添った絵本です。
「こぐまちゃんおはよう」は、こぐまちゃんの何気ない一日の様子が描かれています。
朝に起きてまず顔を洗って、歯磨きも自分でします。朝ごはんの後は、金魚にもごはんをあげます。
玩具でいっぱい遊ぶけど、お片付けも自分でしっかりできます。トイレとお風呂を済ましたら玩具と一緒におやすみなさい…。
思い描きやすい描写に思わず自分を重ねてしまう一冊です。
こんな方におすすめ
- 生活習慣に関する絵本を探している
- 自分の経験から共感できる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「こぐまちゃんおはよう」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
歯磨きと言葉の楽しさが感じられる「ノンタン はみがきはーみー」
累計発行部数3360万部のノンタンシリーズ。ノンタンやシリーズでお馴染みのうさぎさん、ぶたさん、たぬきさん、くまさんたちと歯磨きを楽しめます。「はみがき はーみー」「しゅこしゅこ しゅっしゅ」などの響きの面白い言葉が満載です。
同時期に読みたい歯磨きに特化した一冊です。
子どもの気持ちに寄り添った絵本「はけたよはけたよ」
パンツを上手に履くことが出来ずに悔しい思いをしている子が描かれています。一回は嫌になって投げ出してしまうものの、お母さんの支えなどを経ながら、最後は工夫を凝らして自分で履くことができます。子どもこそ共感できる内容です。
お母さんの温かみも感じられる一冊です。
目的・ねらい
- 一日の生活を思い返し、自分でやってみたいと思う
- 自分の姿とこぐまちゃんを重ねようとする
目的・ねらい1
やりたい気持ちが自然と湧きあがります。
1歳児になると生活の中でも自分で出来る事が増えてきて、「自分でやりたい」と思うことが多くなります。
それと同時に気分によっては「やりたくない」という思いも持つことがありますが、「こぐまちゃんおはよう」を見ると「自分でやってみたい」と感じる事が予想されます。
食事やお片付け、トイレ、お風呂など嫌がる事も多くあるものばかりですが、「こぐまちゃんおはよう」には、それらの習慣がこぐまちゃんと共にどこか温かく描かれているため魅力的に感じる事ができます。
また、こぐまちゃんはそれらがきっちりとできているので、一種の憧れも抱きながら「自分もできる!」と感じる事ができ、自ら率先して食べたり、排泄するきっかけを作る事ができるでしょう。
目的・ねらい2
共感への第一歩!
こぐまちゃんの様子を見て、自分と重ねようとする事ができるのは様々な経験してきたからこそ出来ることです。
言葉にはできませんが、心で「わかるわかる」と、こぐまちゃんを見ながら感じているでしょう。
そして、こぐまちゃんに自分を重ねるということは他者になりきるということ。
他者へのなりきりを通じて相手の気持ちが徐々に分かるようになり、思いやりや共感といった高度な発達に繋がっていきます。
「こぐまちゃんおはよう」は、そんな思いやり・共感の第一歩となる絵本です。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 0,1歳児、特に1歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
1歳児がおすすめです。
歩けるようになり、行動範囲が広がるだけでなく、体の機能が発達し色々な事ができるようになることで、基本的な生活習慣も少しずつ身についてきます。
そのような時期にまるでお手本のようなこぐまちゃんの姿を見ることで「自分でやってみたい」「自分ならできる」と感じるでしょう。
時期・季節・行事
イヤイヤ期が始まった頃がいいでしょう。
第一次反抗期とも言われるイヤイヤ期。早くて1歳半ごろからと言われています。
自我が芽生えることで「自分でやりたい!」という思いと出来ない現実に子どももストレスを抱える時期です。
そのような時期に一人で何でもできるこぐまちゃんの姿を見せることで、「やってみよう」と奮起する事が予想されます。
季節や行事とは関係ないので、子どもの様子を見ながら読む時期を決めましょう。
読み聞かせのポイント
- 優しい雰囲気でゆっくり読みましょう
- 子どもの反応もよく見ましょう
ポイント1
どこか温かみが感じられるように読むといいでしょう。
こぐまちゃんの一日の様子が淡々と描かれている作品ですが、そこにはどこか温かみが感じられます。
そんな絵本の持つ優しい雰囲気をゆったりと読んだり、抑揚をつけすぎないようにして読むことで伝えるといいでしょう。
聞き手も安心して見る事ができ、絵本の内容もより伝わります。
ポイント2
聞き手と会話する気持ちで読む!
「こぐまちゃんおはよう」には子どもが反応を示す要素が散りばめられています。
例えば朝ごはんの食材、金魚、生き物の玩具、お風呂のクジラなどなど…子どもは思っている以上に絵本の隅々まで見ているものです。
そんな絵本を見る中で何かを見つけられた事への喜びを読み手に声や身振りで伝える事が多くあるので、子どもの様子をよく見てそれらのサインをしっかりとキャッチしましょう。
「そうだね」「りんごあったね」「お片付け上手だね」などのやり取りを楽しみながら読むことで、聞き手も最後まで楽しく、安心しながら絵本を楽しむ事ができます。
まとめ・Ryuの感想
温かい雰囲気が心地良い乳児の定番絵本!
食事、片付け、排泄、睡眠など1歳児から少しずつ身に着けたい生活習慣がぎっしり詰まっています。
しかし、押しつけがましい躾のような要素はなく、こぐまちゃんがただ生活している様子を温かく見せることで生活習慣の獲得を前向きに捉える事ができる工夫がなされています。
生活習慣は無理やり教え込むものではなく、自然と身につくものなので「こぐまちゃんおはよう」のような絵本で伝えていればそれでいいと私は考えています。
読み聞かせの時には0~2歳児の子によく読んでいました。
特に盛り上がる展開はないのですが、子どもの安心した表情や落ち着いた雰囲気の中での指差しなど、確かな反応があり、絵本を通して子どもとのやり取りを楽しむ事ができました。
子どもに身近なテーマなだけあって子どもも共感する事ができるのだと思います。
乳児に是非読みたい一冊です。
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